今日は休暇。
朝から洗車をして、いつもの峠道に練習に行くつもりであったが、生憎の雨模様。
中国地方は黄砂が激しく、雨が降る度に車が黄色の斑点で覆われてしまう。
仕方がなく、午前中はジムに行って過ごすことにする。
週に2回はジムに行くことにしている。
職場近くのジムでいつもは徒歩で行くのだが、自宅から997でジムの契約駐車場に入れてみると、意外に高級車が多くあることに気づく。New CLS、Sクラス、Z3、Lexus等々。平日の日中にジムに来れる層には仕事の時間に囚われない富裕層が一定数いるということか。
ジムにいる人の顔ぶれをみても誰がそうで、そうではないのか。全く俺には区別がつかない。ただ運動する意欲と、老化に抗い続ける貪欲さがある、健康な人達の集団だ。身体に対して意識を向けることは重要だ。現代人は精神のことだけを問題にしたがる。しかし身体と精神は常に一つだ。そのことに自覚的に生きるのも、一つの境地である。
ジムワークを終了する頃には、すっかり天気も晴れ渡っており、清々しい晴天に変わっていた。
先程のスポーツクラブからZ3がオープンで走りだしてくる。いくら旧式のZ3と云えど、晴れの日のオープンカーに勝てる車などいない。
このまま遠くに997で出かけたくなる。
山陽自動車道を20km。いつもの峠道に。
平日の昼間で車通りもほとんどない。
ここは以前は県南部の港町を繋ぐ主要な道路であったが、高速道路や産業用の大規模な幹線道路が付近を貫通するようになり、山間部の景色を楽しむ車や、地元の住民以外は殆ど車両が走っていない。
片道20kmを軽く往復する。意識と車の挙動のスピードの解離。
最初はどうも車とのタイミングが合わない。
このところFRのC63AMGの運転に慣れきってしまっていて、ブレーキングとハンドリング、そしてアクセルワークの挙動が異なっている。FRの運転は大きなリズム&グルーブ。RR特有のブレーキング、荷重の前方移動、ハンドリング、アクセルワークによるトラクションによってコーナーを駆け抜ける感覚、RRの運転はその半分の速いリズムだ。HIPHOPとドラムンベースの違い。
コーナーに突っ込んで遅めのブレーキング、しっかり制動してから、ハンドリングを開始し頭をインに入れ、アクセルを繊細に踏み込んでゆく。背中、ケツの下あたりから、蹴っ飛ばすような強烈なトラクション。この感覚がしっかり決まると気持ちよくコーナーを駆け抜けてゆく気がする。
C63で九州旅行をしたあと、ポルシェに乗り込んで、驚くことがあった。それはポルシェがC63AMGに比べて相当無骨に感じられたことだ。ポルシェは走ることだけを考えられて作られた機械だ。まるでカートのように、地面と座面が近く、地面すれすれをカッ飛んでゆく。内装を引き剥がせば、即骨組みのみのレーシングカーになってゆきそうな。
C63AMGは内装を引き剥がしてもレーシングカーにはならないであろう。そのかわり、走行性能、居住性、乗り心地、デザインが非常に高いレベルでバランスされている。まるで高級ブランドのスーツのような乗り心地。ポルシェがポンコツだと感じてしまうほどの上質さ。
今日は左のリアが妙に滑る気がする。先日左リアだけ傷みが激しく交換したばかり。まだ皮むきも終わっていない、わずかの走行距離だ。だが、それだけではない。左右のコーナーリングの際のアクセルワークの量が違うのだ。左リアだけ運転席が左であって、より早めにアクセルを踏みすぎているのだ。
呼吸が合わない時には、運転ラインも崩れる。ポルシェと俺の呼吸。機械と身体の動きの癖。俺の身体の癖を機械に合わせてやる必要がある。そうした時ポルシェは一番早く走ることができる。走りのポルシェが持つ明確な哲学。俺にとってポルシェとは走りの教師であり、そうやって教わっていると考えている。
Posted at 2012/05/10 23:16:25 | |
トラックバック(0) |
997 | 日記