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ソーラ・レイのブログ一覧

2014年10月05日 イイね!

『蜩ノ記』

あまりココロに響かなかった。
これが鑑賞後の率直な感想です。
帰宅してから少しこの作品の事を調べてみたら、けっこう評価高い事に戸惑いました。

直木賞受賞作が原作なんですね。
でも、この話の元ネタは『加賀百万石騒動』でしょうたぶん。
歴史上(藩史上)騒動の首謀者とされてきた側からの物語。

映像の撮影技術、役者の演技やその時代の所作、みな一級品です。
(子役やヒロインの演技は・・・・ですが)
でもココロに響かなかった。

映画には、その作品の中だけのリアリティの基準点があります。
荒唐無稽な物語であってもその作品の中ではリアルな事として成立する事が出来る尺度。
この作品は「本格的時代劇」のジャンルだと思うし、そのつもりで作られています。
それなのに物語の根幹に係るいちばん重要な設定が、おかしい。

江戸おもての藩邸で不祥事を起こし、切腹を命ぜられた主人公。
しかし切腹を10年間猶予され、その間に藩の歴史(家譜)の編さんを命じられて7年が過ぎ、そこから物語が始まります。

何がおかしいかというと、江戸時代の10年という期間設定がどうしても納得いきません。
江戸時代の平均寿命は、たしか45歳~50歳くらいだったと思います。
現在より圧倒的に短命です。
江戸時代の10年という月日の期間は、現代なら15年から20年くらいの期間ではないでしょうか?
平均寿命45歳~50歳の時代の15年~20年先の切腹って・・・・
流行り病で大勢の人間が命を落とした時代の15年~20年先の事なんて、ほとんどその人物が寿命を全うしてもおかしくない先の事ですよ。
要はこの物語の本筋は、成すべき事を全うした最後に自害(切腹)し幕を下ろせ。って事のハズ。
しかしこの映画の作りは、近づいてくる死の刻へ向けての人の覚悟。を描こうとしている気がします。
ところがこの主人公は、直々に大殿から切腹を命じられた時に藩の為に命を奉げる覚悟を決めています。始まりから答えは出ている物語です。
それなのにストーリーは、妙に主人公の心が揺れているような作り方。

客観的に、加味も削除もない藩の歴史(家譜)を編さんする事で、これを鑑とし藩の指針とする。
これこそが主人公が大殿より直々に「一命をかけて成せ」と命じられた物語の本題。

一命をかけてお勤めに励む主人公の周りの人間模様を丹念に描けばいいものを、妙に不祥事の謎解きモノ要素が強く出てしまい、どんでん返しがあるかのようなストーリー展開。

主人公を取り巻く脇役の更に脇の登場人物たちは、どの作品も同じですが記号化されてしまいます。要するに何らかのパターンのキャラ設定。
この作品の農民たちはどうも腑に落ちないキャラ設定でした。
元ネタが加賀藩だと思われるので、日本史上唯一「百姓の王国」を築いた「一向一揆宗徒」をイメージしているのだろうか?
それにしても「直情型の馬鹿」のキャラはないよ。
火に油を注ぐような行動ばかりで、その原因となるバックボーンは殆ど語られず。

この作品、描くべき箇所を描かず、どうでもいい事に時間をかけたバランスの悪さを感じました。
Posted at 2014/10/05 15:02:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画鑑賞 | 音楽/映画/テレビ

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「週末はクルマ2台のオイル交換&フィルター交換。2台とも元気になりました。」
何シテル?   11/01 14:21
基本的に『インドア』で出不精です。 でもじっとしていられない性質なのでアウトドアします。 長時間の寝貯めが出来るので、 活動期と充電期がはっきりしています...

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