自宅警備任務も半月が過ぎ、完全に昼夜逆転の生活を送っているのだが、やはり体が鈍ってしまうのでハイキングへ。
前日の23時頃に眠りについて、いつも通り4時頃に出発する予定だったが、2時頃に目が覚めてしまったため早めに出掛けることにした。
当初の目的地は秩父の両神山だったが、流石に修験の山を暗いうちに登るのは危険が多すぎるので、逆手にとって山頂で朝日を見ることを目的に場所を考えた。
自宅から近くで過去に行ったことのある場所、山頂に6時頃には到着できる山。・・・・・・筑波山だ。
準備を済ませ2時過ぎに出発。途中のコンビニで朝飯と行動食を買って筑波山神社方面へ。
流石にこの時間帯ともなると交通量も少なく、3時半頃に筑波山の神社近郊へ到着。
ここに来るまでに
「筑波山、太陽光発電ヤメロ!」みたいな張り紙が沢山貼ってあった。
筑波山の中腹に無許可で伐採して業者が太陽光発電の計画を推し進めているらしい。
あと筑波山はラブホテルが多すぎ。よく百名山に選ばれたよな。深田久弥が嘆くよ。
神社付近には有料パーキングが数か所あるが、電光掲示板に
「閉」の文字が。
他に駐車場を探すが、コインパーキングもゲート自体が侵入できないようになっている。
民宿やホテルに勝手に駐車してしまおうかとも考えたが、スマホで調べたら「つつじヶ丘」の駐車場は深夜でもやっているとの情報を見つけたのでそちらへ移動。
筑波山は山頂へ至るのに大きく分けて二つのルートがある。
筑波山神社と
御幸ヶ原を結ぶケーブルカーと、
つつじヶ丘と
女体山駅を結ぶロープウェイのそれぞれに駐車場や宿泊施設が併設されている。
また両駅を結ぶ筑波スカイラインと表筑波スカイラインを合わせて、筑波パープルラインと呼び、現在は無料化されているので地元の走り屋とかが攻めに来たりする。
昔はMadcityのZ10(キューブ)と呼ばれていたり呼ばれてなかった頃には峠を攻めにきたり夜景を見に来たりおみくじの自動販売機で大吉が出るまで何度も引いてみたりと地元では有名な悪だったような気がしなくもない。
4時、つつじヶ丘駐車場到着。たしかに深夜は無料開放されていて問題なく大駐車場に入ることができた。3台のヤン車がドリフトの練習をしていた。
この場所で標高は530m。深夜で気温はマイナス4度。風も強く体感は痺れるほど寒い。数週間前に降った雪が解けずに残っている。
ここから女体山山頂まではペースタイムで2時間。山頂で日の出を迎えるのに計算通りのいい時間である。
靴を履き替え準備オーケー。公衆トイレの明かり以外は真っ暗なのでヘッドライトと右手にレッドレンザーを装備。
GENTOS(ジェントス) ザ・LED ヘッドライト LH-560
LED LENSER(レッドレンザー) P6.2
LEDとは思えないほどに照射範囲も広いので、深夜の登山でも安心して歩けます。
で、駐車場から出発したはいいが登山口がわからない。あたりを探したが、どうやらロープウェイ乗り場の横から入っていくようだ。
しかし駅の入り口にはシャッターが閉まっており入れない。色々探し回ったりスマホで調べたがやはりこの時間に入山はできないようだ。

フラッシュ焚かなくてもこの明るさ。本当にライトも進化したなぁ。
困った。このパーキングの営業開始が9時半。まだ4時間以上もある。
ここで仮眠をとって待つか。諦めて帰るか。近場の日の出に間に合いそうな山を探すか。
ラブホテルに一人で入って夜明けのコーヒーと洒落こむのも良いかもしれない。駐車場も借りれるし。
筑波山は単独峰。山が連なっているわけではないので、すぐ隣の山というわけにいかない。
石岡に富士山という150mの山があったので
「富士山の山頂でご来光見ました!」的にお茶を濁してもよかった。
以前行った難台山も近場にあるのだが、あちらは展望がない。この時期に蛇はいなそうだが蜘蛛の糸は多そうだ。
色々考えてご来光は諦め、前から行ってみたかった奥久慈方面へ向かうことにした。
筑波山の男体山に行けなかったので奥久慈男体山というわけである。日光にも男体山があるが、あちらは思い付きでいけるような場所ではない。
6:45 大円地(おおえんじ)集落駐車場。トイレ舎と8台くらいの駐車スペースがあります。
早速出発。山頂までは直線距離で1km程度ですが、この山はルートによっては鎖場が多く危険な上級者向けのコースです。

目の前にそびえ立つ奥久慈男体山。すごく・・・荒々しいです 。
蕎麦屋の横をすり抜けて登山道に入ります。
茨城の大子町の蕎麦粉は有名なので帰りに寄るつもりで。定休日は月曜。10時半から営業ね。
10分程度、民家の脇を抜け、小橋や木板を渡り健脚と一般コースの分岐点まで。

左は健脚向け。右は一般向け。ぐるっと一周する予定なので鎖場を登りに選びます。

あまり手入れされていないので蜘蛛の巣がすごいです。あと早朝で霜が降りているので落ち葉が滑ります。
以前行った武甲山の様に蜘蛛の糸を手刀を切りながら進みます。
数分進むと杉の植林地帯に入ります。

登山道がどこなのか解りりずらく何度も獣道に迷い込む。
こうやって遭難していくんだなぁと何度もルートを外れながら人工的な鎖を見つけてホッとする。

崩れる土と枯れ木の山、大きい石に伐採された残骸に苦労しながら20分程度登ると尾根に出ます。
普段使用しない筋肉と急にペースを上げ過ぎたせいで汗だく。しかも妙な嗚咽が止まらない。この山ハードだわ・・・。
少し長く休憩を取ってから尾根伝いを進んでいくと徐々に杉から落葉樹林に変わっていき視界が開けてきます。

方角的に栃木や日光方面に視界が開けます。

向きを変えると目指す山頂が見えます。やっぱり無骨だなぁ。
ここから先は本格的に鎖場なのでコンビニで買ったオニギリで小休止。

三点確保だけ意識していれば問題ないが、それでも気を抜けば大怪我は確定です。
なるべく鎖は意識せず足の力で登ります。グラついてるペグより木の根っこの方が信用できる時もある。
小一時間登りきると袋田の滝方面への分岐の尾根に差し掛かります。
休憩舎があるので二個目のオニギリタイム。
スマホの電波が届く場所だったので自宅へ電話。家を出るときに
「筑波山にご来光を見に行ってくる」と書置きしておいたので場所変更になった報告。
「あ~かくかくしかじかで奥久慈に来てるわ。観光してから帰るから夕方過ぎると思う。」
「あっそう。それよりあんたの部屋から女の人の声がずっと聞こえてるんだけど何?」
アッーーーー! やべぇ。目覚まし消し忘れてた・・・。
元々は4時に出かけるつもりでタブレットに3時半に設定してあったのだが、目覚ましより早く目が覚めたので設定を消してなかった。
しかも萌え系の目覚ましアプリとかならまだいいが、数年前のコミケの打ち上げで知り合った声優の卵の人から送られてきた俺の名前を呼ぶ世界に一つしかない俺専用の目覚ましボイスであってリアルに痛いボイスだ。
普段は味気ない目覚ましアプリを利用してるが、どうしても確実に起きなければいけないなどのココゾという時にこのボイスを使うと朝から冷や汗交じりで確実に起きられる。というか時間内に起きないと朝から大火傷するのである。
今まさにそれがスヌーズ機能が働いて4時から現在時刻の8時過ぎまで大音量で鳴り続けているのだ。
止めてもらおうにもタブレットにパスワード掛けてあるので電話で説明が難しい。八方塞がりだった・・・。
くそぅ完璧主義者の筈なのにいつの間にかドジっ娘フラグが纏わり付いてやがる。
考えても仕方がない。先へ進もう・・・。
ここから山頂までは5分程度。距離では大したことはないのだが、明らかな山容の違和感。
炭状になった木々や黒い土。年月は経っているが山火事の跡地だ。
2002年に2月の出来事で覚えてはいないが当時はニュースで連日放映されていた。
日本の山で自然発火はない。当時も天候状況などから落雷よりも登山者の火の不始末と考えられていたらしい。

10余年たった今でも残る当時の面影。

最後の登り。頂上直下には少し雪が残ってます。
8:25 奥久慈男体山山頂到着。
山頂は開けており切れ落ちた岩塔の先にお社があり、阿武隈山地、那須山塊、条件が良ければ富士山も見渡せます。またNHKの中継アンテナが立っています。
そうそう。前回から唐突に始まった
「今回の相棒」のコーナーです。
今回のゲストは現人神さんです。

女子高生の無修正全裸画像だ。ほら喜べ。
ちなみに前回と微妙にふんどしの形が変わってます。
これからも常識にとらわれずに一人登山の時にはやっていきたいと思います。
さて、茶番も終わったので先に進みます。
当初の予定では山頂でゆっくりとコーヒータイムの予定でしたが、目覚まし時計の件が気になってそれどころじゃない。急いで下山します。
下山ルートは大円地越を経由して一般ルートを下ります。
日の当たる尾根をゆるやかに下るので特に凍結もありませんが、ここへきて何回もつまづきはじめる。転びはしないが明らかに注意力散漫だ。こういう時に大怪我するのだ。
尾根を10分程度歩いていると、赤い灰皿が置いてあった。今まで色々な山に登っていたが灰皿が置いている山は久しぶりに見た。
昔の奥多摩の山は休憩場所によく置いてあるのを見たが、最近は火気厳禁の山が多く、ローカルルールでコンロ禁止だったり昔に比べて煙草に対する風当たりは強いはずなのに、この山の管理は過去の経験から何を学んできたのだろう。この灰皿に入れた吸い殻は誰が処理するのだろう。初めから置かなければ登山者が自己責任で処理するだろうに。
8:50 大円地越到着。

大子町と常陸太田市の境になっており、開けているのでベンチやテーブルが置いてあります。
ここからは30分程度下ると健常者ルートとの合流に差し掛かります。

大きい石ですが浮石も多く、気を抜くと動きます。ジャンプで飛び乗ったりすると怪我します。
9:35 登山口到着。下りは心此処にあらず状態だったので写真も殆ど撮ってません。
さて、蕎麦屋の営業時間には早いけどメニューだけでも見ておこうかな。

この辺は軍鶏とかも有名だった。こんにゃくとか。あとなんでもケンチンにするとかテレビ番組で言ってたな。
「二月十六日~十八日まで臨時休業致します 大円地山荘」
・・・・・・またか! 棒ノ折に次いでまた臨時休業か!
完全に蕎麦を食べるつもりで歩いてたのに。
9:45 大円地集落駐車場。
さぁどうするか。観光するつもりだったが気持ちは今すぐに帰りたい。
とりあえずお土産を買いに10キロ先の
道の駅「奥久慈だいご」へ。

久慈川のほとりにある茨城最北端の道の駅です。
道の駅スタンプラリーの時に何度も来ているのでこの辺の地理は完璧に頭に入ってます。
定番の鮎の塩焼きとお土産を購入。ラー油キノコが個人的におススメです。
時間があれば袋田の滝や軍鶏の店、店主が面倒くさい焼きそば屋とか色々寄りたかったが、今の俺は一秒でも早く帰宅しなくてはいけないのだ。
ありとあらゆる交通機関こと高速道路を利用して自宅方面へ。
途中にコンビニのセイコーマートを見つけたのでテンションが上がってホットシェフで昼食を購入。
北海道を基盤にしてるセイコーマートですが茨城や埼玉でも時々見かけます。

GRANDIA ヨーロピアンブレンド
Q、ジョージアですか?
A、違います。グランディアです。
Q、ゲームですか?
A、とんでもない。埼京線です。
帰る途中に水戸界隈で
「みと肛門クリニック」って看板を見つけたんですけど。
すげぇな。診察券とかすごく欲しい。宴会とかで多少のネタにはなりそうw
渋滞にはまりながら14時帰宅。やっぱり目覚ましなってた。
「ただいま! これお土産。こんにゃく芋有名だからね! 疲れたからもう寝るっ!」
「あの声って誰?」
「あぁ~昔、仕事で一緒だった人。」
なにもかもめんどくさい。
今回は鎖場主体のコースでした。歩行距離は4キロ以下。休憩抜けば2時間半ってとこでしょうか。
距離は短いのだが、やはり目玉は鎖場だ。体力よりも技術で登る系の山なのでハイキングというよりクライミングと呼ぶべきかもしれない。
たまにはこういうのも良いが自分のやりたい事とは違う気がする。毎日は辛いが、また忘れた頃に来たい山だ。