昨年、購入直後に気になったので手に入るデータを元に作ってみたのだが、
カタログ等に出ている性能特性曲線を定規で読み取って1つのグラフに。
(赤色がトゥインゴRSのK4M-RS、濃い青がNA8CろどすたのBP-ZE、
紫が106S16のTU5J4、水色がトゥインゴQS5のD4F、黄色が306BreakのXU10J4R)
こっちは出力特性
こっちがトルク特性
キーになるのはトルク特性。
かつて乗っていたプジョー205GTI 1.6の最大トルク数値を2,000rpm未満で発揮している。
そりゃアイドリングでつないでもすんなり加速するわけだ。
さらに特筆するのは曲線がかなりフラットなこと。
納車された日に150kmほど走ってみて、「過去に乗ってた1.8のユーノス・ロードスター
より速いかも」と感じてはいたのだが、特性曲線で比較してもその印象を裏付けている。
ロードスターのBP-ZEが市街地などで多用される2,500~3,000rpmの間にトルクの谷が
あるのに対し、 トゥインゴRSはその時点で140~150Nmをきちんと出している。
市街地で 3~4速、時に5速まで入れられるフレキシビリティの高さは純粋にすごいこと。
トゥインゴRSでの高速における100km/h時点の回転数は5速で約3,100rpm。
この時点で150Nm以上のトルクが常時出ていることになるので、
追越を かけたときの体感できる速さをデータ上でも裏付けている。
トゥインゴRSの車体重量は1,120kg。ロードスターの980kgや205GTIの890kgと比べると
相当の重量差があるのだが、エンジン特性のよさがそれを打ち消すほど。
(ちなみに、前車のプジョー306Breakは1,240kg)
「カタログスペックのピーク値ではない。その過渡特性こそが重要だ」というのは
以前からヨーロッパ車乗りのよく出る言葉だが、トゥインゴ ゴルディーニ ルノースポールに
乗り始めて、改めてその言葉の意味を実体験して再認識した次第。
これらのことと、あれこれ乗って1年、感じたことなどを。
エンジンはすでに書いたが、元々ロングストロークの実用エンジンであるK4Mに
別物のシリンダーヘッドとタコ足でチューニングしているため、スロットル操作に対する
レスポンスは同じ1.6Lでもショートストロークで切れ味抜群の205GTIほど鋭くはないが、
アクセル操作にきっちり反応し、ロングストロークながらリミット6,700rpmまできれいに回るのは
さすがルノースポールのワークスチューン。
シャシー周りはホイールベース2365mm、スポーツカーの黄金値とも言われている
2400mm前後に入っていることもあって、車自体の動きがつかみやすい。
(205GTIが2420mm、ロードスターが2265mm)
これらの数値データからも旋回性能重視になっているところが読み取れ、実際に運転していても
ステアリング操作に対して車自体は反応してくるので、あえてホイールの重量を増して
スタビリティを確保しているという感触が伝わってくる。体験できる事実として、大雨の
高速道路を走行中、ゆるめの右コーナーでにリアがハイドロプレーニングを起こしかけて
スピンモードに入りかけたことも1度だけあった。沢村慎太朗氏もトゥインゴRSの試乗中に
スピンモードに入ったことがあると直接聞いてるので、車自体は回りたがる傾向が
強いと思われる。(ちなみに、ホイールの重量を増やしてスタビリティを確保する手段は
アウディやRufなどドイツ車で割と常套的に用いられている手法)
ブレーキに関しては、先代メガーヌのハブ及びディスクローターを流用し、
フロントキャリパーはラグナのキャリパー、リアはメガーヌのキャリパーを使うことで
ローコストで強力な制動性能を得ているが、余力がありすぎるのでフルブレーキングするほど
使いきるシチュエーションにまだ遭遇していないのも事実(苦笑)
総じてAセグメントのコンパクトカーをベースにスポーツモデルをと言った時に、非常に
バランスよく街乗りから趣味のサーキット走行までをこなせるマルチプルな性格を持った車かなと。
個人的には完全ノーマルで乗りたいと思った1台。
元々、個人的なメモ的にテキストファイルにしてあったのをちょいと手直ししただけなので
読みにくいのはご勘弁のほど。