『DESTINY 鎌倉ものがたり』

年の瀬に良作を鑑賞する事ができました。

とてもハートフルな良い映画です。
年末年始に家族で、カップルで観るならコレ。

物語も作り方も、とても良く出来ています。
ひとつ『核心を』と云えば、この作品は『キャスティングの妙』が見事。
メインキャストの堺雅人・高畑充希は言わすと知れ。
（高畑充希の演技は素晴らしい。この作品・作風にジャストフィットな演技を披露してます。カワイイ）
脇を固める登場人物のキャスティングがずば抜けていました。

三浦友和・薬師丸ひろ子、中村玉緒の使い方は王道。

堤真一、吉行和子の配役が絶妙。
タダでさえ存在感のある堤真一を作品の1/3は事実上声だけ出演。
でも存在感あるから実際の出演シーンの尺だけで存在感は十分。
常に浮世離れを感じる吉行和子の配役は、まさにそのまんま（笑）

安藤サクラの演技もイイネ。
あまり出しゃばらずに存在感十分。
巧い女優です。

いちばん見事なキャスティングだと思ったのは、貧乏神を演じた田中泯。
普通、貧乏神の配役をイメージしたら、
笹野高史や竹中直人、ちょっと狙って小日向史世あたりが妥当だと思うけど、
この作品では田中泯が演じてました。
内なる威厳を感じる田中泯の演技が見事。
『貧乏の神』である事が無意識に伝わり、それが伏線となりました。
演技で伏線を張るのは、セルフや映像で伏線を張るより難しい。
それをいとも簡単に演じられる本物の役者さんです。

おススメの映画です。