アラビアのオレンスのブログ一覧

　本日、信号機のある交差点の出口側の横断歩道を、歩行者信号が青になつたのでその約 0.5 秒後に壱歩足を進めたら軽自動車が横断歩道に接近したので私は足を止めた。歩行者信号青を待つてゐたのは私と自転車のお巡りさんだつた。
　信号が赤に変わつてから交差点に入つたとしても横断歩道が青に変わる以前に自動車は渡りきれるはずなのであの軽自動車は信号無視で交差点に入つた可能性が大いに高い、そこで、「あれ、あの自動車信号無視ではなひですか」とお巡りさんに問ひかけたが、かれは「交差点に入る様子を目撃してゐなひので信号無視と断定できなひ」と残念さうな表情ながら、その軽自動車を見送つた。かれの説明では「停止線より 20m以内で黄色に変わつた場合には信号無視とはみなさなひ」とのことだつた。そこの道路の制限速度は 40km/h なので私なら 10m 強で楽勝で停止できるが、20mとはなんと甘い基準だらうかと感じながら、このお巡りさんは偉いと思つた。
　白バイ警官ならノルマ達成のため不当取り締まりを平気でやるのに自転車警官のためノルマがないためかもしれなひがその立派な判断に感激した。

　英單語のスペル違いが何らかの理由で生じても、それが時間とともに劣化してやがて無くなるのであればよいが、何年も存続することがある。
　筑波万博の際に Loading Zone を Roading Zone だつたか何だか間違えてスペルした看板が出現してニューズで報道されたことがあつた。間違へを犯した本人や間違へに氣付かなかつた関係者はこのニューズを見てなにを感じたか知りたひ。
　ひどい例では間違いを犯した者が大物のためそれを正そうとする勇気ある者がでてこなくて、その間違いが正しいとして後世に残る。白夜を森繁久弥がびゃくやと誤つて撥音して以来、はくやと讀むのが誤で、びゃくやと讀むのが正となつてしまつてゐる。
　乳製品は英語では dairy だが、daily だとする勢力が日本のどこかにあるらしひ。撥音も綴りも異なるので混同される確率は低いと察するがもしかして森繁久彌級の大物が過去に間違へたのを側近が継承してゐるのだらうか。
　本日、最近改装した近所のスーパーマーケット(アルプス宇津木台店)に行つた。「乳製品」売り場に行くとそこには近年増加中の外人客への配慮かアルファベットで「daily foods」の表示もあつた。偶然サービスカウンターのおねいさんが暇さうにしてゐたので「あの l は間違ひで、 r に直すべきです。偉いひとに伝へてちやうだい」と云つてやつた。
　尊敬する芸能人に高田純次がゐる。かれは高齢になつてつひ犯してしまふ過ちに「昔話をする」、「自慢話をする」、それに「お説教をする」があるが、これらをしなひやう日頃氣を付けてゐるのださうだ。大抵の人は daily の l が間違ひだとはお説教しなひだらうが、この地域に昔からあるこのスーパーマーケットの威信のため押へきれずにつひサービスカウンタのおねいさンにお説教してしまつた。彼女は、はたして上司に伝へるだらうか。
　私は、その報告を受けた上司は修正しなひと察する。その心はスーパーマーケット業界では乳製品を daily と綴るしきたり、またはこの業界向けの看板屋のカタログにこの綴りが長年存在すると思ふからだ。