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2016年02月25日 イイね!

美瑛の思い -哲学の木に寄せて-

美瑛の思い -哲学の木に寄せて-テレビの報道もあったことから
ご存知の方も多いと思いますが、
美瑛の 哲学の木 がなくなってしまいました。

その責任の一端は自分にもあると認識した上で
今の私にできることを考えた結果、
ここに ひとつの物語 を残したいと思います。

これは私の美瑛の丘に対する 謝罪 であり
私から読んでいただいているみなさまへの
切なる お願い でもあります。


・・・・・・・・・・・・・・・・


今日の丘は
朝から霞のような薄雲に覆われていて
太陽のひかりが
やわらかく降りそそいでいます。



寒いのに温かい…

そんな
なんとも不思議な気持ちにさせてくれる この景色 を
持ってきた椅子に腰掛けて
何をするでもなく ぼんやりと眺めていた私。

顔にあたる太陽のひかりが
心地よかったことを覚えてはいるのだけれど
それからのことは記憶が曖昧で…


夢なのか 幻なのか

意識だけ… いや おそらくは身体ごと
次々に違う場所に連れていかれる感覚に
支配されていったのです。





そこは
雪を含んだ凍てつく風が吹きすさぶ
色のない世界で
降り積もる雪は あくまでも白く
吹く風は どこまでも冷たく

その雪と風は その力をもって
人の入りこんだ跡を消していきます。



冷たく真白な雪によって、
大地があまねく覆われていく様は
この世の穢れを拭っているかのよう。

それはたぶん この美瑛の意思 ではないかと
そんなふうにさえ思えるのです。

美瑛の木々たちは
そこで暮らす人との 営み を
彼らなりに守ろうとしているのかもしれません。


作品とか思い出とか
そんな独りよがりの自己満足のために
畑の中にまで入り込むような
他人の迷惑を顧みない 心ない人たち がいる限り
終わらない浄化の行為…なのかもしれないと。





そんな 思い が生まれた途端、
私の中に 別のイメージ が流れ込んできます。


それは
これまでのイメージとは
まったく反対のもの。

美瑛の丘の美しさ。
慈愛のような温かさ。



美瑛に広がる 情景 は
時に さみしさ を感じるものであり




時に 懐かしさ を感じるものであり




時に やさしさ を感じるもの。




そんな 情景 と呼べる景色たちは
人の心と同期しながら
人と共にあるものなのかもしれません。


“それが美瑛の 本当 なのかもしれない”





そんな 思索の旅 を終えると
意識はようやく現実に戻っきて……



う〜ん

大きく背伸びをしながら見上げた空には
太陽のリング。



見渡すと
誰もいない雪の丘には
ただただ 静かさ だけが満ちていて
束の間 見せられたイメージ が
美瑛からの メッセージ だと確信するのでした。




心動かす 冬の丘の情景 は
人が立ち入らないことで生まれるもの。
人に近い自然からの贈り物。


それを わかってもらいたい という
美瑛の丘からの メッセージ を心に刻みたいと思います。

そして、このメッセージが
たくさんの人に正しく伝わってほしいと思います。




(2014年2月14日 撮影)




【あとがき】

何シテル? にも記載させていただきましたが
美瑛にあった 哲学の木 がなくなってしまいました。

木が弱っていたこともあるようですが、
畑の中に入り込む 心ない人 が後を絶たず
この木の立つ畑をお持ちの方は相当期間思い悩まれ
我慢の限界を超えたのだと想像されます。


私は2013年から4年連続して
冬の美瑛に訪れています。

それは
何もない雪原の丘に立つ木々に
孤独や厳しい環境に負けない 命の強さ と
何物にも動じない 凛とした美しさ を感じて
魅了されてしまったから。

でも、その場所は
農業に従事される方の大切な場所で
それには十分に配慮しているつもりでしたが、
そんな方々の願いを 知らずに とはいえ
踏みにじっていた自分に腹が立ちます。


畑の中に入る…

そんな行為は決して行ってはいませんし、
美しい景色を 分けてもらう という精神のつもりでした。

しかし、
哲学の木が撮影禁止となっていたことに気がつかず
ここ2年、何枚か撮影している行為は
巡り巡って今回の結果を招いた原因のひとつだと
許されるものではないと
考えざるをえません。

責任の一端が自分にあることを自覚し、
関係する皆様に
心からの謝罪をしたいと思います。


哲学の木 は
多くの人を慰めてきた
美瑛を象徴するような 情景のひとつ でした。

そんな 失われた情景 に
もう 見ることのできない その情景 に思いを寄せ
美瑛に残された他の木々が同じ運命を辿らぬよう
この Blog に思いを込めます。


哲学の木よ。
そして、それと共に生活をされてきた農家のみなさま。

これまで 本当にお疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。
Posted at 2016/02/25 23:42:50 | コメント(5) | トラックバック(0) | ちいさな物語 | 日記
2015年01月12日 イイね!

黄昏から -葉山の物語-

黄昏から -葉山の物語-久しぶりに
葉山の海に行ってきました。

そこで撮った 絵 は
前にも ご紹介 したことがあるので、
そのまま載せても 変わり映えしない と思い、
今回は 撮りながら思いついた物語 を
綴ってみることに♪

完成度は いまひとつ ですが、
初めての試み。 お許しください (^_^;)


この物語はすべて フィクション であり、
登場人物は実在いたしません(笑)
絵になった人は存在しますが…(爆)



午後から海風が出てきた
この日。

いつものように
すべてに優先して海に出てしまう彼。



そんな彼を眺めながら
浜辺をひとり散歩するのが
彼女のいつも。

何かに夢中になっている人は輝いていて
それが好きな人なら尚のこと
いちばん近くで見ていられることは幸せ。

そういう 思い が
なにをするでもない時間を 大切なもの へと
昇華させている。


そんな風に
純粋な気持ちでいる彼女だからこそ
見えてくるものもあって



水面に映る
彼のセイルの オレンジ色の揺らめき が
彼女のお気に入り♪

水面にゆらゆらと揺れる その色 は
温かな彼の心。
そう思えるからかもしれない。


ふと 浜辺を見渡すと
ひとり歩いている少年の手に オレンジ色 が揺れていて…

その少年は
どうやら 水面に揺れるオレンジ色 を集めている。

自分の宝物を奪われているような気がして、
少年のもとへと駆けだしていく。



不思議そうな顔をして自分を見つめてくる少年に
躊躇なく声を掛ける彼女。

「ねぇ それ どうするの?」

少年は おもむろ に、
オレンジ色に揺れる瓶を彼女に差し出して、

「これは あなたの思い」

そう言って
その瓶を彼女に差し出すと



幻だったのか
いつの間にか 少年の姿 は掻き消えて、

その代わりに
彼女に手には 一片の美しいオランジュ が
残された。



戸惑いながらも
あまりの美しさに それ を口にすると、

その途端、
口の中に広がったのは
甘さに隠れた ほろ苦い 切なさ。



自分の中に 寂しさ を見つけてしまった彼女は、
オランジュと同じ色の黄昏のなかに立ち尽くしたまま
頬に涙が伝うのを感じるのだった。



陽が落ちて
夕闇が近づいてくる時間。



海からあがってきた彼は
彼女の傍までゆっくり歩いて来ると

「美味しかった?」
「コートのポケットに入れておいたもの…」

そうなんだ。
あれは彼からの心遣い。

はじめて そう 理解した彼女は
少しだけ怒ったように

「私チョコはあまり好きじゃないのよ」

と言ってから、
とても ちいさな声 で

「でも、ありがと」

と続けた。



そして、
満足そうな 彼の顔 を見ながら
暮れていく浜辺を寄り添って歩く老夫婦を指差して、



「あんな風に過ごすのって素敵ね」

と呟くように
でもしっかりと言葉にする。

「さぁカフェに行って身体を温めましょ」

彼の言葉を待たずに そう 言うと、
なにか言いたげな彼の手を ぎゅっ と握って
クルマへと向かうのだった。



空には
まるで 富士山が噴火したかのような雲 が広がっていて
彼女の心とシンクロする。

一歩踏み込んだ彼女。

彼女の思いは彼へと届いたのだろうか…



彼らの いつも において、
冷えた身体をあたためる場所は
決まっていて



ここの名物である プリン を
カフェオレとともに食べるのが
彼女の楽しみ♪



今回も 限定 の文字に魅かれて
苦手なはずの チョコレートのプリン を頼んだ彼女は
いつものように ひとくち だけ食べてから、

「こっちのがいい」

と彼が頼んだ定番プリンを食べ始める。



そして、
半分くらい食べたところで

「ねぇ あのオランジュはどこのもの?」

彼女が注文したはずの
チョコラータブリュレプリンを食べながら答える彼。

「あれは馬車道にあるバニラビーンズのものだよ」
「行きたい?」

少しだけ考える振りをした彼女は

「うん」

と答えるのだった。



そこから横浜までは
逗葉新道から横浜横須賀道路を経由して
僅か30分のドライブ。

それでも
いつもと違う デート に彼女の心は弾む。



どんなに 好きな色 であっても、
どんなに 温かい心遣い があっても、
心が満足していないことに はっきり と気がつくのだった。



到着は
午後7時を少しだけ過ぎていて、
その店は既に閉店したあと。

彼はそれを知っていたようで
驚く彼女の手を引いて、
迷わず すぐ傍にある万国橋 に向かうのだった。



「これまで気がつかなくて ごめん」
「時々はこうして過ごそう」

彼はそう言うと、
照れ臭そうに 頭を掻く のだった。

その場所からは
綺麗な みなとみらいの夜景 が見えるのに
彼女には滲んで見えない。


ただ、確かなことは、
彼女の思いは彼へと届いたこと。

これからの彼女の お気に入り は、
オレンジの揺らめきだけではなくなるのだろう。



水面に揺れる彩は
七つの色に揺らめいているのだから…


【本日の一枚 -黄昏の風に吹かれて-】



真冬の海は 吹く風が冷たく て
だからこそ そんな場所にいる人には
温かい物語が似合います。


まるで少年のように
なにかに夢中になっている人は魅力的だと思うし、
そういう人間になりたいと思います。

だけど、それよりも 大切なこと は
相手を気遣う気持ち。

大切なひとが 本当はどうしたい のか
それを 知ろう とすること
それを 叶えてあげたい と思うことは
自分自身の 幸せ にもつながってくるのだと思います。


そのために
まずは 本当の気持ち を気軽に話してもらえるような
そんな人間にならないといけないのかもしれませんね。
Posted at 2015/01/12 20:17:44 | コメント(6) | トラックバック(0) | ちいさな物語 | 日記

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