AR GT13Jr デストリビューターマレリ→123イグニッション
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
66,677km
今月のTC2000走行会に向けてデスビをマレリのポイント式から123イグニションに戻します。
使った感じ、やはりマレリは常用域では良いのですが高回転、特に7000rpm以上が辛く感じます。
回転馬力を稼いで少しでもパワーを上乗せしたいので8000rpm常用可能な123にします。
その前に交換したIGコイルが123に悪影響を及ぼさないか確認しておく必要があります。
IGコイルの1次抵抗が小さいと流れる電流が過大になり電子部品が壊れたりします。
具体的な数値は簡単な計算で求められます。
■オームの法則
・R(Ω)=V/A
普通自動車の場合、電圧は12Vです。そして車載デバイスは4Aで駆動するように設計されたものが殆どなのでそれらから求められる抵抗値R(Ω)は12V÷4A=3Ωという事になります。
しかし、高性能IGコイルでは高品質な部材で一次側のコイルの巻き数を少なくして誘導電流が短時間で大きくなるようにして高回転時や8気筒などの多気筒の追従性を良くしているものがあり、そのままでは過大な電流が流れてしまいますので外部抵抗器が必要になります。
この車には1.5Ωのセメント外部抵抗器が組み合わせてありますがIGコイルが変わったので確認する必要があります。
カタログ値ではこのIGコイルの1次抵抗は0.55Ωほどのはずですが、測ってみると1.7Ωと出ました。
2
次にIGコイルの1次抵抗値と外部抵抗器の合成抵抗を測って見ると3.5Ωと出ました。
カタログスペックからの予想値は2.05Ωなのでこのメータが正しいとするならば、IGコイルもセメント抵抗もずいぶん抵抗が増している事が分かります。
ただ取り外したIGコイルの抵抗がきちんと測れなかったので計測器も怪しい気がします。
まぁデスビもマージンを取って設計されているでしょうからAが少し低いくらいなら大丈夫でしょう、というかこれまでは問題なかったので。
3
1気筒目の圧縮上死点を出します。
今回もズボラで冷却ファンを回して上死点を出しましたが、ファンベルトとプーリーに指を挟んで痛かったです。
ちょっとずつ回してたんですけど調子に乗っていっぺんに大きく回そうとしたのと寒くてファンベルトが滑るのでベルトを引っ張ってテンションが掛かるようにしたのが失敗でした、というかちゃんとプーリーナットで回しましょう(笑
4
今回は単純にデスビを交換するだけじゃなく、進角特性を変更してみます。
123イグニションの初期タイプはここに調整機構があります。
つまり設定を変更するためにはデスビを取り外す必要があります。
まぁ進角特性が変わったら点火タイミングも取り直すでしょ?という事なのかもしれませんが面倒ですね。
やはりデスビを取り外さなくてもアクセスできる場所に付けて欲しかったです。
今はUSBタイプもありますので、そちらなら取り付けたままで変更できますね。
もっとも登録できるパターンは2パターンなので普段乗り用とサーキット用、或いはスプリントレース用と耐久レース用などでしょうか。
出来ればもう少し登録できるようにしてほしいものです。
5
で、このタイプは蓋を外して中のロータリースイッチで変更するのですが、これまでは006-'tuning' for high comp 'hot cams'用になっていました。
これが何を意味するのか良く分かりませんが、他にはシャンクルとかあるので何がしかのチューナーのカムを参考にしていると思われます。
今回はMarelli S103&S166というのにしてみます。
これが最大進角がいちばん大きく取れます。
しかしこれが今のエンジン仕様に合っているのかはどんな進角カーブになっているのか分からないので試してみるしかありません。
6
エンジンが始動してアイドリングする角度を見つけたらタイミングライトでFマークに合わせます。
アイドリングはドがつくほど安定しました。
これまでの123デスビのアイドリングが勝手に上下してしまう事を考えたら上出来で、走り始めも扱いやすい印象です。
しかし上が伸びない!
確かに1、2速で引っ張ればメーターで8000rpm以上、実測では7500pm前後まで回っていると思いますが、そこに到達するまでのパンチが弱い感じです。
もっともキャブも待ち乗り燃費重視になっているのでパワー重視のサーキット仕様にしてエアフィルターが無ければ空燃比が最適になって伸びる可能性もあるでしょう。
本来ならサーキットでとっかえひっかえやればいいのですが、いかんせんドライバー兼メカニックなのでやっているヒマがありません。
まぁ走行枠2本目を捨ててセッティング変更に費やすのもありかもしれませんが、当日の走った感触で決めたいと思います。
7
追記:15.01.12
いくつかある123デスビの進角パターンを比較してみました。
エンジンはある程度チュ-ニングしてあるので純正準拠カム用パターンはパスしてチューニング向けの3パターンを比較しました。
D:006-'tuning'
アイドリングの安定感がイマイチ。
低回転から粘りがあって高回転の追従性も良い感じ。そこそこパワー感もある。
E:Shankle
アイドリングのスイートスポットが狭い。バラつき咳き込む事も多い。
極低回転は辛い。中速域からの立ち上がりが素晴らしいが高回転の伸びはちょっと辛い。
F:Marelli S103&S166
アイドリングの安定感は抜群。回した後のブレも最小。
全体的に素直で高回転もそこそこ引っ張れる。
ただし全域でパンチが無くフラット。
パワー感は同じ坂道で同じ回転数からの加速で比較しました。
あくまで体感なので数値の比較ほど正確ではありません。
日常重視ならDかFです。EのシャンクルはウチのC&Bスポーツカムとはあまり相性が良くないのか気難しい印象でアイドリングを出すのも試行錯誤して結局妥協しましたので多少バラつきます。
サーキットではどのようなレイアウトのコースに主眼を置くかによると思いますが、全開率が高いなら高回転重視でいいと思いますがミニサーキットやインフィールドセクションを重視するなら立ち上がり加速重視でシャンクルもアリだと思われます。
TC2000は過去にタイムが良かった時は1コーナー~2ヘア間のインフィールドセクションで稼いだ印象なので最高速が伸びた前回との比較の意味で今回はシャンクルを使ってみようと思います。
もっとも何回もやってるうちにデスビ脱着とアイドル調整を含めても5分前後で出来るようになったのでサーキットでセッティング変更も出来るかもしれません。
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