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2015年05月10日 イイね!

モンキーのデジタルスピードメーターが作りたい

モンキーのデジタルスピードメーターが作りたいモンキーの車体情報をiPhoneで表示させてやるネタはタコメータの表示まで終わりました。
続々・モンキーとiPhoneをつなげてみた」です。

この自作アプリでの速度表示はiPhoneに搭載されているGPSのデータを表示させています。
GPSを使ったアプリはバッテリーをとても食います。

iPhoneのGPSフレームワークにはそれを考慮して測位の精度などを色々設定できるようになっていて処理の負荷をその使用に応じて調整できるようになっています。

最高の精度にすると確かに反応も良く使用には耐えますが、処理負荷が高くバッテリーの持ちがとても悪いです…。
逆に、精度を落とすとバッテリーの持ちは良いですが、今度は反応が鈍いです。
反応に鈍さは「続々・モンキーとiPhoneをつなげてみた」で紹介している動画の走り始めをみてもらうとわかると思います。

なので〜。
これからは、GPSでの速度計測を廃止して信号でカウントして速度を計算してやろうと考えています。

それを実現するためにこれを買いました。

デイトナの「電気式スピードメーター用変換アダプター(61128)」です。

モンキーはフロントのハブにスピードメーターギアがついており、ケーブルを介してメーターに入力し速度表示しています。
このアダプターはスピードギアからのケーブルをこのセンサーの先端に取り付けると、5Vパルスの電気信号となって出力されるというものです。
「デンスピ」とか呼ばれているセンサーです。ほか、キタコからも同様なものが発売されています。


まずは…、これがどのようなものか車体に取り付けてオシロで測定してみます。


相変わらずモルモットなモンキーです。
フロントをあげて手でフロントタイヤをくるくる回してやると以下のような波形が得られました。

5V弱の意外に素直なパルス信号を吐き出してくれるようです。

それじゃーってことでオシロをつけたまま走ってみました。
ケーブルはとってあるので何キロで走っているかはわかりません…w

波長が揃っていないのがちょっと気になりますが。綺麗な信号です。

時間を縮めて拡大してみます。

4.5Vくらいのパルスがみて取れます。ちょっとノイズが乗っていますが、このくらいの電圧だと特に加工せずにマイコンにつっこめそうです。


あとは、このセンサーがどんなタイミングでパルスを吐き出すかがわかればスピードメーターが作れる…はず。
フロントタイヤを手で10回転回して吐き出すパルスの回数を測定してみました。

10回転を数回測定してみてこのモンキーの仕様ではフロントタイヤ10回転で97〜98パルス吐き出しているのがわかった。

ってことは…。
フロントタイヤ1回転で9.7パルス
このモンキーについているスピードメーターギアのギア比はアクスル側13T・ケーブル側8Tだからギア比1.625
フロントタイヤ1回転でケーブルは1.625回転。

なので、このデンスピのセンサーは…
「ケーブル1回転あたり6パルス」出力している。

さらにフロントタイヤの外周は1.325mだから…
「1パルスあたり135.9mm」進んでいる。

ここまで、わかったので単位時間あたりのパルス数をカウントしてやってこの係数をかけてやれば速度が算出できるはずです。
あくまでもこのモンキーでの計算値当然仕様が変われば計算値も変わります。


これらの結果をもって自作アプリをバージョンアップしてやります。
速度も正確に表示できたら、いろいろな機能をアプリに追加してやろうと思っています。
「燃費計算」させたり「走行ログ」を保存させたり考えればできそうな機能って色々ありそうですね。

最近忙しいので完成はいつのことやら…w
Posted at 2015/05/10 21:01:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 電子回路 | 趣味
2015年04月26日 イイね!

モンキーのデジタルタコメーターを作りたい…(その2)

モンキーのデジタルタコメーターを作りたい…(その2)前回ここで、このアプリに「タコメータ」を追加したく回路を作成しました。

何回か実走してみて特には問題はなかったのですが、高回転(10000rpm)付近で信号パルスが乱れる時がありました。本当に極たまになので使用には問題はないのですが、せっかくなんでもうちょっと回路を作って遊んでみますw

前回回路はピックアップからくる信号を「ローパスフィルター」回路を通して「単安定マルチバイブレーター」でパルス信号を作ってやりました。
基本的には同じやり方でもうちょっと確実に信号が拾えるように工夫してみます。
楽しかったので備忘録…w


まずはピックアップからくる生信号をもう一度測定しておさらい…。

オシロは前回と同様おもちゃオシロ「DSO NANO V3」を使用しています。

正側に+6Vくらい、そして負側に−22Vくらいに大きく振っているのがわかります。
波形前半にはかなりのノイズが乗っかっています。

次に時間を延ばして測定しました。

正側は+5V程度に安定していますが、負側は-10〜-20Vと大きくばらついています。

今回は以下のような順序で回路を考えていきます。
①波形前半のノイズをしっかりとる。
②扱いにくい負側の波形を除去する。
③ノイズ取りで小さくなった波形を増幅する。
④しきい値を高くして、低電圧でのノイズをスルーする。
⑤パルス波形を整える。


んで…。今回考えてみた回路はこれです。


んで…。それを実際に基板を作ってみました。


今回の回路は4部構成になっています。
とりあえずアイドリング時の波形を確認してみます。

まずは前回と同様に最初に「ローパスフィルター」を入れてやります。
今回の回路は抵抗値Rをかなり大きめにしたのでここを通る信号はかなり小さくなると思います。抵抗値Rを半固定抵抗で調整するようにしてフィルターの強さを調整できるようにしました。
これが上の順序①。

ローパスフィルター」の最後に「ダイオードクランプ」をGNDに接続しているので負側の波形は無くなるはず…。
これが上の順序②。

アイドリング時に抵抗値R=100kΩの回路を通った波形は以下です。

正側に+2.2V程度となっておりかなり小さくなっています。
負側はクランプによってほとんどなくなっています。


次はこの小さくなった波形を増幅してやります。今回は2本の抵抗とオペアンプを使った「非反転増幅回路」で増幅しました。この回路の抵抗値1kΩと2kΩだと3倍の増幅となります。オペアンプは微小の信号を増幅するのには扱いやすい単電源でフルスイングするオペアンプを使用しました。2回路入りのオペアンプです。
これが上の順序③。

この回路を通った波形はこんなんです。

正側2.2Vの3倍で+6.6V。電源を0V-5Vとしているんで+5Vまでフルスイングしています(実際には5Vまでは微妙にいかないはず…)。


ここまでで信号がはっきりしてきました。おそらくこの状態でもマイコンなどに突っ込んで処理できると思います。
でも、今回はさらに踏み込んで「しきい値(=ON-OFFが反応する境)」を高めに決めてやってGNDあたりで発生するノイズをスルーしてやります。前段階で使用したオペアンプのもう1回路分を使って「比較回路」という回路を組んでやります。この回路だと3.4Vをしきい値として3.4Vを越えると「ON」、3.4Vを下回ると「OFF」が出力されます。
これが上の順序④。

この回路を通ると…。

この回路を通ると波形は反転します。
大分パルス信号っぽくなってきました。


そして最後の仕上げに前回でも組んだ「単安定マルチバイブレーター」を組んでやります。前回同様に時定数は1.1msecで設定しました。
これが上の順序⑤。

この回路も波形は反転するので、前段階で反転した波形は元に戻ります。
この回路が最終波形を生成します。

思惑通り1.1msecの幅を持ったパルス信号が無事出来上がりました。

時間を延ばして測定してみます。

波長が25msecなんで2400rpmですな。


と…。ここまでは前回の回路でも同じ波形を生成することができています。
今回の回路では組んだ後でも波形を測定できるようにちょっと工夫をしています。

図の赤丸の所とGND間を測定すると走りながらでも要所を測定できるようにしています。

持っているオシロが小さいので走りながら波形測定っていうのも可能w

測定したい波形は…、エンジン回転を上げた時に…。
①「ローパスフィルター」後にどんな波形になっているか?
②その波形が「非反転増幅回路」後にどのように増幅されているか?
③後は「単安定マルチバイブレーター」後の最終波形が正常に回転数を刻んでいるか?

が知りたいかな…。


ちっちゃいオシロを車載して走ってきましたw


測定は大体8,000rpm〜9,000rpmくらいの時かな…?
このオシロは1chしかないので同時に複数の波形を計ることができません。

まずは、「ローパスフィルター」後の波形。
入力の抵抗値は100kΩの時です。

振幅が2.0V以下となりかなり小さくなっているのがわかります。
もうちょっとフィルターの抵抗値を小さくして感度を上げた方がいいかも…。
前回の試作回路はこの後で直接「単安定マルチバイブレーター」に入力していたのでGND付近の波を拾った可能性が高い。


次に、「非反転増幅回路」後のh波形。

アイドリング時に比べ波の幅がかなり細くなっています。
ソースの電圧が低くなったので5Vギリギリでスイングしています。
このくらいあれば3.4Vのしきい値で十分反応するでしょう。


最後に、「単安定マルチバイブレーター」後の波形を測定してみました。

回転を変化させても波の幅は時定数の通り1.1msec付近で安定したパルスを出力してくれています。


ちょっと、時間を延ばして測定をしてみました。

山の数を数えて秒数を計算すると大まかに4山で30msecだから…。
0.0075sec/山となる。ということは…。
60sec / 0.0075sec = 8,000rpmとなる。
とても良い数値ですね♪

タコメータのためのパルス発生器は完成したっぽい…♪

後は、これをマイコンでカウントしてやってBluetoothでiPhoneに飛ばしちゃいます。
iPhoneアプリはまだ開発中でもう少しで出来上がる。
今考えている画面はこんな感じ…。


さて、まともに動くか…?
Posted at 2015/04/26 09:23:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | バイク | 趣味
2015年04月06日 イイね!

モンキーのデジタルタコメーターを作りたい…(その1)

モンキーのデジタルタコメーターを作りたい…(その1)ホンダモンキーのいじりネタ「続・モンキーとiPhoneをつなげてみた」で多くの車体情報をiPhoneに表示させてみました。
なかなかうまくいっています。

その表示情報の中でどうしても「タコメータ」を表示させたくて今回色々実験をしてみました。
ちょっと手こずったので備忘録…。


クルマなどはECUから「回転数信号」が大概出ているのでそこから信号をとれば簡単に実装できそうですが、モンキーのような4stミニにはそんなコンピューターは付いていません。回転数を得るためにはなんらかの信号をマイコンで読み取れる形で作ってやる必要があります。
配線図を眺めて今回は一番手軽で加工しやすそうな「ピックアップコイル」から「CDI」への信号を拾ってみました。


4stミニなどの小さなバイクのほとんどはクランク1回転あたり1回のプラグを点火しています。
本来の4サイクルのプラグ点火は「圧縮工程」と「燃焼工程」の上死点あたりで点火をしているけどこの手の小さな排気量のバイクは「排気工程」と「吸気行程」の上死点あたりでも点火をしています。
これは多分構造が簡単になるのが理由と思う…。


だから、「ピックアップコイル」後の信号を拾うとその回数がそのまま回転数となる…はず。


そこで、「ピックアップコイル」後の信号を加工していくわけだけど、波形の加工にはどうしても「オシロスコープ」が必要となる。んで、我が家にはとてもチープなオシロスコープがあります。「DSO NANO V3」というやつです。

多分中華製で1万円くらいの安いオシロです。
1CHしか波形を読み取れないし、細かい周波数も読み取れない…。でも素人がバイクの回転数を読み取るくらいの低周波数の測定で使うにしては必要にして十分。
すごく小さいし、波形をCSV形式で出力できてEXCELなどで加工もできる、BMPでの波形保存もできる。なかなか侮れないおもちゃオシロです。


そのオシロでまずアイドリング時の「ピックアップコイル」からの生の波形を測定してみました。

生データ測定の時は、どんな波形かわからないので20kΩ-10kΩの分圧した1/3の電圧波形となっています。

正側・負側に大きく振っています。波長は約33msecで30Hzなので1800rpm。武川のタコメーターの値と一致します。やはりこの波形は使えそうです。


時間を短くして測定した波形がこれ。

正側の最初に「ノイズ」が見て取れます。あとは素直な波形となっています。


でも、このままでは到底マイコンへ直接突っ込めないのでこの波形を加工していきます。
んで、今回考えた回路がこれです。

この回路は大きく3つに分かれています。

まずは「RCローパスフィルター」と呼ばれるフィルターです。これで入ってくる高周波数ノイズを除去してやります。

次に「ダイオードクランプ」を入れてます。入力に過大な電圧が掛かった場合この部分で次のICへの保護を行ってやります。

最後に「単安定マルチバイブレーター」を入れてやります。ここで入力のアナログ信号をマイコンで読めるようにデジタルパルスっぽく変換してやります。アナログ波形をパルスに変換するやり方は色々な方法があるけど今回は手元にタイマ555が余っていたのでこの回路でやってみます。

ここまでやれば、マイコンに突っ込める信号になる…はず。

この仮回路をブレッドボードに組んでやって。
最初に、「RCローパスフィルター」の抵抗値と容量値を決めるために実験をしてみました。

C容量を0.01μFに固定してRの抵抗値を変化させてその波形を測定してみました。
R=10kΩでC=0.01μFの「ローパスフィルター」時の「ダイオードクランプ」後のアイドリング時の波形…


ダイオードをグランドラインにクランプしているので負側への波形は抑えられています。電源側にも一応ダイオードクランプしているので5Vにクランプしていますが、もともと5V以上振っていないので波形に変化は見られません。
ローパスフィルターによって波形前半のノイズが小さくなっているのがわかります。振幅は約-0.5〜5.0Vになってます。

次に、R=35kΩでのC=0.01μFの「ローパスフィルター」時の「ダイオードクランプ」後のアイドリング時の波形…

抵抗値を上げると低周波数も通しにくくなるので振幅も下がってきます。振幅は約0.5〜4.0V。前半のノイズはほぼなくなりました。

じゃ、ってことでR=60kΩでC=0.01μFの「ローパスフィルター」時の「ダイオードクランプ」後のアイドリング時の波形…

振幅は約-0.5〜3.3Vになりやはり振幅は下がってます。前半のノイズはほぼなくなりました。

ついでに…。R=100kΩでC=0.01μFの「ローパスフィルター」時の「ダイオードクランプ」後の波形…

振幅は約-0.5〜2.5Vになりました。前半のノイズもなくなっています。


こうしてみると、ローパスフィルターのコンデンサC=0.01μFの時は、100kΩ付近では2.5Vまで振幅が下がってきており回転を上げた時(=周波数が上がる)これよりもまだ下がると思われる。次の回路へ「タイマ555」へのしきい値をしっかりON−OFFできるかわかんないので振幅が3V以上得られる30〜60kΩ付近の抵抗値を使ってみることにする。


次に「単安定マルチバイブレーター」の回路…。
ローパスフィルターで作った波形をこの回路に突っ込んでみる。
この回路は、H信号が入力されると電圧を上げて出力し抵抗とコンデンサで設定した時間だけ電圧を上げ続け時間が来たらOFFにする回路のはず…です。
アウトプットはON−OFFが反対になるので最後にトランジスタで反転しました。

綺麗に0〜5Vの振幅のパルス波形が得られています。
パルス幅は、コンデンサを1μF、抵抗値を1kΩを使用しているので時定数は約1.1msecに設定してあります。
ほぼ設定通りのパルス幅となっています。
綺麗なパルス信号が出来上がりました。これなら安心して(?)マイコンへ突っ込めます。

オシロの時間を長くして測定してみました。

波長は約33msecで30Hzなので1800rpm。最初に測った値と同じです。

なんとか、波形の加工はできたみたいです。あとは「続・モンキーとiPhoneをつなげてみた」で作ったプログラムに時間あたりのこの波形回数を数えてiPhoneに表示させてみましょう。今はこんな感じを考えています…。

iPhoneアプリの作成はまた今度時間のあるときにでもゆっくり作ります。


今回の実験はアイドリング時だけの測定です。ちょっとは回転数を上げて観察してみたけど波長も変化して正常に読み取れそうです。
住んでいる住宅街ではやかましい音のモンキーの回転数を上げるのは無理です…w
アイドリングでの測定が精一杯。高回転時どんなノイズが出るかわからないけど次は回路を組んでみて実走して確かめてみます。
Posted at 2015/04/09 04:48:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 電子回路 | 趣味
2015年01月31日 イイね!

KSR110いじり(その4)

KSR110いじり(その4)KSR110のエンジン組付けの続き…。

今回は「腰上」(ピストン・シリンダー・ヘッド周り)の組み付けと車体にエンジンを取り付けてキャブ調整まで行います。

今回の腰上は、シリンダ+ヘッドを社外品に交換します。
いろいろ調べてパーツをチョイスしましたが、KSR用の部品ってモンキーほど種類がないんですよね。

結局今回も「武川」一色になっちゃいました…。


まずは、「シリンダ」周りから…。
自分のモンキーに装着したモノと同じシリーズの「武川 スカットシリンダ」です。


相変わらずピストンは大口径!
そして、スカート部分がない…。
これを見るといつも大丈夫?って不安になります。



まずはピストンに「ピストンリング」を組付け、「コネクティングロッド」にピストンを取り付けます。
「サークリップ」がクランクケースに入らないようにウエスなどで蓋をして作業をします。入ったらもう一度組み直しです…。

この辺りの作業には、初期始動に向け「エンジンオイル」をたっぷりつけながら組んでいきます。
「ピストンピン」や「コネクティングロッド」などの力のかかる箇所には「モリブデングリス」をつけていきます。


「シリンダ」の内壁にもオイルを塗ってピストンを挿入します。



次は「シリンダヘッド」を組付けていきます。
「シリンダヘッド」もやはり武川製で「Super head + R」です。
今回取り付けるタイプは「吸気1バルブ」・「排気1バルブ」の2バルブのヘッドです。
ちなみに、モンキーには4バルブのヘッドが付いています。当方メカ好きなんで4バルブを付けましたが普通に走る分には2バルブで十分でしょ。



このヘッドには「ロッカーアーム」と「カム山」との摺動部にベアリングが入っていてフリクション低減が見込まれる構造となっています。これがお気に入りでいつもこのヘッドを買ってしまう。
すごく高いんだけど…。



ヘッドの組み付けは純正部品を多用するので、純正ヘッドから部品を取り外しながら確実に組付けていきます。



エンジン本体に組付けます。当たり前のことですが、締付けトルク管理をしっかりと…。

やっと形なってきました。



このキットはデコンプ付きのヘッドです。カムスプロケットを組むときに「デコンプ」機構も一緒に組付けます。
大排気量になると圧縮圧力が大きくなるのでキックによる始動が重くなります。キック位置を考えないでキック始動するとひどいケッチンを食らいます。打撲必至…w

ちなみに、デコンプ機構とは、キック始動時に圧縮工程の時に圧縮圧力をちょいと逃がしてやってキックの力をキック力を小さくしてやるモノです。

自分のモンキーもデコンプ付きなんでこのありがたさは良くわかっています。



あとは、バルブクリアランスを調整して(シクネスゲージが錆びていた…)組み付け終了です。



車体に組み付けて、キャブとマフラーを取り付けます。
キャブは「VM26」です。
こいつは個人的にセッティングが出しやすいので好きです。少々のエンジン変更してもそこそこ走ってくれます。

でもこのキャブは、「スロー系」や「ニードル系」を変更すると特性変化は現れるけど、なぜかメインジェットをいくら変えてもあまり変化が見られない不思議なキャブ…。
こんなのだからセッティングが出しやすいと感じるのか…?
所有者さんはこのバイクで通勤使用するみたいなので純正エアクリーナーを取り付けました。



リアブレーキペダル回り・チェーン周り・外装周りを組付けします。
これで完成です!



いよいよエンジン始動です。
いつもそうだけど…。エンジンを全バラして組んだ時の始動は緊張しますね。
エンジン周りをもう一度チェックして…、オイルを入れて…、プラグを外してキックでクランキングを数回してオイルを回してやります…。


エンジン始動…!
「キック」「キック」「キック」…
3回キックくらいで無事かかりました。
成功みたいです。


しばらくは組み付け時塗りたくったエンジンオイルで白煙吐きますが、しばらくすると消えます。
純正エアクリーナーが付いているんで音は静かです。
十分な暖気を行い試走しました。

やはり、このキャブはポン付けでもスローをちょっといじるだけでそこそこ走ってくれます。
慣らしなんで上まで回せませんが、ボアアップはトルクがハンパないです。乗りやすい。やっぱり良いバイク…。楽しいです。

結局キャブ調整は、純正エアクリーナー仕様で、「パイロットジェット」は工場出荷状態。「エアスクリュー」をチョイ開け(薄く)。中域のニードルを1段階薄め。高域は慣らしで回せないんで後日。でもこのキャブは多分このままでいけるはず…。
低中域での繋がりはいいみたい。

ちなみに、純正エアクリーナーを取っ払って下の写真みたいにキノコ型の「エアフィルター」も持っているんで試しに取り付けてみました。
音は爆音になりいくら調整しても低域トルクはスカスカになりました。街乗りには吸気から排気まで抜けが良すぎるんでしょう。
多分こっちの方が上は回るんで楽しいんでしょうが、音が爆音なんで所有者さんNGでしょう…。



約1.5ヶ月かけて修理をしたKSR110がまた元気になって復活しました。
エンジンの全バラは久しぶりで楽しませてもらいました。
モンキーなどの「ホンダ横型」と作りは一緒ですが、やはり排気量は倍以上なので作りはしっかりしていました。
バイクの乗り味もモンキーの10インチに比べ12インチのタイヤはやはり安定感が違います。

ベース車両としては楽しいの一言です。
やはり手放すんじゃなかったか…?
Posted at 2015/02/08 08:04:55 | コメント(1) | トラックバック(0) | バイク | 趣味
2015年01月24日 イイね!

KSR110いじり(その3)

KSR110いじり(その3)エンジンブローしたKSR110の修理、ここここの続きです。

今回は、腰下の組み付けを行います。
大きな作業の流れとしては、「クランクシャフト」の圧入、「トランスミッション」の組み付け、「シフト外部機構」の組み付け、「クラッチ」「フライホイール」の組み付けとなります。

腰下は、機構が複雑で組み立ての中でも一番気を使う作業となります。
クランクケースは一度組んだら気軽にバラせるものではないので…。
モンキーの時もそうでしたが、腰下組み立ては特に慎重に行う必要があります。

やはり、そんな時に強い見方はこれ…

整備書です。このバイクの前ユーザーであったのでいじるために新車購入時これも買ってました。
各部品の「摩耗限界」や「締め付けトルク」「組み付け順番」も細かに書いてあるので手元にあると心強いです。
特にクランクケースへのボルトの締め付けは相手がアルミなのでオーバートルクでボルト締付けを行うと簡単にタップがダメになります。
トルク管理は必須です。

再組み付け時に必要な純正部品は最低限買っておきました…。

KSRのクランクケースのガスケットは紙でなく液体ガスケットを使用するので「液体ガスケット」。
オイルパイプのバンジョーボルトについてる「銅ワッシャ」。
トランスミッションのアウトプットシャフトの「オイルシール」。
シフトシャフトの「オイルシール」。
バラしたときに右クランクケースのアウトプットシャフトベアリングを回してみるとコリコリ感があったのでそこの「ベアリング」。

カワサキホームページの純正パーツページはとても充実しておりこのような細かな部品もすぐに検索することができ注文もできます。とても優秀です。


まず右クランクケースのトランスミッションのアウトプットシャフトを支えるコリコリ感のあるベアリング交換をします。

本当はここでも「ベアリングプーラー」などの特工(特殊工具)なるものでベアリングを抜き差しするのが本当なのですが、持っていません…。
クランクケースに入っているベアリングは外輪支持なので外輪に力を加え抜き差しを行わなければなりません。
今回は、ソケットレンチの「ソケット」を使って抜き差しを行いました。
手元にあった24mmのソケットが外輪にぴったりで、ソケットを外輪にあわせプラハンでたたき抜き差しします。軽い力で抜けたり挿入できると思います。強い力でたたくとクランクケースにキズが入ったりカジってしまうので軽い力でトントンとまっすぐと地道に…。


今回は、新品の「クランクシャフト」に交換します。

前回の作業でクランクケースから古いクランクシャフトは抜いていますので新品のクランクAssyをクランクケースに挿入してやります。
このエンジンはモンキーと違い、クランクシャフトベアリングとクランクケースはインローで圧入されているので簡単には挿入できません。クランクシャフトを打撃するのは厳禁だし、無理やり入れるとキズ・かじりが発生してしまいます。
サービスマニュアルには「プレスを使って…」とサラッと書いてありますが、そんなものはありません。

今回やったやり方は、まずクランクケースをストーブ前で暖めてやりました。
一方のクランクシャフトはこの1月の寒空に放置し冷やしています。

こうすることで部品間の温度差でクランクケースは「膨張」となり、クランクシャフトのベアリングは「収縮」となります、クリアランスを増やして圧入させるやり方です。
部品間の膨張率を利用してクリアランスを確保し圧入する工業用語では「焼きばめ」って呼ばれています。

作業時は雪が降っていたんでクランクシャフトはキンキンに冷えて収縮してると思う。
クランクケース側は、ストーブの熱なんでほとんど膨張してないと思う…。
結局は「焼きばめ」もどきです。気持ちの問題…w

以上で準備した「クランクシャフト」と「クランクケース」を「クランクシャフトインストーラー」という特工を使用して挿入してやります。

純正のKSRは遠心クラッチで1次側の遠心クラッチがクランクシャフトに直付けしてあるためにシャフトが妙に長いです…。持っていた「クランクシャフトインストーラー」では長さが足らなかったため、ホームセンターで買った塩ビのパイプのジョイントを下にかませて使用しました。
部品をセットしセンターのボルトを締め付けるとジワジワとクランクケースにシャフトが入っていってくれます。そんなに力は要らないはずです。

入りました…。



次は、「ミッション」を組んでいきます。
今回組むミッションは、「タケガワ 5速クロスミッション」です。

純正のKSRは「アップ4速」のギアパターンとなっています。
いろんなバイク乗っていていきなりこれに乗ると戸惑うんですよね。
今回のこのキットをつけると「ダウン1速・アップ4速」の5速となり普通のバイクのギアパターンとなります。
このキットは単純に1速ギアが増えるのでクランクケースにギア逃がしが必要になってきます。それは前回のバラシで加工済です。


キットの説明書とサービスマニュアルを照らせあわしながら組んでいきます。
子部品も結構あるのでここは慎重に…。



この先は、クランクケースを閉めるので忘れ物はないか最終チェックを行い、左クランクケースを閉めてやります。
クランクケースのあわせ面は紙ガスケットでなく「液体ガスケット」の仕様となっています。
組み合わせ面の洗浄し脱脂して液体ガスケットを塗布してやります。

ここは、サービスマニュアル通りに左クランクケースをプラハンでたたきクランクケースを合わせてやります。
クランクケースの組み付けボルトはサービスマニュアルでは「締付け順番」「締付けトルク」「ネジロック剤」の塗布ボルトなど事細かに記載されているので間違いなく確実に締めていきます。

組み合わせ後、クランクシャフト・トランスミッションのドライブシャフト・アプトプットシャフトがスムーズに回転するか確認します。
多分ポン付けで組むと左右のケースのセンターがあっておらず、クランクシャフトは回転が渋くなっていると思うので写真の矢印の部分をプラハンでたたくと馴染みが出てケースの芯だしが行え、クランクシャフトがスムーズに回るようになると思います。


あとは「キックスターター」「シフト外部機構」をマニュアル通りに組んでやります。

組み終わると、シフトペダルを仮組みしてギアがシフトされるか確認します。
ちゃんとダウン1・アップ4のシフトがされていることを確認できました。


クランクケースのシリンダスタッドボルトの取り付けタップがあまり良くなかったのでリタップしておきました。


左側に「カムチェーン」とテンショナーガイド諸々を組んで、「フライホイール」を取り付けて…。


右側は「オイルポンプ」「ドリブンギア」「クラッチ」を取り付けて…。

このエンジンは、新車購入時に1次側クラッチ(遠心クラッチ)は取っ払ってレバー式油圧クラッチに変えています。
なので、クランクに重量物のクラッチが付いていません。これによってレスポンスは良くなったけど、下のトルクがスカスカになる傾向にあります。

キャブのスロー系でごまかせる範囲ですけど…。


これで一応「腰下」完成です♪
構造は何回もバラシを行っている、モンキーやカブなどの「ホンダ横型」とほぼ同じですが、ちょっとKSRの方が難易度が高いです(特工使用箇所が多い)。
だけど細かい部品のつくりもしっかりしている。ベースエンジンとしてはやはりいい素材。
所詮モンキーは50ccですからね〜。
Posted at 2015/01/24 06:38:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | バイク | 日記

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