『Increase=増える』
パオを沢山扱うようになって早3年。
専門店さんに比べたらまだまだ新参者だけど、『何処で見つけてくれたのか!?』家で売ってないパオもポツポツと修理に入ってくるようになりました(*^-^)
こんな小さな小さな自分の所に来てくれるとは、ホント感謝感謝ですよ~<(_ _*)>
そこで最近依頼があった修理で、侮ってはいけない事例の一つを書こうかなと思います(*^-^)
これはパオのオイルパンドレーンからのエンジンオイル抜き取り風景。
これ見て『ん?』って思える人は、中々敏感な方になりますねъ( ゚ー^)
けど、普通ぅ~に見たら正直『何がどう?』ですよね(^_^;)
自分はオイルレベルゲージで確認した時点で、『パオと言う事でもしかして・・・』とは思いましたけどね(*^-^)
でも、この画像からで十~~分!トラブルが予測できるんですよね・・・。
ここで『Increase=増える』の意味が伝わると思います。
そうです!この廃油トレイは口切チョイ下までで(外周淵の巻返しライン下部までで)約7.0Lの容量。
あと数センチでそのラインまで達するか!?の状態ヽ(*'0'*)ツ ワァオォ!!
パオのエンジンオイル容量はサービスデータ上であれば、規定量はオイルのみ交換で約2.7L(大概目安で3L弱補充になると思いますよね)。
使用過程で多少減る事はあっても増える事はない・・・はずなんだけどね。
けど、抜いたオイオルは2倍近くになってる!?
普通~~に考えたら『お・か・し・い』ですよね。
『前回入れ過ぎた?』・・・っても、入れた後確認するだろうし、ここまで入れる人居ないよ(^_^;)
『冷却水の混入?』・・・抜けたの確認しても水が混じってる様子はないし。
では、『何故多い!?』と思います?
この原因はフューエルポンプの不具合によるものなのです!
これがパオのフューエルポンプ。
原理的には灯油の手動ポンプと同じ。
構造中にチェックバルブ(逆流防止弁)が付いてて吸って吐いて吸って吐いての繰り返し。
ただ、これがエンジン本体に付いているから、万が一の時には厄介なんだよな・・・。
電磁ポンプとかだったらこの不具合原因は回避できるんだけどな・・・。
軽のキャブ車でも外付き電磁ポンプ(大概はダイヤフラム式)だったりするのに・・・。
パオもしかり、他メーカーでも(トヨタの4Kエンジンとかもそうですね)エンジン駆動を利用して、エンジン本体に取り付いてるポンプを作動させている場合、ポンプに不具合が起こるとエンジン内にガソリンが混入してしまう事があったりします。
そして、このフューエルポンプが今回の大本の原因L(゚□゚)」オーマイガ!
これ、ポンプ取り付け部はガスケット(インシュレータを挟んで)でしっかりついてるので、先ず表には漏れてこないから発見されにくいし厄介。
ただ、『何かガソリンの減り早くね?』とか『何か燃料たらんみたいで力が無くね?』という敏感に感じる事が出来ればいいけど、よほど注意していないと殆どの場合は分からないと思います。
けど、白い排気煙モクモク吐くので気が付くかもしれないけど、その時には残念ながら『時既に遅し・・・』だったりはします(≧σ≦)しょっく!!
ご本人談で、『煙吹き出したな・・・となってから意外に短時間でエンジン回転が重くなり、アクセル踏んでないと止まってしまってアイドリングはしなくなった』と言っていました。
で、抜いたエンジンオイルは『0W-20どころではなく麦茶(茶色にひっかけての例え(^_^;))か!?』って位サラサラ~~!
そしてどことなくガソリン臭がします。
これじゃ『フラッシングオイルで負荷かけて走り続けているようなもんじゃね!?』って(^_^;)
エンジンオイルは、ステムシールやピストンリングで拭いかき落とし切れなくなり、吸い込まれ必要以上に付着したままとなり燃えて白煙を吐き。
潤滑性能の極端な低下で、カムやクランクの回転運動やピストンの上下運動や・・・。
油膜切れ状態となって、これらの運動の抵抗となり回転が止まります(焼きつく事もあります)・・・。
高速走行中にこうなったら・・・恐ろしいですね。
今回の場合は『低速走行時で煙吹いて直ぐに止めてた所レスキュ出動―!』と言う所でしたけど、そんでもエンジンは回転するけどご臨終でした。
『外観で判断できない部分』『見ても何ともない部分』『走っているから平気』『走行距離が少ないから平気』もっと沢山あるけど、現在のパオにはこう言った意味の無い!?安心は先ず当てはまりません!
『大切に置いて置いても』『動かさなくても』経過年月と言う物がパオにとって一番の大敵だったりします。
『適度に動かしているし乗ってるから平気♪』とか、『ちゃんとメンテナンスしてるから平気♪』ってのもただ単に運がいいだけ。
パオの構造上特異な部分が、年月の経過と共にやられて来てて、メンテナンスの意味すら変わって来ている。
パオの場合(と言うか旧車とかと同じように)、『乗り続けるにはいかに予防が大切か!』と言う事なんです!
けど、『意味もわからず何でもかんでも交換!』それも乗り続けるのには負担になってしまいますし、交換していない他の部分に負担をかけてしまう事もあったりして、お互い(乗り手とパオとの両者)それぞれの負担になってしまいます。
なので、大好きで大切な車であるのなら常に会話し(メンテナンスと言うばかりではなく普段気にかけてあげたり)人間で言う『調子はどうだい?』とか『風邪気味かな?』と言う感覚で、日頃出来る事で接してあげるのも大切だと思います。
今回、結果的にエンジンご臨終になりましたが、作業する側もただ単に『古い車だしエンジンが原因!』と簡単に片付けるのではなく、根本の原因を突き詰めて改善しなければならないと思います。
もし、今回の根本原因でエンジン本体だけ乗せ替えて周辺補機(フューエルポンプも含んで)付け替え再使用となったとしたら、また同じ事の繰り返しになりかねませんもんねъ( ゚ー^)