アラバマ物語　To Kill a Mockingbird

有名なこの映画、1962年製作のアメリカ映画。モノクロ。



今回初めて見たが、アメリカ人の思う「かっこいい、頼れる父親、ヒーロー」像にグレゴリー・ペックが演じるアティカス・フィンチ。スーパーマンのクラークケントに似ているのは、ヒーローのイメージだからか。




アティカス・フィンチは、白人の女性をレイプしたという疑いをかけられた黒人男性トム・ロビンソンの無実を証明するため、裁判に立つ弁護士。アラバマに住む男やもめで、子どもが2人、そのうちの下の女の子の思い出話が、物語のあらまし。



アラバマはここ。アメリカ南部。



題名のモッキングバード：マネシツグミは、名のとおり物まねがうまい鳥だそうだ、日本にはいない。
（http://interesting.world.coocan.jp/hphp/b/kbpc/i/i-0292.htmより引用）
　　
"To Kill a Mockingbird"(マネシツグミを殺す)は、フィンチ弁護士のいうせりふ。

　　＜マネシツグミは絶対に殺すな
　　美しい曲を奏でてくれる優しい鳥だから
　　庭も荒らさないし、納屋に巣も作らない
　　美声で私達の心を慰めてくれる＞



グレゴリー・ペックが演じる弁護士アティカス・フィンチは、確かに兄妹の子どもたちのかっこいい父親であり、勇敢な弁護士だが、そもそも、フィンチ弁護士の子どもの目から見ている本作だがらだろうけど、レイプ裁判に子どもの傍聴があるなんて、おかしな話。



この憎らしい親子がレイプ事件の娘と父親ボブ・ユーエル。

裁判で無実の黒人青年に罪を着せ、その男は逃亡中射殺されてしまう。
その後もフィンチ親子に対して、黒人を弁護したという偏見で、攻撃を仕掛ける父親だが、ハロウインの夜、子どもを襲う。
この父親から子どもを救った青年ブーの好意に対して、保安官は真実を捻じ曲げる。

娘の父親は胸にナイフが刺さり亡くなった状態で発見されたが、保安官は、父親が自分で転んだ際にナイフが刺さったと主張する。

男ブーの不都合な真実（殺人）を隠し、大多数の利益を優先して、うそを採用するということで、決着をつけるのだ。

前半で、事実を明らかにしようと無実の黒人の弁護をする弁護士の立派な行為の話が、後半で、事実を明らかにしないで、違う決着をとる。

レイプ事件の真相もうやむや。そんな保安官もいい加減な男に見える。