『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

最低のゲス野郎を描いた最高にイイ映画でした。

この映画は、「Ｒ１８＋」という映画倫理委員会さまの映倫区分です。
Ｒ１８といったら正真正銘の成人映画じゃないですか！
むかし高校時代にお忍びで、ビックカメラ発祥の地の隣に在ったピカデリー劇場に、美保純さまの映画をドキドキしながら観に行った。これが成人映画の醍醐味だったはずだけど、いまの時代はシネコンで堂々と成人映画を観られるンだなぁ。

映画のストーリーに関しては実録ものだし、株屋の事は知らないので「実情はこうななんだ」と言われれば「はいそうですか」なので割愛。
でも、士気高揚のテクニックは古今東西変わらないんだなぁ～と思いました。
例えとして引き合いに出して良いのか判らないけど、
人材情報サービス大手のリ○ルー○の８０年代頃の社風を思い起こしました。
１件契約を結んでくればチーム内で万歳三唱。毎日がお祭り気分でお祭り法被着ていた社員もいたって。目標達成したらその夜は朝まで盛大にパーティーだったと、当時の「おともだち」が話してくれました。社員の士気を高める為の社風だったんでしょうね。

映画の中の証券会社での士気高揚は桁違いのスケール。
ディカプリオが演じる株式ブローカーが部下たちの士気を高める為に使ったテクニックの数々（話術・ドラック・セックスパーティ等）と合法違法ごちゃまぜの酒池肉林。
オモシロイのはそのテクニックを計算ずくではなく、自分が楽しみたいが故（または自らのストレス解消の為）に行っていた。
と映画は描いていました。
悪者なのは間違いないけど隙だらけで心底憎めない。カリスマ性を持った愚者のワル。
この男を演じきったレオナルド・ディカプリオはイイ。
ぜひ主演男優賞を獲らせてあげたい。
ディカプリオには悪役が向いていると『ジャンゴ 繋がれざる者』を観た時に思いましたが、本人も自覚しているのかな？ノリノリで愚者のワルを演じきってました。
ディカプリオはジャック・ニコルソンの位置を狙っているのかも。

この手の一代でのしあがった栄枯盛衰モノはたいてい悲劇的な終り方が常ですが、この映画は身の破滅で終わるけど悲劇的では全くない。ただ勝負に敗れたって感じ。
実際モデルとなった男も、自伝の著作料やらこの映画の映画化料、各種講演会などでウハウハのようです。
（あれだけのドラック漬けで健康面は大丈夫なんだろうか？？？）

この映画の様な最低のゲス野郎だけど、そんな男に「教えを被りたい」という大衆の需要が今なお在るって事なんでしょうね。