SL-77はオーディオレベルの高音質でビデオテープに残せるデッキとして画期的なものでした。ところがそれでめでたしめでたしとはいきませんでした。それはテープの性能を音に割り振った分画質にしわ寄せがきてしまったのです。
私は買ったときはそれを知らず、後になってビデオ専門誌にそのことが載っていてわかったのです。
それでガッカリしていましたが、1985年ソニーからまた凄いデッキが出ました。SL-HF900です。
それはハイバンドという規格で、つまりはハイファイで損なわれた画質を取り戻すだけでなく、それ以上の高画質にしたものです。ハイファイ前に戻すだけではSL-HF77を買ったユーザーからブーイングが起きる事も心配したのかも知れません。今から思えばソニーもなかなか上手く立ち回ったものだと思います。
ともかくソニー本人が「ベータプロ」と名付けたのですから相当な自信もあったのでしょう。
ただ高画質にしただけではなく、編集機能という秘密兵器を持たせました。ジョグシャトルという今まで無かった新兵器を搭載したのです。1コマずつ画面を進めたり戻したり、それも可変で出来る凄いダイヤルでした。
私もまんまとこのソニー的商売手法に取り込まれ、買わない選択肢がありませんでした。
そこには、SL-77の299,000円という価格に対して、大幅な性能と機能アップにも拘わらず6万円も安い239,800円という価格設定にした事も大きかったと思います。
ビデオ編集即ち、もう1台のデッキをつないでSL-HF900からもう1台のデッキに不要部分をカットしてコピーするものです。こんなプロみたいな事を素人ができるのが凄い事でした。1台では頭の不要部分やコマーシャルをそのまま観るしかありません。
まさにやりたかったことが全部できる夢のような機械に思えました。
私もSL-HF900とSL-HF77をつないでビデオ編集という初めての体験を楽しみました。ところがこれでもまだ終着点にはなりませんでした。
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2023/07/17 20:35:43