仕事をを終え実験号の暖機をしながら、トム君に連絡しないといけないと思いながら携帯端末を見ると着信履歴と留守電がその主は満艦号の艦長より。珍しいなぁこんな時間にしかも留守電までと思い電話を掛けると。。。
今現在、数合峠の下りた所にいるのだけど、右のリアタイアが変な方向を向いているのです。とSOSの電話だったのです。
??? ぶつかりましたか?
今最後のヘアピンを過ぎたら振動が出て丁度あったタバコ屋の前に入って止まり確認しました。
ナットは何個あります?スタッドボルトは生きてますか?
あ!ダメです
今すぐトラックで行きますので安全を確保して待っていてください。
と言う感じで楽しい夜が始まったのであります。直ぐに何時のも自動車へ急行し事情を話して積載車をチャーターし今後の作業のことなどを軽く打ち合わせして現場ヘ急行しました。
燃料は1/3程。この位置だと40L程あるので200kmは走りますとの事だったので最寄インターから国道41号線まで高速に乗り時間を稼ぎます。まてまてやはり山道を走るので少し足しておくかと20L程追加で給油し、2人分のコーヒーと兵站を買い現場へ向かいました。
途中道すがら状況を想像していましたが、ふと嫌な予感が頭をよぎります。もし本当にスタッドボルトが一本しか無かったら積載車にも積むことが出来ない。急いでいてフロアジャッキと自分の工具袋を積んでこなかったので向こうでの応急処置が出来ない。
色々と考えていてふと思いついたのがY60.5化に伴い保管しているデフロック用のドライブシャフトとハブアッセンが有る事でした。LSD用のデフ玉に使えるだろうか?と工場長に連絡を取り長さの確認を行ったところそんなに長さの差は無いのではないか? 一説によると一緒と言う話も。と情報を得ます。
今回は要するにタイアを取り付けることが出来ればよいので極端な話、長ければ短い方を取り付けタイアのみ転がせる状態にすれば良いと判断しました。現場へ到着すると右のリアタイアが嫌な方向を向いている満艦号を発見。
積載車を後ろに停め、国道の通行車両に出来るだけ注意喚起を行う様に明かり等を付け、三角停止版を置き状況の確認を行いました。 見ての通り緊急で停車した為白線ギリギリで危険な場所です。しかし確かに動かす事をためらう状況です。
右リアハブの様子を確認すると本当に首の皮一枚で止まっている感じで1本のスタッドボルト、バックプレート、センターの凸部分とホイル内面の凹凸で支えている状態です。
ダメだこりゃ(爆
へたに動かせないしこの一本がれるとタイアでボディーを突き上げるか、積載物の重量を考えるとゴロンと道路側に転がる可能性も。また横を通る大型車の風圧で折れた瞬間に接触の可能性も否定できません。
とにかく一刻も早く荷重を抜くことが先決で車載のジャッキで荷重を抜きホイルをきちんを装着し出来るだけディスク面に密着させるも、このホイルはこのサファリのハブにきちっと合わずに隙間が有るのですね。こう言うのを見ると純正オニギリとかきちんとしたホイルの座りの良さを感じます。
ナットが緩んで偏芯が生じ一気に荷重が掛って破断したのでしょう。非常に考えさせられます。
ホーシングの下からジャッキで支えタイアを設置させ、万が一の為にスペアタイアを入れ、フロントハブを強制ロックし4Hにギアを入れハンドルを路外に切り空地へ走る様にしてハザード点灯させ三角停止板を置き故障中の張り紙を書いて商店の方に再度状況と今後の作業予定等をお伝えして一旦山を下り仕切り直しです。
山を下りる前に今現在ある工具を確認し出来る作業を調べます。ドライブシャフトを交換する方針で決めたので、まずキャリパーとハブの固定ナットが緩むかを確認します。キャリパーは19mmでハブは17mmです。ラチェットセットでこれらが緩むか確認するとOKでしたのでドライブシャフトの交換は出来ます。工具類は実験号を置いた自動車屋まで行かずに済みます。
山を下りてドライブシャフト2本、フロアジャッキ、ハンマー等を積み込んで再度現場へ急行です。
現場へ到着したらまずフロアジャッキで荷重を確実に抜いて貰う間に、僕は安全の確保に向かいます。三角停止板の設置、トラックの配置と照明の点灯、反射ベストの着用、自光式誘導棒をトラックの荷台最後尾道路側に点灯固定。
作業場所の確保の為に歩道の奥へ満艦号の移動を試みます。後方の通行車両の有無確認しながらこういったジャッキ配置で押しますが然程動かす事が出来ません。前方にウインチのアンカーを探すにも適当な物が無いのでやはり押すしかないです。
そこで次に考えたのがリアのみ横方向へずらす事です。ハイリフトジャッキでと言いたいところですが、ハブボルトの数を考えるとNG(爆 デフセンターを持ち上げて二人でジャッキを引き、車両を押す工程を繰り返し何とかこの位置までずらしました。
御大に手元の照明と後方確認、通行車両接近時の声掛け及び照明を振り注意喚起を担当願い作業開始です。捩子一個なので直ぐにタイアは外れます(笑
あれまとしか言いようのない景色でホント首の皮一枚。しかも最後の一本も曲がっていて限界でした。これを見ると本当に噛まし物は怖いですね。またホイルもいい加減な物は同様でそれなりの物を使わねばと痛感。
今回の最大の原因はおそらくスタッドレス交換を依頼したGSのホイルナット締め付けトルク不足から起因する緩み、それに派生してホイルの座るの悪さから来る走行時の偏芯、ヘアピンカーブでの荷重に依り一気に破断と考えます。
大型車が後ろ走り抜ける中キャリパーを外してローターを外そうにもいつも使うボルトが無いので外れません。バックプレートの切欠きからハンマーで叩くにもどうも埒が明かないのでこのままドライブシャフト・ハブアッセンで引き抜きその状態で再度トライすることにしました。
17mmのナットを外しハンマーでハブを叩きながら固着を取りシャフトを引き抜きます。この辺りはもう何時もの簡単な作業です。ただデフオイル臭が鼻に突き刺さるだけです。
取りに行ったデフロック用のドライブシャフトとLSD用のシャフトの長さを比べてどれを使用するか考えます。
ロックナットの面から先端までの長さを計測してみました。
LSD用が695mm
デフロック用が695-700mm
要するにタイアが付けばいいのでデフロック用のシャフトを取り付けたところ特に問題なくホーシングに装着可能でした。ただでデフキャリア側でどうなっているかは判りませんが積載車に乗せる際と車屋まで運ぶ際に踏ん張ってくれればいいので良いでしょう。とにかくハブを17mmのナットで固定してしまいます。
先ほどのドライブシャフトをローター側を下にしてハンマーで軽く叩きローターを外すことに成功。キャリパーを復旧させてタイアを取り付けました。
撤収作業の合間に右リアハブの状況を確認します。スプラインを傷めないようにまず保護してからスタート。
この一本とセンターの凸部分とバックプレートで支えていたことが判ります。もし?と思う事が沢山あり怪我もこの他の物損も無かった事に運が良かったと思うしかありません。
この方向からでは見にくいですが、ボルトは伸び山も潰れ曲り破断寸前でした。これが折れていたら。。。
ローターの部分で完全にせん断されています。最終カーブが右カーブで右後輪は遠心力でタイアは外側に引っ張られる感じでこれらボルトの頭を弾き飛ばしていったのでしょう。走行距離は9万キロ台。積載はしていますが激しいクロカン等はそんなにしません。スペーサー等を噛ましてマイナスオフセット、大径タイアでクロカンをする人はこの現実を良く見て頂きたいと思います。
ナットは他の3本から1個づつ外して4個で留め、広場まで徐行で移動しました。
漸くお迎えのトラックの荷台に乗せる事が出来ます。この時点で時刻は1時前。
積載完了し出発したのが1時20分ごろ。丁度定期便等が走っていない時間帯だったのでゆっくりと国道を下る事が出来ました。
とこのような感じでのお楽しみタイムでした。今回話していたのが早々にこのホイルは止めてハブにぴったりくるホイルに変更する事。リアのスタッドボルトは両方とも全て交換する事。ガソリンスタンド等でタイア交換はしない事。また必ず自分で確認する事。
今回はたまたま一人で偶然が重なりこの様に笑い話で済みましたが、これ一つ間違えると大惨事になる重大事項です。この点は決して忘れてはいけないと思います。こういった事もありうると車両の点検整備の重要性を痛感した出来事でした。
ドライブシャフトの予備が有ってよかった♪
【追記 2016.1.8】
後日談ですが翌日若社長と話していたら「ぐらい堂さんそれ重整備ですよ(笑。 僕だったらどうするかなぁ。板と丸太とジャッキを積んで行ってウインチで引っ張り上げる。それが無理そうでしたら田んぼに落ちたのと同じでレッカーを呼びますね。」との事でした。
御大も安全・安心の為にこのホイルは直ぐに破棄して純正の金テッチンに履き替え、左右ともスタッドボルトを打ち換え、ナットの新調をする方向で進んでおります。
本文中にも書きましたが奇跡的にスタッドボルトのみの破損で済んだのでこの様に笑い話で済み記事としてあげる事が出来ましたが、ボディーに損害が出たり、物損事故、人身事故になればこの記事以前に新聞の記事になったでしょう。
今回は純正サイズのタイアでホイルも一般的な物でガソリンスタンドでのタイア交換などごく普通の状況。また走行距離も極端に少ない車です。何処にでもありそうな普通の状態ですから特殊ケースではありません。
まぁシャフトの現地交換は特殊ですけど(爆
偶然かもしれませんがここのところサファリで立て続けにナットの緩みの問題が発生し若社長と話していて過去ランクルを含め多くの車両を見てきたがこういったケースは無く驚いている。改めて規定トルク管理の大切さを痛感しているがサファリは構造的にスタッドボルトに負担が掛りやすいのだろうか?とも。
Y60,61含め生産からの時間と走行距離を考えるとスタッドボルトは早めに打ち換えてあげる方がこの車両には良いのではないかと言う気がしています。
皆さんもぜひご一考頂ければと思います。
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ターボぐらい堂日記 | 日記
Posted at
2016/01/07 11:45:28