「去年楽しかったから、それ以上楽しもうと思ったら選手しかないなと思ったのです」
そう語るのは、井原永理選手。
「えりりん」こと、ガレージモンチのマスコットガール(?)である。
ガレージモンチは去年、タイ~カンボジアで行なわれたアジアクロスカントリーラリーに、ラリーを体験できるアドベンチャークラスで参加した。
その中に彼女の姿もあった。
初めてのラリー体験、それがしかも海外ラリーだ。彼女自身、気持ちが大きく成長した。
その彼女が、今年コンペティションクラスでアジアンラリーに参加するという。
「パジェロに3人乗って出ます」。
そう、「TEAM TRYANGLE」が乗り過去3回のアジアンラリー全行程を走破したマシンだ。
そのパジェロが今年もまたアンコールワットを目指して走る。
AXCR2011
当初、井原さんではない3人1組で参戦予定だったパジェロ。
その中の1人が急遽アジアンラリーに出られなくなったのだ。
「余ったシートを狙っていました」。
3人乗車だと、ドライバー、ナビゲーターの基本2人に、もう1人後部座席にプラスされることになる。
「ワタシはドラテクもないし。だからラリーに参戦するとしたら、3人の中の1人で出られたらなと思っていたのです」。
運なのか巡り合わせなのか。ともあれ、第3の競技者として彼女の名前がラリーカーに刻み込まれた。
「役割はちゃんと自覚していますよ!」。
2人ではできないことも、3人いればどうにかできることがある。
スタックしても、疲れてきても、2人より3人のパワーの方がはるかに乗り越えられる。
「えぇ、ワタシは癒し系ですからね(笑)」。
元々、彼女は競争心というものが無いという。
だから競技の中の結果には関心がなかった。
しかし、結果だけではない参加する人たちの楽しさを見てきた。
「その輪に入りたいと思ったことがスタートなんです」。
競技に参加すれば向上心も出てくる。当然、テクニックも上がる。やること自体が面白い、そして輪の中にいることが楽しい。
みんなが頑張り、みんなが助け合う。真剣に遊び、誇りを持って楽しむ。だから、その輝きが違う。
「モンチの人たちの魅力って、チームワークなんです」。
そのチームワークで、ラリーカーを仕上げた。
同じくアジアンラリーに参戦するもう一台のジムニーもイチから作り上げた。
彼女が乗るパジェロには今までの参加者の想いが詰まっている。
「今、みんなで作っています。本当に手作りなんですよ」。
工場のラインを流れ、いつしか完成されるクルマではない。
そのカタチには人の手、時間、想いが込められている。
それはクルマを走らせる人だけではない。
現場には行けないが準備を手伝ってくれた人たちの想いが詰まっている。
「だから完走して、みんなで笑いたいなと思っています」。
ラリーだから、どのような結果になるかは分からないだろう。
でも、諦めなければ、自分に負けなければ、アンコールワットが見えてくる。
その時はきっと誰よりも笑顔になることだろう。
3番目のリアシートから見続けた景色がかけがえのないものになるからだ。
ガレージモンチのマスコットガール、えりりんこと井原永理選手。
去年のアジアンラリーにアドベンチャークラスで参加。
AXCR2011
そのレポートがフリーマガジンにも掲載されました!
PDFはコチラ!
PDFはコチラ!
そのえりりん、なんと今年はこの3人でチームを組んでコンペティターで参戦します!
その意気込みをインタビューしてきましたー!
仁科「今年のアジアンラリーに参戦するそうですね!」
井原「3人1台で参戦予定だったパジェロ号が、
急遽一人出られなくなって、余ったシートを狙っていました(笑)。
去年アドベンチャーで参加して、すっごく楽しかったので、
これ以上楽しもうと持ったら選手だなって思っていて。
でも、私はドラテクもないし、
出るとしたら3人の中の1人で出られたらな、って思っていました。
だから今回はものすごく良いめぐり合わせで、
ありがたいなと思っています。
仁科「井原さんはトライアングルに参戦している、
数少ない女性エントラントですよね。
トライアングルに参戦し始めてどれくらいになりますか?」。
井原「4年ぐらいですね」。
TRYANGLE2011
仁科「じゃぁ、オフロード経験も結構あるってことで、
アジアンラリーも大丈夫ですね!」
井原「トライアングルとラリーはぜんぜんちがいますからね~。
スピード系は苦手なんです~」。
仁科「いやいや、去年のアドベンチャーの経験もあるし、
トライアングルの経験もあるから、ものすごく期待しています!
井原さんは気が利くから、男くさい2人も楽しめると思うよ!」。
井原「だといいですね。役割をちゃんと自覚して」。
仁科「どんな役割ですか?」
井原「癒し系。いやしがかりです(笑)」。
仁科「ところで井原さんは、もともとクルマに興味があったのですか?」。
井原「全然。私は競争心が無いものだから、
初めは競技も何が楽しいんだ?って思っていました。
でも、モンチの人たちが楽しそうにやっているのを見て、
その輪に入りたいなってところからスタートしました。
そのうち向上心も出てきて、
今や表彰台を狙うくらいになってきてるし。
って乗ったことないですけど!(笑)」
仁科「今や、井原さんはすっかり輪の一員ですよね!」。
井原「モンチの人たちって、チームワークがすごいんです。
みんなで一所懸命相手のことを思いながらやっているんで。
私は面倒を見てもらいっぱなしなんですが」。
仁科「今、すでにえりりんはモンチの癒し系でしょ?」。
井原「誰もそんなこと思ってないですよ。速くみんな、気付いてほしいですよね(笑)!」
仁科「ガレージモンチに対する思いは!?」
井原「人に迷惑をかけなければ、
こんなにアホでいいんだっていうのを学びました!
こんなに楽しんでいいんだ!遊びに誇りを持っていいんだって」。
仁科「遊びに誇りですか?」
井原「そう、みんな誇りを持って遊んでいます」。
仁科「いいですね!」
仁科「では、今年のラリーについての、意気込みを!」
井原「ガレージモンチから、パジェロとジムニーの2台がラリーに参戦します。
ジムニーは1から作った車だし、
パジェロは去年の楽しかったアジアンラリーで
応援していたトライアングル号なので、ものすごく思い入れがあります。
だから、ガレージモンチにパジェロが来た時点ですごくうれしくて。
それを今、みんなで作っています。
本当に手作りなんです。
しかも、競技に参加する人だけでなく、
ラリーに行かない人たちもみんな一緒に作ってくれています。
だから、完走して、みんなで笑いたいなって思っています。
パジェロとジムニーで笑顔でゴールしたいです!」。
アンコールワットで笑顔でゴールしましょうね!
期待しています!
ガレージモンチの社長、竹野選手。
去年、アジアンラリーのアドベンチャークラスに参戦。
AXCR2011
車両トラブルに何度も見舞われながらも、
ラリー2日目には、翌年である今年のアジアンラリーに
競技者として参戦することを宣言していました!
その宣言通り、今年のアジアンラリーに柳川選手とジムニーでエントリーします!
TRYANGLE2012 柳川選手と竹野選手
その竹野選手に「ガレージモンチ」についてインタビューしてきました!
ニシナ「竹野さんは元々ディーラーで働いていたと伺いましたが、
どうして自動車の道を選んだのですか?」
竹野「実は、高校を卒業する時に調理子になろうと思っていたんですが、
その2週間前になって『あ、これちがうな、やっぱりクルマにしよう』って思って変えたんです」。
ニシナ「…。それは進路指導の先生に怒られたでしょうね。
でもそこでクルマに変えた理由は?」
竹野「モノ作りが好きなんですよ。モノを作りたい、
それを人に見て欲しい、喜んで欲しいって気持ちがあって。
それで整備士になるって思って」。
ニシナ「そうだったんですか」。
竹野「それでトヨタの専門学校に進学して、
卒業してからはトヨタビスタに入りました。
それと同時にミニクーパーのお店をやっている人と知り合いになりました。
そこで『バイトしてくれへんか』って言われて。
僕は整備士の免許を取っただけで、何も出来ないので
お金はいらないから、仕事終わってから勉強も兼ねて
修理の手伝いをさせてってくださいってお願いしたんです。
クルマの修理って数をさわらないとダメだから。
だから、ビスタが終わって帰ってきてから12時ぐらいまで
ミニのお店で働いていました。
ニシナ「どれくらいの期間、続けたんですか?」。
竹野「5年ぐらい続けましたね。
そのときに、向うの人が『お金受け取らないんだったら、
レースカー1台あげるから好きなようにしな。部品は供給してあげるから』
って言ってくれて。それでミニのレースに出るようになりました。
富士のスピードウェイもセントラルサーキットも走ったし。
本当にありがたかったですね」。
ニシナ「そして、独立してガレージモンチを立ち上げたわけですね」。
竹野「ビスタには7年お世話になりました。
いい先輩がいていろいろと技術を教えてもらいました。
でも、自分は『みんなが集まりやすい場所を作りたい』って思っていたんです。
僕自身もそんな環境を作ってもらっていたから。
みんなが『ただいま』って帰ってこられる場所を、作りたかったんです」。
ニシナ「どうしてですか?」
竹野「遊びをするにしても、何をするにしても、1人では何もできないでしょ。
1人よりも2人、2人よりも10人、10人よりも100人いたら、
やれることの枠が広がってくる。
それに、その子らがしたいと思っているこがあったとしても、
思っているだけではなかなか実現できないけど、
それを仲間に話してくれれば『ほな、僕も一緒にやるわ』って、
もっと膨らませることもできるし。
そのためには人のつながりが必要かなって」。
そうしてガレージモンチを立ち上げて11年。
今では、竹野さんの思いのとおり「ただいま」と帰ってくる
常連のお客さんや、ワンコやヤギや金魚や小鳥たちでにぎわうお店となっています!
竹野「うちはジムニー屋ちゃうでー!
どんな車種でも対応しますよ!
クルマのことで何かありましたら、ぜひガレージモンチへ!」
ガレージモンチのシャッターに書かれた名言です!
MICCHI!オートサービスのミッチこと道畑さん。
クルマで走るのも、乗るのも好きだった道畑さんは
高校を卒業してトヨタの専門学校へ。
卒業後、トヨタのディーラー、フランチャイズの車検屋さんを経て、
MICCHI!オートサービスと、ずっとクルマの仕事をしてきています。
その道畑さんにインタビュー!
仁科「今年初めてのアジアンラリー参戦ですね。
今までで、レースの参戦経験は?」
道畑「トライアングルに参戦したり、カートのレースをやったりしています」。
仁科「どうしてアジアンラリーに出ようと思ったんですか?」
道畑「アジアンラリーに参戦するって、仲間内で話が出たときに、
『面白そうだな、混ぜてください!』って僕が言ったんです。
4×4マガジンでアジアンラリーの記事は以前から見ていたからね」。
仁科「ラリーカーのパジェロの状態はどうですか?」
道畑「パジェロもいじりたいけど、今はなかなか時間が取れなくて…。
でも、4月からもっと手を入れていきたいと思っていますよ!」
仁科「今後の予定は?」
道畑「壊れないように、安心して乗れるように作っていきたいですね。
始めて参戦するんで、ちゃんと完走出来るようにね。
ラリコンのセットアップなんかもしないとですね」。
四日市のジャンレノこと道畑さん。
クルマのメカにも強いから、毎日の整備が必要な
ラリー中でも頼もしい活躍が期待出来ますね!
初めてのラリーをぜひ楽しんでくださいね!