はじめに
愛の音を奏でるにあたって、協力していただいた、
山野楽器、ジャズピアニスト、杉本ゆみ先生
ならびに、スタッフの皆さま
音喫茶、一乗、荒木眞理様
ならびに、ご主人様
本当にありがとうございました。
時は、2017年冬、、、
豊洲のクリスマスデート仕込みの帰りに思っていた。
左サイドに写る東京の夜景とベイブリッジがそう思わせたのか?
はたまた、闇に吸い込まれそうな東京湾がそう感じさせたのか?
人は忘れていく生き物、
きっと10年後、20年後、今日と言う日を忘れるんだろうな、、、と。
そして、今年の始めにこんな風に思う。
はっきりと覚えてなくていい!
何か心に残ることをしたいと、、、
2018年、夏、、、山野楽器にいた。
前置きが、長くなってしまったが、ここからがデートの概要である。
デート当日、三日前に洗車した車が少し汚れていたので、
洗車シートで取り除き、車を走らせる。
何時ものように、待ち合わせ時間10分前には着いていた。
『パシャ』
(写真)
車の写真を撮り、愛する娘を待っている。
1分.2分、、、時は待ち合わせ時間を過ぎていた。
その過ぎた時間がどれ程長く感じたのだろう?
久しぶりに会う、愛娘。
何か良からぬことが起きてなければいいのだが、、、頭の中をよぎった。
『すーん』
見覚えのある青い車がこっちに向かい走ってくる。
と、同時に胸の鼓動が高まる。
『ガチャ』
その車のスライドドアが開いた瞬間に衝撃を受けた!!
愛娘は、マスクをしていて、咳をしている。
風邪をひいてしまったようだ。
風邪をひいてしまったことを、攻めても仕方ない。
それでも、今日と言う日に会ってくれることに感謝すべき。
ブラックFRIDAYに走った道を、なぞる。
横では一生懸命にゲームをしてる娘。
(写真)
感じてくれてるのだろうか?
聴覚ではジャズな音楽、嗅覚ではダンディーな香水、そして視覚にブラックレーベルのスーツで身にまとい、髪の毛は、パーマルックなおとん。
きっとそんなことは、娘にとってはどうでもよいのかもしれない。
今日の道はやけに空いてる。五十日であるにも関わらず空いていて、開店10分以上前に着いてしまった。
二人で映画館前のソファーに腰かけて、今日の事、冬休みの事を話をする。
『冬休み、雪見に行こうか?』
『始まる前にトイレに行っておこうか?』
おもむろにトイレに行く前、保険会社の執事の羊パネルに目が行く。
『なんか、おとんみたいだね』
笑いが飛び交う。
その後イメージキャラクターの佐藤健がスーツを着ていたパネルもあったので、そこも弄ってみたが、今日の外の寒さくらい冷たい対応だった。
『ピンポーン』
遂に開店のアナウンスがなり、開店前にいた大勢の客がどっとエスカレーターにひしめき合っていた。
その人波に飲み込まれぬよう、娘と手を繋ぎ歩いた。
(写真)
『ギュッ』
実際には、そんな音はなっていないのだが、あたかもその音が聞こえているようであった。
いつまで、手を繋いで歩けるのだろう、、、
頭の片隅に少し浮かびながら、向かった先は
「チーム、ラボ、学ぶ!未来の遊園地、ららぽーとふじみ野」
で、ある。
この場所は昔、娘が行きたいと言ってた場所なのだが、あまりに近く、あまりに家庭的だったの躊躇していた。
自分は普段させてあげられない、あげられなかった事をしたあげたいのだが、今回この場所を選んだのは、デートの最後にとってあるサプライズの布石である。
勘違いしてほしくないのは、この場所ももちろん素敵な場所であること。
大人も子供も楽しめる空間だった。
先ずははしゃいでる姿をご覧になってほしい。
(動画)
(写真)
やはり、子供である。(笑)
そして、何よりもこの姿が癒しであり、愛しい。
!
風邪をひいてるので無茶は禁物。
なるべく、身体を酷使するのは避け、二人で並んでお絵かきをした。
このお絵かきのおもしろい点は、書いた作品がペーパークラフトになったり、映像として写し出されるところだ。
(写真)
何より注目すべき点は、二人が書いた作品の色の配色がとても似ている点である。
(写真)
流石は親子だ。と、心の中で思い、口では
『あー!真似したなー!』
茶化してみる。
(写真)
そうこうしているうちに時刻は、お昼前になっていた。
ショッピングモールによくある光景、レストランフロアーで席案内までにしばらく外の椅子で待ってる姿。
正直、それは避けたいので空いていて直ぐ入れるイタリアンのお店にした。
娘の口から
『マルゲリータ』と言う言葉が出てきたことに、
驚きと成長の嬉しさを感じた。
結局、風邪ひいていたからか食欲はなく、ピザを二切れしか食べなかった。珍しくオレンジジュースも残していた。
(写真)
プチデザートにきたティラミスを、娘にも一口食べさせてみたが、
珈琲の味がすると、顔を曇らせた。
その後、若い女性店員がお皿を下げにきたので、
『ティラミス、珈琲の味がする~』とお茶らけてみると
娘と店員さんの笑いを誘った。
笑いは万病に効くというのは本当だろうか?
食事後は少しだけゲームセンターのUFOキャッチャーをし、、、少し?実際は中々取れないのにむきになって1700円くらい使って取ったことだけは、内緒にしたい。
再び、チームラボに戻ってきた。
身体に気を使い、運動になるようなことはなるべく避けた。
それでも、遊びたいのか、身体を動かそうとする。
まだ2時前ではあったが疲れているのが感じとれたので、
大事をとり、娘の好きな果物、イチゴをお土産に買って喫茶店でケーキ食べて帰ることにした。
喫茶店に行く前に必ずすることがある。
1.トイレに行かせる。
2.トイレ内で音喫茶に電話する。
この任務を忘れてはならない。
『ぷるるるるるー』
電話のコールがスタートの合図だ。
ナビをセットし、向かったのだか前回下見の際に示した道と違ってた。
『まだー?』
娘は車が進まない感じに退屈を覚えていたが、自分は娘をなだめて冷静を装った。
そして、目的地に到着。
駐車場から少し歩いた所にお店があり、歩数が増える度に胸の鼓動も増えていき、
打ち合わせ予定通りの席に着くころには、緊張していた。
緊張ばかりしていても仕方ないので先生が言っていた
「冬なので指が本人が思ってる以上動かないからホッカイロで温めておくといいよ」
をテーブル下で遂行!
向こうからメニューを持って店員さんが「いらっしゃいませ~」
勿論、店員さんもグルである。なんならお店も貸切である。
「イチゴのショートケーキ、オレンジジュース、チーズケーキにコーヒーください」
言葉だけ並べると、カタコトの日本語みたいだが、この注文も前フリの大事な事。
そして、、、一息つく。
『いたたた、ちょっとお腹痛いからトイレに行ってくる』
始まりだ!
トイレの引き戸を開け閉めし、店員さんにあらかじめ置いといてもらった衣装に急いで着替える。
『いてっー!』
着替えが終わるころにわざと大きめな声で叫ぶ。
一方、お店側では店員さんが「大丈夫かしら」と少しアドリブをいれてくれ、お店の照明を落とす。
お店に流れていた音楽も消え、店内は静寂に包まれていた。
『がらがらがらー』
引き戸が開くと、そこにはプレゼントを持ち、ポケットにサンタさんを抱えたトナカイがいた。
(カーテンLEDとツリーLED ON)
(ジョンレノン ハッピークリスマスの音楽流れる)
『MerryChristmas~』と言う前に娘は分かっていたのか、
『おとん、やっぱり~』と言ってくる始末。
(写真)
それでも、満面の笑みを浮かべ恥ずかしそうに、でも嬉しそうにする娘。
この瞬間が止まれば良いのに~、そんな乙女チックなことを思いつつ袋に入れてあるプレゼントを渡す。
1つは、娘の欲しがっていたジェラトニーのぬいぐるみ、もう1つはおそろ?になるようなブルーレーベルのバック。
まあプレゼントはもう一つ用意してある。
左腕を差だし赤いボタンを押させる。
『押してみて』
すると人形があたかも動き出したかのような動きでピアノの前に座った。
(先ほどのLED OFF)
(ジョンレノン ハッピークリスマスの音楽消す)
(雪が降ってるようなミラーボール、音に反応する雪の結晶ライト ON)
(ピアノの方に向けたスポットライト ON)
(動画)
※このブログの最大の見せ場です。
※4か月間の集大成をご覧下さい。
※予行練習時のヤツです。
※「ドレミ」も分からないところから始めました。
(写真)
(カーテンLEDとツリーLED ON)
一礼をし、その場を去っていくトナカイ、、、何者だったのだろう?
(全てのLED OFF)
『がらがらがらー』
まだ、サプライズは終わっていない。急いで元のスーツに着替え直し、
袋に入れてトイレの小さな窓から外に投げる。
実はこれもこの後予想される娘の行動を先回りしての事である。
お店側は照明が元に戻り、いつも通りの音楽が流れ営業を再開している。
『がらがらがらー』
気絶してた体で何事も無かったように席に戻り、なぜかサンタさんのぬいぐるみとトナカイのぬいぐるみがトイレに置いてあったよと言う。
『あれれー?どうしたの~プレゼント?』
名探偵コナンばりの嘘の装いをする。
(写真)
やはり、娘はこのタイミングで2回もトイレに行く。予想どおりだ。
帰ってくると必ず不思議そうな顔をしていた。
そして、何度も「どうして衣装がないの?」と聞いてきたが、答えは教えず、夢を守った。
ここでも店員さんがグルで、先ほどの投げた着替えの入ったバックを回収してくれる。
このタイミングで先ほど頼んだケーキが来て、しばしプレゼントとケーキを楽しむ。
(写真)
『おとんってピアノ弾けるんだね♪』
その言葉がふと娘の口から出た時、胸の中がいっぱいになった。
いや決して、ピザを結局一人で食べ、ケーキも1/3以上は娘の残り食べたからではない。
口にするのは恥ずかしいが、これまでピアノ向き合って努力してきたことが、
無駄ではなかった、そして何より娘に奏でられたのだと思えた。
毎日ピアノを弾いては、自分の才能に嘆き、頭を壁に打ちつけ、時には和音の音を減らしてもらったこともある。
それでも諦めず頑張ってきたことが、きっと娘の口を動かしてくれたのだ。
と少し大袈裟に書いてみる。
「ありがとうございました」
二人はお店を後にした。
そして、トランクに入れていたジェラトニーのパペットのプレゼントを
お父さんからだよと強調し渡した。
娘はサプライズからか、このプレゼントが良かったからかルンルンである。
時間軸が押すかも知れないと面会時間を長めにとってもらっていたので、まだ時間に余裕があったから自分ちに行くことにした。
帰りの車内は、お祭り騒ぎである。
風邪をひいてることなんて、忘れたのかのようにお祭り騒ぎである。
車のシフトノブに左腕を添えてる所をパペットが騒いでるのである。
(写真)
『うるさーい、ぶしこん!』っとツッコミをいれたのだが、
油を注いだように、更にお祭り騒ぎである。
そんなお祭り騒ぎのまま、おうちに到着。
うちの愛猫と戯れたり、屋根裏部屋にいったり、トレーニング部屋で遊ぶ。
(写真)
少しすると飽きたのか、YouTubeが見たいとなりスマホで見させる。二人は寄り添ってコタツに足だけ入れてマッタリ過ごす。
すると自然に娘の方は胸元に頭を近づけてきて腕胸枕状態と化してきた。
このまま眠れば良いのに、と思ってたら自分の方が爆睡してしまった。緊張や心配が解き放されて気が抜けてしまったのだろう。
、、、時は16時40分
辺りはすっかり暗くなっていた。
そろそろ、この素敵な時間も終わる。
『行こうか』
普通の言葉ではあるが、残酷で現実的な言葉である。
(写真)
娘はゲームをしていたが、別れの時はどこか寂しそうだった。
『ばいばい』
こうして、クリスマスデートは終わりを告げた。
、、、
それでもきっと娘の心に今日も愛の音は鳴り続けるはず、
明日も、明後日も、遠い未来、10年後ですら
そう信じてる。
明日、愛の音、奏でる
長い文章、乱文も多々あったとは思いますが、
最後にこんな詞を載せて終わりにします。
「
I want to show you everything I see, the way I'm feeling
I need to be with you tonight, to hold your arms around me
My love for you is deeper than the deepest snows of winter
The greatest gift I ever had was you.
MerryChristmas to Miyu
」
え?
ドリカムのwintersongじゃねーか?って
そーだよー
ミユちゃん♡
またね