エアーウレタンのコツに関する記事一覧
塗装前の下準備について
重ね塗りでツヤツヤに仕上げる方法
本当はエアブラシやガンがあれば綺麗に塗装ができますが、DIY塗装ではやっぱり缶スプレーが楽。特に後片付けが楽なんですよね。エアブラシは後片付けで行う用具の洗浄がめんどくさくて。。。プラモデル用に少年時代に使ったエアブラシは実家にお蔵入りです。というか、そもそも今の住環境ではエアブラシは吹けん。
ということで、ちょこちょこDIY塗装をしてみて
エアーウレタンにはお世話になりっぱなしでした。純正ボディカラーはできないので、ブラック塗装だけですがアクリル塗料に比べて2液ウレタンはなかなか強力です。
エアーウレタンのいいところは、厚塗りができるので3回吹けば十分な点、厚塗りなのに3〜4日で乾燥する点、曲げに強い点、ウレタンクリアを吹かなくても丈夫な塗装面ができる点です。そして、これらメリットのおかげで作業時間が短縮できるというところが、仕事の合間にDIYしている身にとってはメリットが大きいのです。
1液のアクリル系の場合は、しっかり塗るには5回吹きで乾燥は1週間以上ですからね。
ただ、
エアーウレタンは缶スプレーゆえにちょっと上手に塗装できない場合があり、綺麗に塗るには結構難しかったりします。

こんな感じに塗装面がゆず肌に波打つことがあります。
ゆず肌は、スプレーの距離を最適にすると発生しにくくなり、塗装直後はしっとりヌメヌメに光沢ができるようになります。しかしまだまだ完璧ではなくて、塗料が乾燥するとなんか変ってことがよく起きるのです。

こんな風に肌につぶつぶができることがあります。青丸部分を拡大すると、、、

こんな風に、つぶつぶと塗装面に穴が空きます。これは
ピンホールや
ワキと呼ばれる現象なんです。
ゆず肌は後で研磨すれば修正できるのでまだましです(ただ、ウレタン塗装面は丈夫なので研磨に難儀しますが)。しかし、問題のワキやピンホールは穴が深いので、研磨で修正ができないんですね。もっと悪いケースは、塗装内部にピンホールの空洞が発生しているのに表面が平滑で、不具合が見た目では分からないとき。このような状態でゆず肌の研磨で表面が削り取られたときに、中のピンホールが顔を出すんです。研磨中に塗装面に穴が現れてどうにも修正できなくなると、塗装を全部削るか穴をパテ埋めして再塗装するしかありません。
いろいろ試行錯誤したのですが、なかなか解決できずパーフェクトな塗装をするには何を改善すれば良いのかと悩んでました。もちろん、大部分は綺麗に塗装できるんですが、5%ぐらいの確率で発生するんですね。この穴がピアノブラック塗装だとすごく目立つんです。
で、改めて
スプレーの構造から考えてみるのです。
スプレー缶はガスと塗料が同じ容器に入っています。この図のようにガスと塗料が分離された状態であれば問題は無いのです。しかし、塗装前には顔料と溶剤が良く混じるように缶を振りますよね。そうなるときっとこうなるはず。

ガスと塗料が混合して、多少、炭酸飲料みたいになるはず。これがそのまま吹き付けられたらどうなりますか?そうです、あとでピンホールの原因になります。もちろん、気泡には溶剤の気化もありますが泡の方がずっと大きいはず。

事実、タレが発生すると乾燥中に泡立ちます。
ということで、塗料内にガスが入りこまない吹き付けをするというのが、
エアーウレタンや缶スプレーのコツと言えるでしょう。そして、何度か試行錯誤して成功率が高まる塗装方法が分かりました。
コツは、べちゃっと吹き付けずできるだけ霧状に手早く塗装することです。霧状にすることで吹き付け直後に塗料からガスが早く抜けてしまうようです。

霧状に吹くと、はじめはこのようにザラザラになります。しかし何度も往復させると徐々に表面がしっとり塗料で満たされてつやつやになります。
吹き付けた瞬間に、塗料がべちゃっと広がるようでは近すぎです。霧状です。
ブシューっと吹くのではなく、シュッ、シュッと塗料を乗せる感じです。
こんな感じですね。エアーウレタンはこの動画よりももっと霧状に吹きます。霧状と言っても、塗料が乾燥する前の霧ですよ。塗装面までの距離が長すぎると、塗装面に付着する前に塗料が硬化し粉状になるので注意です。塗料が乾燥しない距離で霧状に吹きつつ表面をしっとりヌメヌメピカピカにしていきます。

この塗装方法を行うと、1層吹いて12分休憩を繰り返して3層吹くだけでこんなにツヤツヤに仕上がります。状態が気に入れば塗装後の研磨は不要です。この塗り方は空気中に飛散してしまう塗料が多く、塗料がかなりムダになる欠点がありますがかなりきれいに仕上げることができますよ。
さらに塗料に混合されるガスの量が少ないせいなのか、万が一タレが発生しても泡を吹くことが無くタレ部分が盛り上がるだけで済む場合が多くなりました。この場合は、丁寧にタレで盛り上がった部分をペーパーがけすれば修正可能です。また、この方法で塗装後、研磨を行うと以前よりピカピカ具合が良くなったような気がします。ひょっとすると目視できない小さなピンホールが減ったせいではないかと考えています。吹き方のコツをつかみさえすれば
エアーウレタンはなかなか綺麗に塗装できる優れた塗料だと思います。
ということで、また新境地を開きました。が、やっぱり仕事の合間の塗装DIYは大変なのでぼちぼち区切りを付けようと思います。
(追記)
塗装前の上手な下準備について書きました。
こちらへ。
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Posted at
2015/06/14 22:42:14