「オートモビルカウンシル」2020、イタリア車、フランス車、スウェーデン車、それからアメリカ車をまとめてアップします。
出展台数が減っているのは事実ですが、それでも魅力的な車がたくさんありました。
最初にイタリア車。まずは主催者展示コーナー「60年代ルマンカーの凄みと美しさ」から、こちらをご覧あれ。
== イソ ==
グリフォ A3/C(1966年)

車の詳細はこちらを。簡潔でとてもわかりやすい説明です。

エンジンはコルベットベースなんですね!

確かに、凄みがあります。

おっかないくらいのフロントに比べてリアは流麗な印象。これは確かに美しい。

当時の車だけに、ボディにはウイングもスポイラーもありません。今のようなコンピュータを使った空力シミュレーションもない時代です。ほんとうに優秀な人たちが関わっていたのだろうと思います。
== フェラーリ ==
328GTB(1989年)

前回は青いフェラーリ308がありました。今回は赤い328GTBが、フェラーリ専門ショップ「アリアガレージ」から。

別の日には、1993年の308GTBが置いてあったようです。

リアのエンジンフードはロックが解除されていますね。エンジンを見せてもらえないかと、ショップの方にお願いしてみたら良かったかな。
F40
江戸川区の車磨きさん「アクティブガレージ」ブースにて。

これはびっくりF40!コレクターの愛車でしょうか。アクティブガレージさんでボディコーティングが施工されていて、さすが曇りひとつ無くピッカピカです。

前から見ると、この顔はちょっと怖い…

そういや、ここで展示されている車たちはどんなワックスやコーティングを施しているのでしょうか。意外と普通のものも使われていたりして。
== ダラーラ ==
ストラダーレ(2019年)
前回も登場したダラーラ・ストラダーレ。「アトランティックカーズ」から。

4気筒2.3リッターエンジンはツインターボ化され400馬力。そしてカーボンによりわずか855kgという超軽量ボディ。

カーボンですよ。ぶつけたら大変です…
== ランチア ==
ラムダ S7(1927年)

「ガレーヂ伊太利屋」から出品。名車中の名車ですね。

初のモノコックボディに前輪独立サス。コンパクトなV型4気筒エンジン。当時最先端の超高性能車。

白洲次郎氏、小林彰太郎氏の名前もありますね。
フルヴィア・クーペ ラリー 1.6HF(1973年)
「コレツィオーネ」から。

この車からでしたでしょうか、ラリーシーンにおけるランチアの快進撃が始まるのは。

ランチア。こんな超名門ブランドも今は昔、というのが悲しいです。このままフェードアウトさせるのは、あまりにもったいないと思います。
次はフランス車です。
== アルピーヌ ==
M63(1963年)

主催者展示コーナーにてイソと並んで展示されていた、1960年代ル・マン参戦車です。

そのボディは見るからに流麗です。それだけではなく、信じられないのはエンジンスペック。大パワーなのではなく、その逆。

1,000ccに満たない小さなエンジンは、ほんの95馬力。しかし驚異的な空力特性を持つボディによって、最高速240km/hを叩き出した。その高速性能を武器に、ストレートでの勝負に照準を絞り戦った。

すごいなぁ。限られたリソースで最高の成果を出すための、選択と集中ってことですかね。
プロジェクトXみたいな感じだったのでしょうか?
プロジェクトX 〜ル・マンに挑め アルピーヌ魂〜
リアに積むエンジンは、たったの95馬力。アルピーヌの技術者たちは、悩んでいた。
「これでは、勝てない…」
リーダーは言った。
「違う、そうじゃない!発想を変えろ!空力だ、空力を突き詰め、ロングストレートに賭けるんだ!」
そうだ、パワーに頼るのではなく、効率を極限まで追求する。それがフランス流だ。
「わかりました!やります!!」
アルピーヌ魂が、熱く燃えた。
男たちは、泣いていた…

すみませんorz
次行きます…
== シトロエン ==
DS21 パラス(1970年)
常連の「アウトニーズ」です。去年は展示していなかったDS(およびその派生車種)ですが、今年のために溜めていたのでしょうか?3台も出品していました。

この車の先進性は言い尽くされた感があります。目の前にして改めて思ったのは…「デカい!」「長い!」

アメリカ市場の影響はもちろんあったのでしょうが、当時のフランス車としては異例なビッグサイズです。一般向けだけでなく、タクシーから政府高官の公用車、果ては救急車まで幅広くカバーしていたためでしょうか。

「パラス」は上級仕様でしたか。銀と黒のボディにクロームの加飾が映えますね。
D スーパー(1972年)

それにしても、本当に先進的です。Cピラーのハイマウント式リアウインカーとか。

当時はこのあたりの位置にウインカーが付くこともありましたが、それはコストダウンのため。DSの場合は違いますね。
ID21 FH ブレーク(1971年)

この「ブレーク」は、ルーフが長いぶん、さらに大きく長く見えます。

横から見ると、その長さが強調されます。

リアエンドのこの造形、凝ってますね。

上下2分割式のリアゲート、テールフィンっぽい縦型リアランプ。

ステアリングのスポークがわざとずれているのもDSの特徴ですね。衝突時の安全のためとか。知らずに走ったらヤバそう、コクピットドリルは必須です。
シトロエンDSは映画にもよく登場しました。個人的に印象深いのは、アラン・ドロン主演の「サムライ」

ドロン演じる寡黙な殺し屋が足に使うのがグレーのDSです。とはいえ、路上で盗んだ車ですが。

ドライバーが鍵を掛けずに車を離れた隙に乗り込み、懐に隠し持った大量のキーを順にシリンダーに差し込みエンジンを掛けようと試みる。何本目かで無事に掛かり、雨の中そのまま走り去る。ほっとしたのか、ドロンはタバコに火を付けます。
GS ブレーク(1988年)

ワゴン(ブレーク)が多いですね。今や世界中でマーケット縮小傾向のステーションワゴンですが、これらの車を見るとやはり、これはこれでイイもんだなぁと感じます。

GSはサイズ的にちょうど良く感じます。日常使いで持て余すことはなさそう。壊れさえしなければ(笑)
CX IEブレーク(1988年)

個人的にシトロエンと言えば、CX。後輪がスパッツで隠れた、大柄で直線的なボディ。幼少期の刷り込みです(笑)

その5人乗りワゴンが、この車ですね。
CX ファミリアール(1985年)

さらには、ブレークの3列シート・7人乗り版のファミリアール。高級車ってわけでもないはずなのに、とても贅沢な車に感じます。

CXはDSの後継ですが、打って変わって直線的なデザインです。
== プジョー ==
406 クーペ(1999年、2001年)

「原工房」からは魅力的な406クーペが。ライトブルーと赤の2台。

ピニンファリーナの傑作です。

この美しいスタイルを見てください。

特に斜め後方からが素晴らしい。中でも、Cピラーとリアウィンドウの処理が実に見事です。一部の高級車の場合は、高速道路で追い抜きざまにこれ見よがしに見せつける、なんてことも想定してリアをデザインするらしいのですが(本当?笑)、この車に関してはそんな下世話な発想が入る余地はなさそうです。

価格も実に魅力的ではありませんか?この車を見せられ、オーナーから「100万円だったよ」って言われて…信じられます?
お次はスウェーデン車。
== ボルボ ==
アマゾン 122S(1969年)

毎回参加のボルボジャパン、KLASSISK GARAGE(クラシックガレージ)です。今年も充実していました。

白いアマゾンの122S、前回も出ていました。しかしそちらは1970年式。クラシックガレージはアマゾンが得意なのでしょう。

ヨーロッパ車でありながらアメリカ車の雰囲気も感じさせる。個性的で魅力的な車です。
P1800E(1971年)

優雅なクーペ。傑出しています。

運転席に座ることが出来ました。が!面食らってしまいました。クラッチペダルが…遠い!どこまで踏み込んでも踏みきれない(笑)
ポジションが合っていなかったというのもありますが。
S90 Classic(1998年)
ワゴンも良いですが、個人的にボルボのセダンって大好きです。

ドイツ車とは似ているようで違いますね。シートも柔らかい。

このリアも最高。三段積みのリアランプ。上が四灯式のテールランプで真ん中はウインカーとバックランプ、下段外側がブレーキランプで内側がリアフォグ。視認性抜群です。

細かいところですが、トランクリッドの下側にこんな工夫が。

閉める際の持ち手です。これなら手も汚れない。こういう細かい配慮は大好きです。
アメリカ車は去年に引き続き1台のみ。
== GM ==
シボレー・コルベット(1956年)
「AUTO ROMAN」出展、初代コルベット。斜め後方から。

コクピット。

本当に飛行機のコクピットみたいです。さすがですね、雰囲気満点。
しまった。フロントの写真を撮り忘れました…丸目四灯が魅力的でした。
今後、アメ車ももっと増えるといいですね。今まではマッスルカーがよく出ていましたが、高級車たとえばキャデラックやリンカーン、インペリアルとか。国内にはローダウンされた個体ばかりかも知れませんが。
←次回は最後です。日本車で締めます。