
2020年6月30日にカーエアコン大手(コンプレッサーで世界2位かと)のサンデンHDが事業再生ADR(私的整理の一種)を申請しました。事実上の経営破綻ですかね。
サンデンは1980年代、日本市場より車載空調で遅れていた欧米市場を開拓する戦略で事業拡大し1990年代以降、欧州車のサンデンコンプレッサー装着率は3割以上(プジョー車はほぼ全数)というメジャーサプライヤーになったと思います。
私の最初のマイカーの後付けエアコン(死語か!)もサンデン製(「エアコンは純正より後付市販品がお得!」という主旨のTVCMが流れていた時代)。
ところが、ここ数年で売上、特に営業利益が急速に落ち込んでいましたので注視していました。破綻の原因はコロナ禍に加え、欧州、中国市場での環境規制への対応で販売が減ったとのことでした。
しかし、コロナ禍よりも以前から危ない状況だったので、要するにEVやハイブリッド車向けの電動コンプレッサーなど市場変化に対応出来ていなかったということでしょうか。
純正市場ビジネスはモデルチェンジ時に他社にリプレイスされてしまうと年間数万台から数十万台レベルで生産台数を落としますからダメージが大きいです。
昨今のモジュール化、システム化の流れではサンデンのような独立系かつコンプレッサー単体で勝負する(HVACというシステム売りが弱い)ビジネスモデルでは生きて行けないということです。過去の日本の自動車エアコンサプライヤーもヂーゼル機器(⇒ゼクセル)、ニチラ(⇒カルソニック)などもヴァレオ、マレリ(その後ハイリー)へ統合されました。
一方で電動化の流れに対応して急速にシェアを拡大しているのが豊田自動織機です。エアコンコンプレッサーの世界シェアNo1(30%以上)だと思います。
初代プリウスから電動コンプレッサーに対応していましたから、これからもさらに優位性が高まることでしょう。
デンソーがHVACとして自動車OEMに提案するので盤石です。電動化になればなるほどその優位性が高まります。
20系プリウスから50系プリウスの電動コンプレッサーもこのように劇的に進化しています。50系ではインバーターも内蔵になってしまったのです。
サンデンHDの今後の再生スポンサーは誰になるのか? 投資会社傘下でリストラ必須ですと厳しい未来になりそうです。いままで欧州ビジネスに強かったので仏ヴァレオと上手くジョイン出来ないでしょうか・・・期待したいです。
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2020/07/05 21:37:33