KV/KSサンバーに永井ウルトラコードを流用
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
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EKエンジンの頃の550ccサンバーや、TV/TT以降の新規格サンバーにはラインナップがあるのに、KV/KS時代の旧規格サンバーには何故かラインナップが無い永井ウルトラシリコンコード。
理由は幾つか考えられるのですが、旧規格サンバーは点火系の構造、特にディストリビューターが本当にコロコロ仕様変更された事も無関係では無いと思います。少なく見積もっても
1.NA車用の三菱製負圧進角デスビ(デスビキャップの端子が垂直)
2.H2-H3のSC車の日立製センサー進角デスビ(D4S89-01、デスビキャップの端子が横向いてる奴)
3.H4以降のSC車の日立製センサー進角デスビ(D4S91-02、デスビキャップの端子が垂直)
4.H8以降の赤帽NA車とLPG車のみにあったDLI同時点火
の4種類はあって、それぞれNGKでもプラグコードの品番はバラバラ。プラグキャップもストレートタイプの新規格と異なり、今ではSOHCでも余り見かける事のない120度曲がったタイプのもの・・・。
結構特殊な条件なんで、永井ではラインナップされなかったんでしょうかね・・・?(風の噂では「特殊な点火系だから、変に強化すると壊れる為」なんて笑えない話も聞くんですがね・・・)
2
そんな訳で、KVやKSに乗っている人は大概このNGKプラグコードを使っている事が多いかと思います。たった1年しか生産されてない日立デスビのH2-3年SC車でも専用品があるのがうれしいところなんですが、良くも悪くもノーマルなコードなので、もうちょっと効率を上げたい場合には流用が必須になるかと思います。
永井シリコンをはじめ、他のプラグコードを流用する場合には純正かNGKコードの寸法がまず基本になると思います。写真はH2-3年SC車用の「RC-FE38」ですが、まずこのコードのプラグキャップ(黒い部分)を除いた青いコード部分の長さを採寸します。
プラグキャップの長さはコードメーカー毎にまちまちなのですが、純正やNGKは基本的にターミナルの構造が恐ろしくシンプルで、プラグキャップもかなり短いものが使用されているので、純正やNGKのコードの長さを基準にすれば、「短すぎて取り付けできない」という事はあまり起こらないかと思います。
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RC-FE38の青コード部分の長さは、
センター 約190mm
1番気筒 約390mm
2番気筒 約300mm
3番気筒 約310mm
4番気筒 約240mm
・・・といった感じ。H2-3年SC車の日立製デスビはデスビキャップの端子が横方向(車体の後方側)を向いていて、その分コードが短くなっているはずなので、端子が垂直な三菱製やH4以降の日立製の場合はもうちょっと長いかもしれません。
コードの長さが分かったら、次に流用する永井シリコンを選定。永井シリコンは関連情報URLでも示されているように、コードとキャップの接続がネジ止めになっていて、分解交換が可能な仕様となっているので、コードの長ささえ近い組み合わせが出来るものであれば、6気筒用でもDOHC用でもなんでも構いません。
自分が調べた限りでは、プラグキャップを付け替える必要はあるものの、日産A型エンジン用や、P10プリメーラ用などが割と長さが近かった覚えがあります。120度のプラグキャップはFC3S/FC3C用などで採用されていたので、ジャンク扱いのコードを2-3台分集める前提なら、ほぼばっちりの長さ&同じ形状のプラグキャップのコードをあつらえる事が出来るのではないかと思います。
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お手軽に一発流用をしたいのであれば、「SOHCの4気筒」という条件で探す必要があります。ここ15年位の間にSOHCでセンターコードを備えた構成の4発エンジンはすっかり減ってしまった(TVサンバーですら同時点火化でセンターコードが無くなってしまった)のですが、色々探し回っている内に見つけたのがこのコード。JB31W型ジムニーシエラ G13B SOHCエンジン用のものです。永井品番は2747-10。
2747-10の長さは、
センター 約200mm
1番気筒 約475mm
2番気筒 約465mm
3番気筒 約370mm
4番気筒 約430mm
・・・といった感じで、RC-FE38よりも5-10cm程度長めです。20-30cmも長いと本当に困ってしまいますが、10cm程度までの長さであれば多少たるむ程度で取り回し方次第でどうにでもなります。
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NGKコードと、永井シリコンのプラグキャップを比較してみます。直径は両者ともほぼ同じ径で、先端からターミナルまでの深さもほぼ同じ。(中を覗いてターミナルを見比べると、永井シリコンが如何にもコストのかかった豪華な作りをしているのが良く分かります・・・。)
ただ、永井シリコンのプラグキャップは先端に傘のような膨らみが設けられていて、KVのEN07にはそのままでは取り付ける事が出来ません。こういった部分に特殊な寸法使っている事も、永井のラインナップから外れている原因なのかもしれません。
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ただ、メタルシールド付きではない普通のプラグキャップであれば、キャップ全体が柔らかいシリコンゴムで出来ているので、プラグホールに引っ掛かる傘の部分もカッターで簡単に切り取る事が出来ます。
これでKVのヘッドにも呆気なく差し込む事が出来るようになりました。
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1-4番までの取り付けはこんな塩梅です。
平均5-10cm程度長いので、ややたるみますがこの程度ならあんまり問題にはなりません。むしろ、微妙に短くて届かない方が悲惨です。もしかすると、デスビキャップの端子が垂直のものの場合、シエラ用の長さで丁度良いのかもしれません。
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センターコードはこんな感じ。純正/NGKでもちょっと長い位なので、ここだけはもう少し短いものを選択しても問題ないかと思います。
なお、曲がりのキツイ部分には予めケーブル保護用のスパイラルチューブを巻いておくと、ブラブラ揺れずに安定するのでオススメです。
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