レクサスNXのプレミアムサウンドシステムをベースに何とかシステム構築をしてきてようやくわかってきたこと。
純正のプレミアムサウンドのコンセプトは映画館と同じでどの席に座ってもそれなりの音質で楽しめることを目的としたサラウンドシステムで、カーオーディオマニアが目指すことが多いボーカルが自分の目の前で自分のために歌うといったシステムとは全く異なるものである。 これを「純正はコストをケチってるからダメ!」みたいなわかりやすい言葉で解決てしまうとややこしくなる。
カーオーディオショップとかコーティングショップさんは商売がかかっているのでどうしてもこういったメッセージを投げてしまいがちなのだが・・・
NXのプレミアムサウンドも、特定座席の定位は無視、全座席で広がり感重視のセッティングで、多くのトヨタ車もこの路線だと思う。昔のようにヘッドユニットを交換できれば変更は簡単なのだが、今では純正チューニングから逃れる術は限られている。 カーオーディオショップでは純正チューニングをいったんフラットなものにチューニングし直して、そこから、自分たちの培ったタイムアライメントによるチューニングで音作りをしていく。これを自動でやるようなDSPもあるようだが完成度には限界がありそうだ。 純正音源は捨てさせて、音源をDAPに絞れば話は早いので、音質を求めるとこちらを勧められるであろう。
NXの構造上の課題
レクサスNXではダッシュボードに3個のスピーカーが300Hz以上、ドアスピーカは50Hz ぐらいから10KHzぐらいまでと、ものすごく広い範囲で両方のスピーカーを鳴らしており、これがモヤっと感の大きな要因だ。 多分スピーカーの前面のグリルの音の抜けが悪いのと、2.2KHzあたりに大きなピークが出るようなキャビンの構造に起因していると思う。 スピーカーを交換したり、バックチャンバー付けたり、何をやっても、ボリュームを上げられず撃沈された。 2.2KHzのディップフィルタを挟むことでようやくダッシュボードは落ち着いて、グリル抜きでさらにスッキリしてきた。
タイムアライメント vs APF
音の聞こえる位置を調整するたの、タイムアライメントは疑似的にスピーカーの位置を調整するもので、APF(All Pass Filter)は特定の周波数だけスピーカーの±の接続を入れ替えるような働きをする。 どちらもDSPで処理できるのだが、タイムアライメントはコスト高になるので(最近はそうでもないが)ハイエンドのシステムで使われてきた。 純正オーディオ(ちょっといいやつ)ではAPFが使用されるものが多い。 昔はフェーズシフターなんていうアナログ処理ののAPFが売られていたなぁ~^^; 直感的に理解しにくいのでAPFをサポートした外付けDSPが少ないのは残念だ。
ダッシュボードの攻防
NXのダッシュボードチューニングで特徴的なのは600Hzあたりでセンタースピーカーの位相が反転していることで、ダッシュの左右の位相をセンターの上側、下側かどちらに合わすかで大きく方針が変わってくる。簡単にはセンターを反転させて、左右のレベルを6~8dBぐらい下げると中高音はハンドルの中央に定位するが、中低域に若干のおつりがくるのでそれをどう処理するか。 私はセンターのみにDSPをいれて、APFでなんとかやっつけている。
ドアスピーカー
ドアスピーカも強力なAPFで調整されているのと100~200Hzあたり(ユニットやデッドニングによる)に大きな定在波が出るので、まだま試行錯誤状態だが、なんとか中低域も運転席に定位できている。 ドアスピーカーのグリルも切ってみたいところだが、こちらは下手に切るとサイドガラスの反射が強くなるのは以前の車で経験済みなので我慢中。3wayの場合は切らないほうが良いかもしれない。
ようやくタイムアライメント無しでセンター定位が出てきた。APF独特の定位感が結構自然で気に入ってはいるが、まだまだ先は長そうだ。
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2023/07/17 10:24:37