雨上がりの松山祭りを準優勝で締めくくるまではよかったものの、翌日から始まるよさこい祭りは前夜祭の中止どころか開催まで危ぶまれる程の天候であった。何せ相手は台風であり、しかも今度の台風11号は四国に直撃というのだからこればかりは運に任せるしかない。困ったことに天気で良い兆候は全く見られず、私が帰省する際には四国は完全に土砂降り模様。出発地に近い愛媛県の東温市(松山道川内IC)から50km/h規制が出る程の大雨で視界不良なのだから、四国山地の南側でピーカンの天気を望めるはずもない。案の定高知道に差し掛かり笹ヶ峰トンネル(愛媛と高知の県境)を抜けると、晴天とは無縁の暴風雨であり、特に穴内川を超えるとフィットには耐え難い視界となる。せめてコンプレッサーは乗用車サイズにしてもらいたいと切に願うシーンであった。
どっと疲れが溜まりながら帰路に着き、テレビを点けると土佐の夏の行く先を憂う声が聞こえる。「たかが1つの祭りにそんなに憂う必要があるのか?」という意見もあるだろう。「たかが1つの祭り」と考えればその意見も強ち間違いではないが、高知県にとってのよさこい祭りが「たかが1つの祭り」だけでなく重要な観光資源である事も重要な事実である。交通機関のみならず、旅館・ホテルにとっても重要な時期となるのだが既に台風の影響でキャンセルが相次いでおり気を揉む事態である。
こうした事情から過去一度も開催の中止がない土佐の夏の代名詞も、今回ばかりは例外である。結局夜遅くに開催されることが決定したが、JR土讃線が土砂流入による不通状態であり飛行機も飛ばないのだから被害は既に出ている。まあしかし、開催が決定したのだからとりあえず一安心である。
開催が決まったところで私はある決断を下した。それは「飛び入り参加」でよさこい祭りに「踊り子」として参加、という無謀にも思えるものであった。「いい加減野球拳踊りで体を酷使しちゅうに、体を壊す気かね。」という呆れた口調の反応が返ってくるかと思いきや、大学生時代からの悲願をわかっている親からは非難の声はなかった。一体なぜか。
実はこの飛び入り参加可能な「高知市民憲章」というチーム、参加の負担が非常に軽いことで有名である。当日の14;30に集合して2時間程練習をして、主要3演舞場(高知城追手筋,帯屋町アーケード,中央公園)を踊るだけという気軽っぷり。他の県内チームは練習を週3回以上行いスケジュールの拘束もあって、県外からの参加は現実的に荷が重い。特に今回のように天候不順のパターンとなると尚更その負荷は高い。
その代わり衣装は断然正式参加チームの方が上であるが、世の中「選ぶことは捨てること」で成り立っている。今回はよさこい参加初心者という事もあり、また体力を考慮して負荷の低い方を選ぶことにした。

「やる」と公言したからには後には引けない。私にとっての本番を控えた前日、つまり帰省翌日に早速よさこいには欠かせない「鳴子」を購入する。折角のお祭り事、少しだけ派手なものを選んだ。
因みにホットバージョンの最新号も漏れなく購入。詳細は言えないが、今号には注文がたくさんあるのが本音である。
当日になり、晴天である喜びを噛みしめながら早めに追手筋へと車を疾らせる。父の情報通り、案外駐車場は空いていたので苦労せず足を運ぶ。

ワクワクしながら当日を迎えると、なんとまあ「よさこい日和」の天候であろうか。例年に比べ涼しいとはいえ、南国・土佐の「がいな」日差しに変わりはない。
台風による風評被害が関係しているのか年に1度の大祭典にもかかわらず道のりはスムーズであり、当初の予定時間よりも早く着いたので暫し踊り子の熱気をエネルギーとしてもらうことにした。
思いの外長くなったので、続きはまた今度にしよう。
Posted at 2014/08/13 21:02:54 | |
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踊る夏シリーズ | 日記