U14データベース
投稿日 : 2009年08月09日
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新型ブルーバードU14型車は、「走りの心を持つ洗練されたベストミディアムセダン」を商品コンセプトとし、以下の内容に重点をおき開発しました。
1.オーソドックスで車格感のあるスタイル
・SSS系:大人のスポーツ心に訴えかける「落ち着き」と「スポーティさ」を表現
・ルグラン系:「落ち着き」と「ひとクラス上の車格感」を表現
2.日産車ならではの洗練された走り
・4輪マルチリンクサスペンションにより、ドライバーの意のままに反応するハンドリング特性とスムーズな乗り心地を実現(2WD車)
・SR型エンジンの改良(実用域でのトルク特性の改善)により、中速域での加速性能を向上
3.ファミリーカーとしての商品要件を兼ね備える
・大人4人がゆったり座れる広い室内を確保
・「一走り、一曲がり、一止まり」でわかる軽快で快適な運転のし易さを実現
・ガソリン1.8Lの2WD車にリーンバーン制御による燃費の良さと動力性能を兼ね備えたSR18DEエンジンを搭載
車体形状は4ドアセダンのみとし、エンジンはガソリン2種類とディーゼル1種類の計3種類を設定しました。
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U13型では「Sophisticated Sporty Sedan」だったSSSの解釈を、U14型では元通り「Super Sports Sedan」に戻りました。また、「ルグラン(LeGrand)」の名称はU11型ブルーバード・マキシマの上級グレードとして、「XE」と「FE」はU12型で上級グレードとお買い得グレードとして使用されていたグレード名を使用。不評だったU13型の印象を払拭すべく過去のモデルから持って来たんでしょうが、往年のファンには「おっ」と思えるグレード名でした。
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売れ筋の車型に集中してラインナップを大幅整理して登場したU14型。発売当時は「クラス初のデュアルエアバッグ全車標準装備」ということで安全性をさかんにアピール。
ほぼ同時期にトヨタからはコロナの新型、コロナ・プレミオが登場。こちらは明らかにブルーバードに対抗して全車デュアルエアバック+ABSを標準装備。ブルーバードは一歩差をつけられてしまいます。ブルーバードもコロナも同じような方向性で時期を同じくして登場したこともあり、メディアはこぞって「よみがえったBC戦争」と取り上げたのが印象的でした。
2.0SSSと1.8ルグランを軸に開発されたU14型。残念ながら910型・U12型からの伝統であるターボ+アテーサ搭載モデルは整理されてしまったものの、スポーティな走りは健在。中身はP11プリメーラそのものですが、日本市場を重視したその足回りのセッティングは「日産FF最高の足回り」と評されたことも。(前期I型)
コロナ・プレミオが全車ABS標準装備で登場し、差をつけられてしまったので発売後約半年の1996年8月に仕様変更が行われます(前期II型)。
ABSを標準装備にする代わりに、1DIN小物入れがフタのないタイプになり、SSS系・ルグラン系のセンターコンソールリッドクロス張り、XE系の運転席デュアルシートリフターが廃止されます。しかし、ひそかに4輪ディスクブレーキがFEもXEも含め全車標準となっているのは見逃せません…いかにこの仕様変更が急遽だったかを物語る事実です。
さらに細かい仕様変更が1997年1月にあり、カセット一体AM/FM電子チューナーラジオが新型になります。それまでのは元をたどればU13と同じタイプの15W×2のしょぼいユニットだったものが新デザイン15W×4のタイプに。同時にSSSナビセレクションという特別仕様車が発売されました(後述)。
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1997年9月、P11プリメーラのマイナーチェンジと合わせて行われたプレマイナーチェンジ。
外観上はルグラン系のグリルにメッキの縁取りを追加、リヤコンビランプ・フォグランプをマルチリフレクター化、SSS系に新デザインフルホイールカバーの採用(ナビセレクションで先行採用)等の変更。ボディーカラーの変更も行われ、ワインレッドパールツートーンの代わりにアクティブレッド、ダークグレーパールの代わりにブラック、ミディアムブルーの代わりにブルーイッシュグレーパールメタリック、グリーンパールの廃止が行われます。
内装はSSS系のシート生地を一本化。地味な柄になってしまいます。ルグラン系ステアリングの意匠変更。ABS全車標準化に伴って廃止されていたセンターコンソールリッドのクロス張りを復活。安全装備ではブレーキアシストを2WD全車に標準装備。
一番大きなトピックスは新ユニット、SR20VEエンジン(NEO VVL)+Hyper CVT-M6の追加(SSS-Z)です。2.0LクラスでのCVT採用はP11プリメーラと合わせて世界初の快挙。SR20DEエンジンにはHyper CVTが組み合わせになります。SSS-Z登場と合わせてSSSリミテッドが廃止になります。SSS-Zはシリーズトップグレードとして、あまり「見た目の特別感」がなかったSSSリミテッドの反省か、専用バンパー(開口部ブラック)・専用ヘッドランプ(フィニッシャー部ブラック)・専用グリル(ボディカラー同色部拡大)・専用ヘッドレスト(穴あき)・専用インストフィニッシャー(FEと同じブラックタイプ+SSS-Zエンブレム)・専用メタリックタイプパネル、シフトフィニッシャー・専用メーターが奢られます。
メーカーオプション設定の見直しも行われ、前期型ではSSS系・ルグラン系であればサンルーフの選択が出来たものが、サンルーフの設定は2.0L以上になってしまいます。
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1997年9月にSSS-Z追加を始めとするプレマイナーがあり、その後はエプリースを追加したもののそのまま。エプリース追加と相前後して「自動車事故対策センターの衝突実験で、U14型が助手席評価ながら史上最高のAAA評価を獲得」というニュースが。中期型発売後1年を経過した1998年9月に「ようやく」という感じでマイナーチェンジが行われ、後期型へ。
AAA獲得はかなり自信になったようで、中期型のヤル気のないカタログからまともなカタログへと変貌。表紙にも「史上最高の安全評価AAAを獲得」と高らかに謳われました。
後期型のトピックスとしては、外観がグリルの意匠変更、SSS系ヘッドランプのマルチリフレクター化、SSS系にキセノンヘッドランプのメーカーオプション設定。ボディカラーの変更も行われ、ライトゴールドパールの代わりにライトブルーチタンメタリック、プラチナホワイトパールツートーンの代わりにホワイトパールツートーンが追加されました。内装は2WD車のフロントシート変更、SSS系のスポーツシート廃止(2WD車)、SSS系全車に穴あきヘッドレストの採用、ルグランシリーズのシート生地変更、SSS系・ルグラン系に2段式センターコンソールリッドの採用、等。安全装備としては、ZONE BODYを採用して側面衝突に強くなり、4WD車にブレーキアシストを装備、サイドエアバッグのメーカーオプション設定が追加されました。
メカニズム的には大掛かりな変更が行われ、2WD車のSR18DEリーンバーン+油圧制御ATをNEO QG18DEリーンバーン+フルレンジE-ATxに刷新。ディーゼルCD20型も、電子制御のCD20E+フルレンジE-ATxに進化。先行採用のHyper CVTはHYPER CVTへと進化? SSS-ZのみであったM6を2.0SSS系にも拡大採用。そして、直噴エンジンQG18DD(NEO Di)+HYPER CVTの環境対応型ユニットを追加。メカニズム的にはかなりの変更が行われ、意外に気合が入っていたことが分かります。QG18系エンジン搭載車には「ECOモニター」が採用され、低燃費運転をしていることを知らせる機能も付きました。
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2000年6月、事実上の後継車となるブルーバード シルフィの登場を控えて、本家ブルーバードはラインナップの整理が行われました。モデル末期のお買い得仕様車SSS-X・II系の設定と、SSS系のSセレクション廃止がトピックスです。
便宜上この時期で分けましたが、後期型登場後はQG18DDエンジンのロッカーカバーオーナメント・CD20Eエンジンのロッカーカバーの塗装が廃止されたり、「BLUEBIRD」エンブレムの青い縁取りが廃止されたり、#QM1車のみS.F.H.C.の設定が廃止(S.F.H.C.設定なし他車と同じラインを流れることになったためらしい)されたりと細かいところで仕様変更(コストダウン)が行われています。
そして、2001年8月にひっそりと生産が中止され、日産で一番歴史のあるセダンのブランドであった「ブルーバード」そして「SSS」の系譜は途絶えています。
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前期II型、中期型、後期型、最終型それぞれに特別仕様車が設定されています。
前期II型に設定されたのは、SSSナビセレクション。専用フルホイールカバー(P11のもの、中期SSS系に採用)、1DIN収納型ナビそして専用シートが装備されています。この専用シート、U12後期SSSアテーサリミテッドを彷彿とさせるサイド本革とメイン布地のコンビネーションですが、メイン生地が千鳥柄で、賛否両論です…
中期型に設定されたのは、XEをベースにしたお買い得仕様車「エプリース」です。XEに電動格納式ドアミラー、カセット一体AM/FM電子チューナーラジオ&4スピーカーを追加して価格を抑えた仕様。U13でいうところのARX-Lにあたります。
後期型に設定されたのは、ブルーバード誕生40周年記念車。U14型で一番の「特別」仕様車です。2.0Lと1.8L(アテーサも)に設定され、2.0Lにはキセノン、木目・本革コンビステアリング、1.8Lにはフォグ、ルグランと同じシート生地、木目調パネルが装備され、共通の内容ではCDプレーヤー、キーレス、専用キー、専用エンブレムが装備されています。専用ボディカラーとしてホワイトパール(#QT1)が設定されました。
最終型に設定されたのは、まんまU12型のグレード名を使った「SSS-X・II」です。「I」がないのに、いきなり「II」とはいかに…1.8SSSと同アテーサをベースに、キセノン、フォグ、CDプレーヤー、キーレスを装備したモデル末期のバーゲン仕様車。こちらも専用ボディカラーとしてホワイトパール(#QT1)が設定されました。
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U14型には、神奈川日産系列である「Kn's Factory」がエンジンに手を加え、専用エアロパーツで武装した「SSS-WR(Winning Runの略)」というコンプリートカーが存在します。
基本的には前期2.0SSS系の5MTをベースに、エンジンのファインチューンとグリル、フロントサイドスポイラー、大型リヤスポイラーをまとった仕様です。その他のグレード用にもエアロの単品販売が行われていました。
中期型以降ではSSS-Zがベースになり、エンジンとミッションのいじりようがないために専用エアロをまとった(だけの)仕様が「SSS-WR」として一時期中古車市場に出回ったことがあります。
BNR32調のリヤスポイラー、純正のリップタイプをベースに引き伸ばした大型リップタイプのリヤスポイラー、純正で設定がないフロントサイドスポイラーなんかはU14乗りの間では人気のあるパーツでした。
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