早くもバルセロナで観光できるのはこの日で最後、この日は郊外のサーキットへF1プレシーズンテストを観戦に行きました。
前日より早めに起床して朝食を済ませ、7:30頃ホテルを出発。前日につかったFabra i Pug駅とは逆方向のSant Andreu Comtalという駅に向かい、近郊鉄道?Renfeに乗ってMontmeloという街へ向かいます。
広い幹線道路を横断して住宅街を通って駅へ向かうのですが、その住宅街の入り口あたり、この時人通りは少なかったけどどうもおし○こ臭い…。たぶん、ですが飲み屋らしき看板があったことから思うに夜は酔っぱらいが多いのかな?なんとなく治安がよろしくなさそうな、不安な気持ちになってカメラを取り出せなかったのですが、少し狭い道の住宅街はそれはそれで雰囲気があって良かったです。今回はいけなかったけど、ゴシック地区とか旧市街もやっぱり観に行ってみたかったな。それにしても家と家がキチキチに並んでて、なんだ日本の住宅事情だって悪くないじゃないか、と思えてくる。
そんな住宅街を歩いてそろそろ駅、という時に目に飛び込んできた光景。
Sant Andreu駅前の寺院 。Plaça Orfilaというのかな?日本語で紹介されているところが見つからないのだけど…タイミングが良かったのか、この寺院と青空とのコントラストがくっきりしていて、自分の目で今見ているのに「合成?」と思ってしまうような、そんな不思議な見え方がした。写真をその見え方に近づけたくて調整してみたけど、なかなか上手くいきません。正直に言えば、今回の旅で見た建造物のなかで一番感動したのがこれ。前日にみたサグラダ・ファミリアよりも神々しいものを感じた。
駅はこじんまりとしていたけれど、警察犬をつれた警官が数人居て、もしかして治安よくない?と少し警戒してホームへ向かうと地元民らしきおっちゃんが
「バルセロナの街へ行くならむこうのホームだよ。」
と声をかけてくれた。Montmelo!と答えると、それならこっちでOK、というように片手を上げて答えてくれた。このやりとりのおかげで少し安心出来た。
電車に乗って約15分、Montmeloの街へ到着。駅からサーキットまでは歩いて約40分くらいかかったかな?看板に沿って歩いて…という事前情報があったのだけど、あんまり看板は多くない。先に調べておかなかった厳しかったと思う。周りに同じようにサーキットに向かう人が居れば、ついて行くのが良いかも。僕らも途中でロシア人らしき数人と、「こっちで良いんだよね?」みたいな話をした。
穏やかな雰囲気の街だな、と思いながら歩いている道中、シャッターをこじ開けられ、ガラスを割って侵入された様子のお店に遭遇。ちょうどそこに店員らしき男性が白いトライアンフで出勤してきて、こじ開けられたシャッターを前にヘルメットをかぶったまま「えらいことになっとるやん・・・。」みたいになってた。気の毒だ。
そんなこんなでたどり着いたサーキットの周りには桜が植えられていて、少しだけ開花が始まっていた。
ネットで入場券を含むサーキットツアーを申し込んできていたので印刷したチケットを見せ、荷物チェックを受けて入場。まずは既に開始されていた走行をグランドスタンドで眺める。
グランドスタンドの陰になってメインストレートに、マシンからの火花が目立つ。迫力が減った、という声も多いエキゾーストノートは以前のものとは違っているけど音量も結構あって迫力は十分だと思う。久しぶりの生のF1マシンに思わず顔がにやけてしまう。
注目のマクラーレン・ホンダはチェックランかな?コースインして一周、そのままピットイン。前回テストではコースインの際に盛大に白煙を吹きながら発進していたようだけど、そんなことはなく一安心。
いったん観戦を中断して10時からサーキットツアーへ。これは一人€70(入場券込)と少しお高いけれども普段は見学出来ないような、コントロール室、アナウンス室、プレスルーム、表彰台、パドック裏の見学が出来るツアー。ガイドさんは英語とスペイン語で案内してくれた。写真撮影ができないエリアも多かったけれどもかなり充実した内容で満足。表彰台にも乗った(笑)。パドック裏の豪華なホスピタリティエリアでパパ・ロズベルグに遭遇。
ツアーを終えて再びグランドスタンドに戻ってくると小雨が。ちょうどお昼だし、スタンド裏の屋台でホットドッグでも買って食べますか…と移動。きちんと並ぶという概念がないのか、なんとなくごちゃっと並んだ列に加わると右前に見覚えのある人が…同行の先輩とともに、「そんなはずは…」という風に数秒間黙り込んでしまったけど「・・・Nさん?」と声をかけた。まさか、申し合わせた訳でもないのに会社の先輩にバルセロナサーキットの屋台で出会うことになるとは…!
お互いびっくりしながら、せっかくなのでこの日はここから3人で行動することに。ちなみにホットドッグは美味しくなかった。スペインで食べた、唯一美味しくなかった食事だった。Nさんの食べた同じお店のベーコンサンドは美味しかったらしい。ハンバーガーも美味しそうだった。あっちにしたら良かった。
午後になると天気も回復して、コースを歩いて回っていろんなところで観戦と写真撮影。レースの時も、指定席より自由席チケットでサーキット中歩き回るのが好きです。F1レース本番だとそうもいかないけど、テストなら人出も少ないし、スタンドも入り放題だし、自由です。
サーキット内はずっと実況?アナウンスが流れているけどスペイン語なので全くわからない。名前の読み方が結構違ってて、ザウバーはサウエルって呼ばれてた。印象的だったのはキミ・ライコネンの呼び方が
キ い
ミ い・ルルルララ
ライッコネン んー
みたいな力はいった巻き舌だったこと(笑)
しかし、待てども来るのはザウバーとウィリアムズばかり。他チームはテストらしく断続的な走行。この日走行予定のないフォース・インディアは仕方ないとして午前中は精力的に走っていたメルセデスAMGがまったく見当たらないし、なによりマクラーレンは…?
ぐるっとサーキットを一周して戻ってきたグランドスタンドからマクラーレンのピットをみたら、シャッターも降りてて走る気配なし。せっかく来たのに、観れたのは朝のあの一周だけか…。
走行は17:00までかな?と思っていたら予想外に18:00まであって、最後グランドスタンドではたっぷり各チームの走行を観ることが出来たのですが・・・。
もう今年のF1も開幕するのでいよいよ結果として出てくる訳ですが…今回テスト観戦に行って、結局マクラーレン・ホンダの走行シーンをほとんど観れなかった残念な気持ちで思ったこと。
きっとシーズンが始まれば、いつになるかはわからないけど少なくとも「それなり」の結果は出て来ることでしょう。そうなれば「ほら、シーズン前いろいろ言われてたけど、なんとかなったでしょう。」ということに落ち着いてくると思う。既に他のPUサプライヤーからは「去年うちらだって苦労した。ホンダはこの時期にしてはうまくやってる。」なんてコメントが出ているという報道もある。
でも。当初、他メーカーから1年遅れての参戦に懸念が示されていたような、本来あったであろうアドバンテージは結局活かせなかったとうことは確定してしまったんだなぁ、と。
テスト制限だとか色々制約が厳しい現代、一年遅れで参戦してくるホンダはその一年をテストと改良に費やしていきなり競争力を発揮して来るはず、と警戒されていたはずなのに、結果的に他メーカーが一年前に苦労したことをそのまま一年後に繰り返してしまった、それは確かだったと思う。
やっぱり昔、初めて意識したF1がセナの乗るマクラーレン・ホンダだった身からしてみれば期待が自然と沸き上がって来るんだけど、それだけに、この日ほとんど走行シーンが観られなかったのは残念だった。
夕方6時で走行は終わり、その時間が近づいてきた頃、マクラーレンピット前で急になにやら準備が始まりマシンがピットロードに出され、ピット作業の練習が始まった。
陽が落ちて行くなかのタイヤ交換練習、ちょっと寂し気な雰囲気。
そしてナットが噛み込んだ風?上手くいってない感じだった。
ダメなときは何をやってもダメ、ということで無ければ良いが…。
ピット練習をしばらく眺めて、周りの観客も少なくなってきたし帰ることに。
再びmontmeloの駅まで歩いて、RenfeでSant Andreu Comtalへ戻る。そこから地下鉄でPasseig de Graciaに。まずはカサ・パトリョの夜景を見学。
そして今日もランプラス通りへ。昨日とは違うお店だけど、今日も通りに出ているテント張りのお店へ。
イカ墨パエリアとピザ、このあとパスタも。
この日の食事も美味しかった。食べ終わるのは10時近くになってしまい、店じまいも始まった頃、お会計をお願いしたらウェイターのお兄さんが急に少し強い口調になって警告してくれた。
「ここの通りは人通りも多くて、たくさんの人が君らがお金やiPhone、カメラを持っていることを見てる。きちんと仕舞って、気をつけて帰らないと危ないよ。」
今思えば少し気が緩んでいたかな?それか、ウェイターのお兄さんなりに、誰か怪しい人でも見かけたのか。その強い口調に少し驚いたけど、ありがたい警告だったんだと思う。
カタルーニャ広場の駅まで歩いて地下鉄でホテルまで。宿までは同じでなかったNさんは途中の駅でお別れ。気をつけて観光楽しんできてくださいね、と。
我々二人は無事ホテルまで戻り、疲れからか半分寝ているような状態でとにかくシャワーと荷物のパッキングを済ませて明日の早朝出発に備えて就寝したのでした…。
--The Chemical Brothers "Setting Sun"--
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