
あまりにショック、というか、情けなさすぎる事件だったので日記がわりにシェア。
自宅の近くのスーパーから、ちょっと離れたはんこ屋さんに移動している最中、Googleマップのナビにしたがって走っていたのだが、どう考えてもクルマ1台がギリギリ通れる裏道のようなところに案内され、最終的に角度がかなり急な上り坂の農道のようなところに辿り着いた。なんだか嫌な予感がしたが、案内にしたがって走って行くと、坂道を登っている途中からフロントタイヤがホイルスピンして登れなくなってしまった。なんとか出来るだろうと軽い気持ちでサイドを引きながら、1速2000回転でクラッチミートさせてみたり、3000ホールドで2速発進してみたりとあがいてみたけど、全然ダメ。そのままズルズルと後ろに下がっていってしまい、さすがに危機感を感じたのできっちりサイドをひき、クルマを降りてまわりを確認してみた。
地図上はほんの50mもいけばすぐそこが住宅街の細い農道。まわりは林に囲まれており、街灯もなく真っ暗。
天候は霧雨。路面はアスファルトで少しだけぬれる程度だが、その細い農道の脇には雨か雪で流れた泥がたっぷりあり、どうやらその泥と雨のせいでフロントタイヤがスリップして進まなくなっていたようだ。おそらくノーマルタイヤであれば大丈夫だったろうが、先日の大雪のこともあり、運の悪いことにまだスタッドレスのままであった。しかももっと運の悪いことに、左後ろのタイヤがアスファルトの外側に落ちてしまっている。いわば脱輪状態になっていたのだ。
「スタック確定」
事態は想像していたよりもかなりまずい状態であることを再認識した。
自分の持てる知識と経験を総動員し、あらゆる行動を尽くしてみることに。
まず保険会社のロードサービス受付にTEL。受付した女性がクルマのことがまったく分からない無知な人間で、自走できるからロードサービスは呼べないとか意味不明なことを言い出しで半分キレかかったが、なんども説明をやりなおしてやっと動けないことを理解してもらった。これでロードサービスの担当者が現地にくるのを待てる。
次に並行してディーラーの営業さんにTELし、こちらに来てもらえないかと相談。この時点ではロードサービスが来てもらえるのかどうかも怪しかったし、自分ひとりで行動しているわけではなかったので、最悪の状態が発生した時のことを考え、フェイルセーフの意味もこめてひとつとしてお願いしてみた。ありがたいことに営業さんは来てくれるようだ。
そしてここからいろいろとチャレンジを繰り返した。周辺から動かせそうな板やらブロックやらを持ってきたりしてみたがダメ。雪道スタック時の定番対応手段であるフロアマットを使った脱出を試みてみたけどこれもダメ。途中周辺に住んでいる人が通りかかり、家からロープやら板やらの道具まで持ってきてくれるなどけっこうな時間助けてくれたのだがやっぱりダメ。。。。。まさに万事休す。ここでしばらく待つしか無い状態になった。
そしてさらに最悪の状況であることが判明する。ガソリンのゲージが警告エリアを通り越し、完全にゼロに近い位置を指しているではないか!坂道であることを考慮してもほぼ残量はゼロに近い。寒い気温の中、エンジンをつけて暖を取ることすらできなくなってしまった。周辺にトイレもないし店もなさそうなので、嫁と子供はその場を離れ、少し離れたコンビニまで退避してもらうことにした。しかもスマホのバッテリーも切れかかっている。。。。。真っ暗な林の中を通る農道で、エンジンもかけず時間を潰せる道具もないまま、じっと瞑想するしかない時間が続く。。。。
何分ぐらいたっただろうか?
半分眠りかかっていたところに、車内に着信音が響き渡る。ロードサービスの担当者がやってきたのだ。
現場に案内し状況を説明するが、どうやら彼が今乗ってきた大きなカーキャリアではここまで入ってくることすらできないようだ。いろいろ相談し、別の業者を呼んでもらえることになった。
そしてすぐに日産の営業さんも到着。知った顔にであえて心底ホッとする。
坂道の上側からアプローチし、持っていた牽引ロープで引っ張ってもらうも、やはり上がらず。乗ってきた車がうちのよりも軽いものだったので、重さの関係でどうしても引っ張りあげられないようだ。
そうこうしているうちに、新しいロードサービスの業者さんが到着。今度は小さめのサイズのウィンチ付きのレッカー車でやってきた。こうなると作業はあっというまだった。手慣れた手つきで救助活動するおじさん。ものの20分で復旧活動は完了した。
この農道に迷い込んでから、実に4時間半。
住宅街の中にある狭い農道で起きた、まさかまさかのスタック事件でした。
この事件でわかった問題点がいくつかありました。
今回は4時半で住宅街でおきたから良かったものの、はっきりいって強制避難訓練みたいなイベントだったという認識で、今後のためにこれらの問題点はすぐにでもクリアさせておこうと嫁と決めた。
すべてのNV200乗りに共通している話題だと思うので、気になる人は見ておくといいかも。
●このクルマには懐中電灯が常備されていない。ただでさえバッテリーの足りない
スマホのライトで代用する以外まわりを照らす手段がなかった。
頭に取り付けられる電池式ヘッドライトと、できればシガーソケットから常に充電し
続けるタイプの懐中電灯を積んでおくべきだろう。
●寒い時期に着れる上着や毛布を積載していない。まだ厳寒とまではいかなかった
から良いが、これが雪国で起きたら、、、と思ったらぞっとした。
そもそもNV200は断熱効果が極めて低いので、暖をとれなくなると最悪車内で
凍死なんてことも起きうる。上着に関しては小さくたためるユニクロのエアテックや
ダウンなどを積んでおくほうがいいかもしれない。
●韓国製のスタッドレスは信用ならない。
特に雪道強化を謳った商品はドライ路面でもフラつきが出るほと安定性がなく、
ウェットグリップに関してはほぼ噛まないで滑り続けているようなものだ。
パニックブレーキでいとも簡単にドアンダーを出せる危険きわまりなさ。
今季3年めで夏まで使いきって捨てるつもりでいたが、怖すぎるので3月中旬に
なったらすぐにサマータイヤに替える予定。
来冬は別のメーカーのスタッドレスに変更必至だ。
●そもそもNV200の低μ路面でのグリップがとても悪い。
このクルマが車格の割に本体重量が1.5トンを切っていて軽すぎることもあるが、
フロントタイヤの位置がエンジン+ミッションの重心位置よりも前にあることにより、
平地での走行安定性は高いのだと思うが坂道や雪道などで上からのGがかかりにくい
ようだ。以前、野沢温泉のちょっとした坂道でスタックしかかったことがあるが、
おそらくこのときも同じ状態になりかけていたのだろう。
●フロントのグリップが弱いことを考慮したうえで、雪道対策としてスタッドレス
だけでなくチェーンを積んでおくのが危機管理対策としては正しい。
MT+ミニバンにこだわるあまり四駆を選ばなかったのであるから、これは
必要経費として投資しておくべきだろう。