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2015年01月12日 イイね!

黄昏から -葉山の物語-

黄昏から -葉山の物語-久しぶりに
葉山の海に行ってきました。

そこで撮った 絵 は
前にも ご紹介 したことがあるので、
そのまま載せても 変わり映えしない と思い、
今回は 撮りながら思いついた物語 を
綴ってみることに♪

完成度は いまひとつ ですが、
初めての試み。 お許しください (^_^;)


この物語はすべて フィクション であり、
登場人物は実在いたしません(笑)
絵になった人は存在しますが…(爆)



午後から海風が出てきた
この日。

いつものように
すべてに優先して海に出てしまう彼。



そんな彼を眺めながら
浜辺をひとり散歩するのが
彼女のいつも。

何かに夢中になっている人は輝いていて
それが好きな人なら尚のこと
いちばん近くで見ていられることは幸せ。

そういう 思い が
なにをするでもない時間を 大切なもの へと
昇華させている。


そんな風に
純粋な気持ちでいる彼女だからこそ
見えてくるものもあって



水面に映る
彼のセイルの オレンジ色の揺らめき が
彼女のお気に入り♪

水面にゆらゆらと揺れる その色 は
温かな彼の心。
そう思えるからかもしれない。


ふと 浜辺を見渡すと
ひとり歩いている少年の手に オレンジ色 が揺れていて…

その少年は
どうやら 水面に揺れるオレンジ色 を集めている。

自分の宝物を奪われているような気がして、
少年のもとへと駆けだしていく。



不思議そうな顔をして自分を見つめてくる少年に
躊躇なく声を掛ける彼女。

「ねぇ それ どうするの?」

少年は おもむろ に、
オレンジ色に揺れる瓶を彼女に差し出して、

「これは あなたの思い」

そう言って
その瓶を彼女に差し出すと



幻だったのか
いつの間にか 少年の姿 は掻き消えて、

その代わりに
彼女に手には 一片の美しいオランジュ が
残された。



戸惑いながらも
あまりの美しさに それ を口にすると、

その途端、
口の中に広がったのは
甘さに隠れた ほろ苦い 切なさ。



自分の中に 寂しさ を見つけてしまった彼女は、
オランジュと同じ色の黄昏のなかに立ち尽くしたまま
頬に涙が伝うのを感じるのだった。



陽が落ちて
夕闇が近づいてくる時間。



海からあがってきた彼は
彼女の傍までゆっくり歩いて来ると

「美味しかった?」
「コートのポケットに入れておいたもの…」

そうなんだ。
あれは彼からの心遣い。

はじめて そう 理解した彼女は
少しだけ怒ったように

「私チョコはあまり好きじゃないのよ」

と言ってから、
とても ちいさな声 で

「でも、ありがと」

と続けた。



そして、
満足そうな 彼の顔 を見ながら
暮れていく浜辺を寄り添って歩く老夫婦を指差して、



「あんな風に過ごすのって素敵ね」

と呟くように
でもしっかりと言葉にする。

「さぁカフェに行って身体を温めましょ」

彼の言葉を待たずに そう 言うと、
なにか言いたげな彼の手を ぎゅっ と握って
クルマへと向かうのだった。



空には
まるで 富士山が噴火したかのような雲 が広がっていて
彼女の心とシンクロする。

一歩踏み込んだ彼女。

彼女の思いは彼へと届いたのだろうか…



彼らの いつも において、
冷えた身体をあたためる場所は
決まっていて



ここの名物である プリン を
カフェオレとともに食べるのが
彼女の楽しみ♪



今回も 限定 の文字に魅かれて
苦手なはずの チョコレートのプリン を頼んだ彼女は
いつものように ひとくち だけ食べてから、

「こっちのがいい」

と彼が頼んだ定番プリンを食べ始める。



そして、
半分くらい食べたところで

「ねぇ あのオランジュはどこのもの?」

彼女が注文したはずの
チョコラータブリュレプリンを食べながら答える彼。

「あれは馬車道にあるバニラビーンズのものだよ」
「行きたい?」

少しだけ考える振りをした彼女は

「うん」

と答えるのだった。



そこから横浜までは
逗葉新道から横浜横須賀道路を経由して
僅か30分のドライブ。

それでも
いつもと違う デート に彼女の心は弾む。



どんなに 好きな色 であっても、
どんなに 温かい心遣い があっても、
心が満足していないことに はっきり と気がつくのだった。



到着は
午後7時を少しだけ過ぎていて、
その店は既に閉店したあと。

彼はそれを知っていたようで
驚く彼女の手を引いて、
迷わず すぐ傍にある万国橋 に向かうのだった。



「これまで気がつかなくて ごめん」
「時々はこうして過ごそう」

彼はそう言うと、
照れ臭そうに 頭を掻く のだった。

その場所からは
綺麗な みなとみらいの夜景 が見えるのに
彼女には滲んで見えない。


ただ、確かなことは、
彼女の思いは彼へと届いたこと。

これからの彼女の お気に入り は、
オレンジの揺らめきだけではなくなるのだろう。



水面に揺れる彩は
七つの色に揺らめいているのだから…


【本日の一枚 -黄昏の風に吹かれて-】



真冬の海は 吹く風が冷たく て
だからこそ そんな場所にいる人には
温かい物語が似合います。


まるで少年のように
なにかに夢中になっている人は魅力的だと思うし、
そういう人間になりたいと思います。

だけど、それよりも 大切なこと は
相手を気遣う気持ち。

大切なひとが 本当はどうしたい のか
それを 知ろう とすること
それを 叶えてあげたい と思うことは
自分自身の 幸せ にもつながってくるのだと思います。


そのために
まずは 本当の気持ち を気軽に話してもらえるような
そんな人間にならないといけないのかもしれませんね。
Posted at 2015/01/12 20:17:44 | コメント(6) | トラックバック(0) | ちいさな物語 | 日記

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