6月19日に発売された新型コペン、「コペンローブ」(写真:黄色の車)の試乗に行ってきました。
CVT車でオープンドライブとクローズドドライブ、マニュアル車でもクローズドドライブしてきました。
第一印象は「ゴツクなったなぁ」。
丸目の「ウルトラマン」から角目の「ウルトラセブン」に変わったような感じ。
それと試乗車が黄色かったのとウェッジシェイプ、黒い屋根が「ホンダ・ビート」みたい、でした。
もちろん新型だけあっていいところもたくさんあります。
<キーの閉じ込め防止>
コペンは(初代から)屋根の電動開閉機構を利用して、トランクの開閉も電動です。
これはいいのですが、車のキーをトランクの中に入れて閉めてしまうと、
トランクが開きません。
ドアを施錠していなければ、車内から開けることもできますが、施錠していると・・・。
それが解消されたようです。
なんと、新型ではトランクにキーを入れたままだとトランクが閉まらないように
ガードしているんだとか。これ初代コペンでも欲しいくらい。欲しいなぁ。
<高い剛性>
新型コペンのコンセプトの一つが、外板の着せ替え機構。
このためか、核となるフレームの剛性が高まっている様子。
まだ新車だから、というのもありますが、クローズドで走っても「ガタピシ」しません。
<燃費の向上>
新型コペンの燃費はCVT車で25.2km/L(マニュアル車は22.2km/L)。これはエンジンを新型の3気筒エンジンに変えたことに加え、CVT車では最近ではおなじみの「アイドリングストップ」機構がついていることもあります。
実際にCVT車に乗ってみると、エンジンが温まっていないうちは、アイドリングストップは動作しないのですが、1kmも走ると信号待ちでエンジンが止まりました。
ブレーキから足をはなすか、逆にブレーキを強く踏むと、エンジン再始動。
ブレーキオンで再始動するのは、あらかじめエンジンをかけておきたい場合に対処するためだそうです。
エンジンが停止している最中は、エアコンが送風だけになるとか、燃費と引き換えにガマンする事もでてくるので、アイドリングストップは設定でオフにすることもできるようです。
<シフトフィーリング>
マニュアル車はシンクロがきいていて、どのギアに入れる場合でも「入りにくい」という事はありませんでした。
自分が今乗ってるコペンはATなので、初代との比較ができないのですが、他のスポーツカーでいえば、マツダロードスターに近い感触でした。
ホンダビートはシフトも楽しい車でしたが、シフトノブがやや小さく軽く、入れた感触が「ゴリッ」ではなく「サクッ」「スコッ」といった感じ。
RX-7(FD3S)は、ややシフトが入りづらく、特に2足に入れるのは苦労しました。
トヨタスプリンタートレノ(AE92)や日産シルビア(S13)は、クセはないけどシフトも長めで、スポーツカーというより、やや乗用車的な感じもしました。
ロードスターはシフトの長さ、大きさはいかにもスポーツカーといった感じで、シフトの入り方はやや「ゴリッ」と入る感じ。入れづらくはないです。
新型のCVT車のシフトノブはガングリップ型。初代のAT車はジョイスティック型(ゲーセンのレバーみたいなやつ)でした。ガングリップ型も重さは感じませんでしたし、夏はシフトノブが熱くて握れないこともあったので、この方が良いのかも。自分はジョイスティック方が好きですが。
「+・-」でシフトチェンジも試してみました。
CVT車でもシフトダウンで十分な減速は得られました。ただ、初代のようにシフトダウンで回転計ががーっとあがって「いかにも」な感じはなく、ひたすら滑らか。刺激が少なくて「+・-」を使わなくなっちゃうかも。
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一方で、初代の「コストがかかっても良いものを!」というとこまではいけない点もチラホラ見えました。
<塗装>
確認はしてませんが、塗装は一般的な軽自動車のソレ、といった感じ。
初代は5層コートで軽自動車にありがちな、ペラペラ、テカテカ感はありませんでした。
<屋根等の素材>
初代はボンネット、屋根、エンジンブロックなど、そこらじゅうにアルミを使ってましたが、
新型では屋根などは樹脂。いわゆるプラスティック的な感じ。
現行(3代目)ロードスターも樹脂屋根なので、一概に新型コペンが安っぽいというわけではないのですが、同じくアルミを使っていたNSXやRX-7のようなオーラを感じたい気もしました。
<内装>
自分の乗ってる初代コペンは2ndアニバーサリーエディションなので、単純比較できませんが、ステアリングは乗用車っぽい感じ。
グローブボックスやセンターコンソールボックスもサイズが3分の2くらいになってます。
あと、コストダウンの影響ではないけど、オーディオは標準ではラジオもつかないどころか、後付オーディオを入れるスペースもないです。入れるためには専用のカバー(1万6千円もする)をつけて、その中に取り付けるしかありません。
でもスピーカーだけは最初からついてます。
純正以外使わせないぞ!という現れでしょうか?
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色々と書きましたが、それでも2代目が出たのは嬉しい限り。
ビートもカプチーノもAZ-1もNSXもGTOも2代目にバトンタッチできなかったんだから。
コペンローブは外装チェンジがこれからの目玉になりそう。
これは昔、マツダがAZ-1発売前に。モーターショーで提案していたけど実現せず。
でも今回はメーカーからも初代のような丸目コペンを計画してるようですし、
ご当地コペン、コスプレコペンを作って欲しいという願いから「ローブ」。
今は乗り換えはまだ考えられないけど、そうなったら面白そうですね。