
M240iに乗り始めて数カ月、とっても気に入っています。
F87(M2Competition)とF22(M240i)で迷って、どちらも試乗(F22はM235iでしたが)して、どうしてF22を選ぶことになったのか、その想いを備忘録的にダラダラと書き出してみたいと思います。
M2CompetitionとM240i
新車では150~200万円ぐらいの価格差があります。
インテリアやユーティリティが同じなので実用性は変わらず、そのうえで走りの装備差、それがもたらす性能差、乗り味の差、ドスの効いたサウンド、程よいカッコよさ、存在感など、いろんな「差」を考えれば、コストパフォーマンスはむしろM2Competitionのほうが高いと思えます。
リセールバリューの差もあるでしょうから、そこそこの年数で手放すのであれば、新車時の価格差は埋まるどころか逆転するのかもしれません。
そういう理屈で考えれば、M2Competitionとの比較でM240iに価値を見出す人は、かなり少ないはず=現実的に売れてなさそう。
普通に考えればM2だろ!、一般論としては異論は無く、私もそれが正解だと思うし、実際いまでもM2Competitionはかなり魅力的に映ります。
では、なぜM240iなのか?
どちらも選べるタイミングで、なぜM240iを選んだのか・・・
まず自分の車の使い方として、サーキットは走らない、ロングツーリングで使いたい、6気筒を味わいたい、ガレージに仕舞い込まずに乗りたい、という前提条件があります。
そして、車を人に見せびらかす気がない、他車と(性能やスタイルを)比べたり競おうと思っていない。
そんな自分の価値観でM2CompetitionよりもM240iが優れている点を挙げてみると、
1 公道ではM240iですら過剰性能だが、M2Competitionは更にその性能を活かせるはずもなく、実は公道での動力性能の差はそう大きくないらしい
2 公道メインと考えるとM2Competitionはタイヤにしてもブレーキにしても過剰装備で、消耗品交換コストが高そう
3 M240iはモード選択できる可変ダンパーで脚の性格を変えられる=スポーツクーペと快適サルーンの2面性(街乗り快適&ロングツーリングの疲労軽減)
4 52リッターの小さ目な燃料タンク同士、ならば燃費の良いM240iのほうが航続距離が長い=ロングツーリングで給油回数が少ない
5 AT同士で比べた場合、M2の7速DCTよりM240iのトルコン8ATのほうが信頼性が高そうなイメージがある(ランニングコスト、長期保有した場合の故障可能性の低さ)
但し変速機に関しては、もし自分がM2Competitionを手に入れるならまだ選べた6MTにしたはず。
6 M240iは、G系BMWを先取りした、ひと世代新しいB58エンジンを搭載
7 M2は、フロントタイヤが撥ね上げた石が張り出たリヤフェンダーに当たるらしい(心が傷む)。
8 M240iは良くも悪くも特別感が無い=「アンダーステートメント性」は高い
一般的にはデメリットと感じる人のほうが多い?
要は「好きな乗り味のクルマを肩肘張らずに気軽に乗れる」ということ。
GT-RじゃなくてタイプMということ。
M2Competitionを気軽に乗れればすべて丸く収まるのですが、気を使って過保護にしてしまいそうで、自分の性格的にムリそうです。

ほどほどのカッコよさと愛嬌が同居した小さめボディに、密かに高性能で大きめの直6を積んで、目立たず普段乗りもでき、今風の高級車っぽい装備も必要以上で、スポーティにも安楽・快適にも乗れるM240iは、「屋根が開く」を除けば自分がクルマに求める要素のほとんど全てを満たしているように思えました。
本当はM240i Cabrioletが一番乗りたいのだけれど、正規輸入されていないので、諦めてM240iにサンルーフで我慢。
「BMW乗るならせめて3からだろ!」という人もいます。クルマにステータス性を求める、見栄を張りたい、高級感を求めるならそれが正しい。カローラとほぼ同寸の2シリーズクーペではどう見ても車体700万円オーバーの車には見えないので、全く見栄は張れません。サイズ、見映え、高級感重視なら5~600万で318とか320買ったほうが確実にコスパは高いでしょう。
でも私の場合は「BMW乗るなら直6だろ!(V12も可)」という思い入れがあります。人にどう見られるかは関係なく(むしろ目立ちたくない)、エンジンの味わい重視。
価値観・好みの問題ですから、3発、4発、8発、10発のBMWに乗ってる人に対して異論を唱えるつもりは全くありません。むしろ自分のようなひねくれ者は少数派でしょうから。
「resale value=売る時の価値」=誰か他人から見た場合の価値ではなく、「value for me=自分本位でクルマの活用方法を考えた場合の価値」を最大限に優先して、じっくりクルマ選びを楽しんでみた結果として、M240iを選択したのでした。
F22のマイナー度
F22デビュー時のM235iは注目モデルでしたが、M2クーペ登場以降は陰の存在となり、でも廃止されずにエンジン換装までしてマイナーチェンジ。
240になってからは完全にマイナー車。限定車でもないのにけっこう珍しいクルマに。
自分の活動エリアでは235も含めて2シリーズクーペは珍しいというか、つい最近までディーラーの車以外でF22は見たことがありませんでした。
そして、新型2シリーズクーペのスクープも見てから注文した私のは、240の中でも更に極少と思われる最終型。末期モデルフェチなんです。
F22乗りでも知らない人が多いのではないかと思いますが、じつは2020年6月以降は
型式が変わっています(みんカラの車種の選択肢にも出てこない「3BA-2J30」)。
排ガス基準やWLTC燃費表示の関係らしいですが、新たな型式認定の手間コストをかけてでも、2シリーズクーペの販売を最後まで継続してくれたインポーターに感謝。
外観上は、最近のM Performanceモデルのシンボルカラーであるセリウムグレー(あまり好みじゃない半光沢のブロンズカラー)をあしらったグリル枠やエンブレム、ホイールなどと、黒いドアミラーが識別点。




間違い探しレベルで良ーく見れば、テールランプも「ブラックライン」と呼ばれるそれ以前のモデルとは微妙な違いの第3のデザイン(よーく見ると、白丸部分が黒っぽいのが最終型の微かな特徴らしい、M2Compも同様)。
外観の細かい変更はあれど、燃費値が悪化した以外にカタログ上の性能差は無く、最終型に何ら特別な「価値」も「優位性」も無いけど、珍しい存在であることは間違いありません。
ほんの少しだけ自分好みに仕立てて、大切に乗っていきたいと思います。

結局はガレージ保管、雨天未走行の過保護ちゃん、いまのところ。