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前回のブログから1年も空いてしまいました。
718ボクスターが来てから雨天専用みたいになってしまった996号。しかし、前にも書きましたが楽に乗りたい時は996がよいのです。そんな訳で走行距離も少しずつ伸びて昨日で109,000km。

さて、タイロッドエンドをやっと交換しました。待つこと1年、そもそも気になりだしたのは2022年11月のブログでお伝えした、冷却水が漏れたあのワインディングドライブ後からです。

最初に気づいたのは高速道路。どうもハンドルの中立が曖昧な感じでいつもと違う。速度を上げれば上げる程不安定になり、タイヤがふらつく感じで修正を入れたくなる感覚。極端に言えばハンドルの遊びが大きくなった？
気のせいかなとも思ったが、いやいや前はこんなんじゃなかった。ふらついて修正当てるなんて感じはなかったよ、高速域でもぴたーっとしてたから、RRなのに凄いなって思ってたから。で、原因を色々調べてみたら、タイロッドエンドが出てきた。10万キロ走っているから摩耗している可能性があるかも。

よくあるトラブルは、ブーツが破れてグリスが漏れ、砂を挟んでギシギシ、ゴリゴリといった故障が多いようだが、996号はそういう症状はない。とにかく中立がぐにゃっと甘い感じ。ずっと続くのでいつだったか、ディーラーでそのことを伝えて目視と手で剛性を確認してもらったが、異常はないとのこと。えーそうかなーと、なんとなくモヤモヤしながらそのまま乗り続けること9か月。昨年8月に1年点検に出した時に再び診てもらった。今度はメカニックが996号を高速道路も試乗して、それから社員さんの私用車の996、店の代車の996と乗り比べてくれた。しかし、結果はこんなもんではないかとの返答。

しかし、その頃には既に僕はハンドリングが劣化していることに確信を持っていた。なぜなら一般道でもタイヤのふらつきを感じる、ハンドルの応答が半位相ズレている、あるいは轍に嵌った時にハンドルは中立のままでタイヤだけが持っていかれる。もちろん高速道路では怖くて速度を上げられない。

ディーラーではタイロッドの他にステアリングギアボックスの可能性の話しも上がったそうですが、なんせ診断では異常なしだから交換には消極的でした。まあ、1年点検でオイル交換くらいの整備のタイミングだったので、あまり無理は言わずに来年の車検まで待ちます、ということにしました。

そこから待つのがとても長かったー。運転する度にハンドリングがストレスで憂鬱な気分になる。もう絶対タイロッド換えてもらおう！と決意の1年間。「交換後のハンドリングに変化がなくても何の文句もありませんので（去年も同じことを言ってたが）お願いします！」と今回の車検時での交換に至る。因みにステアリングギアボックスも同時に交換の見積りも出してもらったら、部品代が約50万円で車検込み90万とかなり高額。しかし、そもそも1カ所ずつで交換したほうが原因がわかりやすいので、まずはタイロッドエンドのみ交換としました。純正の正式な部品名は Track rod 品番99634713105、左右共用。画像は整備の頁に上げてます。

車検が上がり車を受け取るときに担当者から、「（交換によって）何か違いが出てくるかもしれません。」と、店側は交換後の試乗では変化を感じられなかったように聞かされた。一気に不安になるが、まあ乗ってからと思いディーラーを後に。違いは最初の交差点を曲がった時にすぐに分かった。重い、ハンドルが重い。ただ重いのではなくて剛性感のある重さ。今頃の電動パワステにはない、油圧独特の重みがよりハッキリと伝わってきた。そして何より中立の座りがよい。タイヤが轍に取られると、ハンドルもちゃんと取られたほうに動く（感じる）。「治ってる！」これには感動！しばし路を進み感触を確かめました。「治ってますよー♪」嬉しくて笑いがこみ上げてきた。

やがて赤信号の交差点で止まる。「いやいやちょっと待てよ。」一瞬冷静になる。ここは慌てずに、交換した欲目に改善された気になっているだけではないか？実はあんまり変わってないのかも？と思い、今度は少し冷静に運転を続けました。そしてそのまま高速へ。その結果は、ピタッと落ち着てフラフラしない、しっとりと落ち着いたハンドリング。症状はすっかり治っていました。タイロッドエンド恐るべし。交換したパーツを分解した訳ではありませんが、恐らく走行距離や使い方による摩耗があるのではないかでしょうか。いずれにせよ、以前アーム類を一式換えた時以来の感動です。
それにしてもメカニックの方々はハンドリングの変化になぜ気づかなかったのでしょうか？運転が短時間だから？さっそく試乗の結果を担当者に報告すると、社内で情報を共有しますとの返事をいただきました。

おかげで996号で走ることが再び楽しくなりました。気になるところがひとつ減ってよかったー。走行距離の多いお車で直進性能に不安を感じている方は、タイロッドエンドは一考の価値ありです。

後の懸案はエアコンスポンジか。しかし今年は意外とスポンジ飛び出しが少なくて、そろそろ出尽くした？感じ。今のところ冷暖房も困ってなくて窓が少し曇るくらい。なのでしばらく様子見です。

6月に718ボクスターが来ても、996号は３日以内ペースで通勤や所要に使用しています。その理由は、やはり使用していないと動作部品の劣化があるでしょうし、この世代特有の４日目を過ぎるとリモコンキーで開かなくなるのが面倒なので。


718は非常に痛快な車で、乗って楽しいのは異論がないところですが、あらためて996号に座るとホッとする。その理由を718と比較しながらいくつか考えてみました。


まず718ボクスターは、996と比較すると着座位置が一段と低く、サイドシルを跨ぐ感じで、クローズドの時はまさに乗り込む感じ。ドアのウィンドウシルも高く肘を気軽に乗せられる位置ではない。センターコンソールもシートに近く隙間なし。メーターナセルも非常に近い。右ハンドルのせいか足元幅も全体窮屈で左足はクラッチを踏むたびに左足の外側がセンタートンネル？のカーペットを擦ってしまう。
全体的にタイトで囲まれ感が非常に強く、コックピットの表現が相応しい。オープンにしても、ロールオーバーバーとウィンドディフレクターの存在がルームミラー越しに視界に入り、開放感は僕としては今一つ（昔乗ってたセリカコンパチの開放感はまるで陸上を走るモータボートのようでした…）。


不思議なことに、クローズドではなおさら後部座席がなくて狭い空間であることを常に意識させられる（エンジン停止時でも）。後ろに眼がついているわけでもないのに、その理由をよーく考えてみると…。
それは暗さ、多分室内の暗さにあると思います。996と比べて明らかに暗い。当たり前ですがクォーターガラスがなく後方窓が小さいため、後方からの光量が少なく、狭い空間であることを無意識のうちに自覚させられるのだと思いました。決して息苦しいことはありませんが、タイト感と後方からの圧迫感で要は狭いの一言。


もう一つ挙げれば、996と比べてエアコンの効きが悪い。2ゾーンクライメイトオートエアコンをつけていますが何と言いますか、暑いところと冷たいところがはっきり別れる感じ？吹き出し口からは大変冷たい風が大量に出てきますが、室内が均一に冷える感じではありません。これはコンソールが996と比較して体に近いので、吹き出し口が体に直接あたりやすいからかな？がひとつと、ミッドシップでエンジンの熱が明らかに室内に影響がある感じ、エンジンを止めたとたん、室内の温度上昇が半端ありません。顔面に熱気を感じる感覚は996にはありません。これ決して酷暑のせいではないです。


なので、996は室温全体が冷える感じがありますが、718ボクスターは風が当たっているところだけが冷たい感じで結果、エアコンの効きが悪く感じます。


一方、996に乗り込むとまず高いシートで着座がしやすい。これでも当初は低いなーと思っていたのですが、慣れた今では十分高い着座位置。そして前方のコンソールまでの距離が遠く明るくルーミーな開放感。左ハンドルティプトロなので、足元の空間が広くペダルやフットレストの位置も自然に足が伸びる位置。
そしてティプトロによるイージードライブ。996号、普段の移動には持ってこいの1台であると再認識。


以上、要は996のほうが広くて涼しいだけやないかい！と突っ込まれそうですが、718の側面からみるとこちらも非常に楽しい車であります。まだ距離も乗っていませんのでその感想はまたの機会に。


今週末は996号、ディーラーで定期点検とタイロッドエンドの交換やいくつかの部品を交換予定していますが、タイロッドエンドのこともまた機会があれば書きましょう。


で、タイトルの画像はウィンカーレバー…がまた折れそうな気配です。
過去2016年11月に折れていますが、最近、右折左折後のハンドルを戻す操作時に針金がキーキーなる現象が発生。これ、前に折れる前も起きてた現象で、その後レバーが戻らなくなったり、カチッと止まらなくなりました。
部品代が当時8万4千円くらいだから、今の値段が恐ろしい（泣）。

2023年１月のとある日、オドメーターが10万キロに達した。その時が来ることは知っていたが、特にタイミングを狙ったわけでもなく帰宅途中のいつものコンビニでジャスト表示！いやー感慨深いなー。初めて手にした時はここまで長く乗るとは思わなかった。「ちょっと乗って、次に気になる車が出たら変えようかな。」くらいの気持ちだった。あれから7年目の今、相当壊れて相当治して、しかしおかげで10万キロとは思えないよい乗り味は維持していると思う。ただし、トラブルは常に隣り合わせで先日も…。

ことは昨年の11月、仲間数台でツーリングで他県に足を延ばした山岳路、山頂の駐車場に到着するほんの直前、ルームミラーにエンジンルームから白煙が上がっていることに気づいた。駐車場に入りすぐ停車、エンジンを止めた。降りてエンジンフードを開けると白煙とともに冷却水の甘い匂い。すかさず下をのぞき込むと路面に滴る液体。それは前にも見た光景…。ちょうど5年前の2017年11月に起きたウォーターポンプの破損。「あー終わった、こんな狭い山道の車載も呼べないような山頂で、あー完全に終わったわ。」すっかり落ち込み途方に暮れた。明らかにウォーターポンプ周辺から冷却水が漏れている。
心配してくれている仲間たちとあれこれ事後策について話しながら、ふと見ると路面の滴下が止まっている。そして路上の漏れがほんの僅か滲む程度しか濡れていない。リザーバータンクの液面も正常範囲のままだ。「前とちょっと違う。」今回は事前にペラが割れたカラカラ音はなかった。そもそもウォータポンプは5年前にディーラーで交換修理されている。
仲間の提案でエンジンをかけてみる。しばらく観察していたが、路面に冷却水は落ちてこないし白煙も上がらない。2000回転まで回してみる…、大丈夫。3000回転…、大丈夫。どうも高回転時にポンプ本体から少量の冷却水が漏れているようだと推測された。ここからディーラーまで150km程、そのうち山の下りが50kmであとは高速道路。エンジンは再び止めると大漏れが起きるかもしれないので、ディーラーに着くまではエンジンを止めないことにして、仲間たちと予定通りの帰路についた。ただしゆっくり。
ハラハラしたがその後白煙を見ることなく、山路と高速道路を無事に走り切り、何とかディーラーの営業時間ギリギリに到着。早速見てもらうとポンプに接続されているホースに小さな亀裂が見つかった。高回転で圧が上がると吹き出すようだ。このまま車を預かる提案をされたが、部品もいつ来るかわからないため乗り続けることにした。
そんなウォーターホースに亀裂が入ったままでの10万キロ達成。部品入荷の連絡が来たのはその翌日、2か月近くの待ちでした。
3月に入り桜の開花が伝えられるようになった陽気の中を、今度は20万キロに向けて走り出しています。何事も無かったかのように。ただ先週、ワイパーの付け根部分のフロントガラスの下部を覆っている黒い樹脂の部品（何という名称？）のボルト固定部がちぎれて片側が浮いているのを発見。製造後20年選手、樹脂部品の劣化による割れや肉痩せが色々出てきます。後はエアコンのスポンジ問題が…腰が重いけど、どうしますかねー。

もう夏前のことですが、かねてから長年使っていたドライビンググローブがヤレてきたので、新調したいと思っていました。
それまでのグローブはアルファ147に乗ったと同時に、某イタリア自動車雑貨のお店から通販で購入したものです。アルファロメオのロゴが入り、これは既製品でありながら手に非常にフィットして、15年以上使用していました。今だに穴は開かないものの裏打ち生地はボロボロで、愛着もありましたが新調を決断。であれば、かの有名ブランドCACAZANのグローブ以外に選択肢はありません！何せ同じ県内ですから！

とある土曜日の午後に、直接ファクトリーにお邪魔しました。突然お邪魔したにもかかわらず、社長の出石さんが対応してくれました。新しいものは、既製品の中から今と同じ柄のグローブを選び、試着もばっちりOKで即決。ついでに今まで装着していたグローブを見せて購入の経緯をお話ししたところ、出石さんが「これ、うちで作ったものです。」えっ？私は戸惑いと驚きが同時に出ました。「ほら、ここの素材と造り。これはうちのです。」出石さんはやれたグローブの人差し指部分の外側を指さしました。そこには指の根本から指先部分まで通気孔が開けられた革素材が使われていました。他社の製品にはない特徴だそうです。出石さんは続けました。「当時、まだCACAZANのブランドを立ち上げていないころに、東京の会社からオーダーをいただいて製作したものです。これは羊皮ですが、今はよい羊皮が手に入らないため、鹿革に代わっています。」なるほど、新製品の鹿革はしっとり柔らかいが、素材はやや厚く多少伸縮性が感じられる。一方、今まで使っていた羊皮はとにかく薄くて軽い。伸縮性はあまり感じないが、その軽さからフィット感は抜群によい。どちらの素材も特徴があり優劣つけ難いが、慣れていた羊皮がもう手に入らないことは少し残念に思いました。
出石さんはさらに、新旧グローブの細かな違いを教えてくれました。「新しいものは指先部分が関節部分にかかるように少し伸ばしています。」
左が羊皮製の旧製品（手掌部分を鹿革で補修後）　右が鹿革製の新グローブ

確かに指部分がほんの数ミリであるが長くなっている。なるほど、新グローブはハンドルを握ると伸びた指の部分がより多くハンドルに当たり、滑り難くなっていることに後から気が付きました。私が旧グローブについて、手首部分がマジックテープで非常に使いやすいことを伝えると、「それは単にコストカット目的です。」と以外な答え。なるほど、ボタン式では手間も部品代もかかりますよね。でもマジックテープは素早い脱着と微妙な締め付け調節ができて、僕は気に入っています。

修理された旧グローブ　裏生地も新素材で覆われています。

出石さんから多くの新事実を知り、今まで使っていたグローブの補修もしていただけることになり、今では気分によって新旧グローブを履き替え（地域によっては、はめ替える？）ながら楽しんでいます。
何よりも一番の驚きは、旧グローブを Made in Italy とずっと思いこんで使っていた自分！

初めてしっかり確認しました！
見ていなかったのか俺…。

走行距離は95,000km超、8月初旬に車検に出しました。今回のいちばんの負担？はタイヤ４本交換。銘柄にこだわりはなかったので、何でもよいとお願いをしたところ、出来上がりはピレリPZERO rosso が履かされていました。それまではポテンザでした。早速乗った印象ですが、ハンドルの切り始めがヌルっとした感じで車が曲がらない！まるで氷の上でハンドルを切った感じ。いやいや実際はちゃんと曲がっているのですが、ポテンザは直線中立がどっしりしていて、切り始めにやや力がいる感じだったのに対して、ピレリは最初の応答からトルク感が均一であるために、そう感じるのだと理解しました。また、ロードノイズ等静粛性は明らかに良好で、路面の突き上げも非常に滑らか。ポテンザより大分コンフォートな印象です。降りた後にタイヤをよく眺めると、肩が丸く、接地面も心なしか丸い印象。これがハンドリングの軽快感につながっているのでしょう。また、肩面のトレッドパターンを見ると、大きな溝の間に細い溝が入っています。これはポテンザにはなかったパターンで、おそらく静粛性と乗り心地に寄与しています。コンパウンドも柔らかいのでしょうか？だとすると耐久性はやや心配です。まーそんなに飛ばさない私には性に合っている気がしました。

製造は21年8月頃でしょうか？
タイヤのことばかりを書きましたが、その他の交換部品は点火プラグ、リアブレーキパッド、リアライトのハーネス（これは過去に自分が修理して使用していたが、今回さらっと交換されてしまった）、オイルおよびオイルフィルター交換、エアフィルター交換、エアコンフィルター交換等。一段とリフレッシュしました。

さあ、次なる目標はエアコンのスポンジ問題。これはディーラーも渋い顔をする一方でよい返事がもらえません。ディーラーの説明は要は、ディーラーができる対応は正攻法でダッシュボード等内装を全部外して、再度正規の部品（スポンジが貼ってある例の板）を変えるだけ。費用は30万円程かかる見込みで、数年後に同じトラブルが起きること必発なので、ディーラーとしては非常に心苦しいとのこと。可能であれば他のお付き合いのある整備工場で、他の皆さんがやっている方法で修理していただいたほうが…と言葉を濁していました。

ですよねー、ヒータコアをどけて行くのが良いかと思い、涼しくなったらもう一軒の工場にお願いに上がりましょう！以前軽く相談した時は、ゴルフの修理を同じ方法でしたけど二度とやりたくない、と露骨に嫌な顔をされましたが（笑）