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ジョークールのブログ一覧

2013年11月29日 イイね!

ゲーテの愛した樹

ゲーテの愛した樹Das sind in sich selbst getrennt?       
Sind es zwei, die sich erlesen,
Dass man sie als eines kennt?

       ~Goethe~



これはもともと一枚の葉が
二つに分かれたのでしょうか?
それとも二枚の葉がたがいに相手をみつけて
ひとつになったのでしょうか?




今日はこの年、一番の冷え込みとなりました。
木枯らしも吹き、寒いですね~。
街路を歩いていると、イチョウの葉が風に煽られて空に昇っていくように舞っていました。

イチョウは、「銀杏」、「鴨脚樹」、「公孫樹」と書いたりしますが、
「銀杏」はその実から、「鴨脚樹」はその葉の形から、
そして「公孫樹」は、孫の代に実がなる樹だからそうです。

イチョウは、もともと中国から伝わったのですが、その時代の中国語「鴨脚」(イアチァオ)が
日本に渡った折に「イチョウ」と訛って発音され、
それが今日の「イチョウ」の名前の由来となっているそうです。
しかし、おもしろいのは、イチョウの学名「Ginkgo biloba」。
この「Ginkgo」は、約300年前日本からヨーロッパにイチョウが渡ったとき
「銀杏」を「Ginkjo ぎんぎょう」と読み、それがまた本にされるとき
誤って書き間違え「Ginkgo」となってしまったそうです。
なんか、訛ったり、書き間違えたりで、なんかおかしいですね。

ちなみに「biloba」は、「二つの破片」。
葉が二つに大きく分かれるところからきているそうそうです。

ゲーテは、はるばると東洋から渡った「イチョウ」が自分の庭に植えられたとき
この樹に心癒され、その二つに分れた葉を見、上記の詩を書いたのでしょうね。
ゲーテの故郷ドイツのケルンの植物園に、この詩が書かれた立札があるそうです。
そしてドイツの人々は、日本から伝わったこの「イチョウ」を一際、愛でているそうです。

と、ドイツにいる友達が言っていました(笑)




Posted at 2013/11/29 17:18:47 | コメント(4) | トラックバック(0) | 花便り | 日記
2013年11月07日 イイね!

篝火花

篝火花百人(ももたり)の われにそしりの 火はふるも
ひとりの人の 涙にぞたる 

              ~九条武子~

たとえ百人の人から謗られて、
その火の粉が絶えず降ってこようとも、
たったひとりの人の涙があれば、
私の心はそれで充分満たされるのです。


九条武子は大正を代表する女流歌人です。
ある時、彼女は真っ赤に燃えるような花を見て
「これはまるで篝火のようですね」と言いました。
これを聞いた植物学者として名高い牧野富太郎は、この花を「篝火花」と名づけたそうです。

「篝火花」。
そう、シクラメンの和名です。「篝火草」と書くこともあります。
シクラメンの花が、花屋さんやホームセンターの園芸コーナーにも姿を現しましたね。
この花を見かけると初冬の到来を感じます。
朝晩はめっきり冷えてきました。
風邪ひいてませんか?

赤いシクラメンの花言葉は、「はにかみ」。
ピンクは「恥ずかしがりや」。
白は「嫉妬」。
そして花全般の花言葉として「切ない私の愛を受けてください」と
いうものもあります。
武子はこの花を見て、女性が持つか弱いいじらしさと、その反面として、燃えるような情念を
「篝火」のように咲くこの花に感じたのかもしれませんね。












Posted at 2013/11/07 01:13:57 | コメント(3) | トラックバック(0) | 花便り | 日記
2013年10月04日 イイね!

Cosmos

Cosmosコスモスは、その可憐な姿の中に壮大な宇宙を抱える花。

コスモスは、和名では「秋桜」と書きますが、
英名や学名では、「Cosmos」と表します。
これは宇宙を意味する「Cosmos」と同じ。
というか、そもそものコスモスの名前の由来は、
この宇宙の「Cosmos」です。

原産地のメキシコからヨーロッパに伝わった時、
初めてこの花を見た植物学者が、そのおしべの星の形のその整然たる並びと
外の世界に向かって優雅に広がるその美しい花びらに感銘を受け、
美しく正しい秩序、宇宙を意味する「Cosmos」と名づけたそうです。





中央には星型のおしべが整然と並び、外側のものはまるで星が飛び散っていくようにも見られます。
そして、飛び出したこの星は、花粉となって、それはまた流星のごとく、広がる別の宇宙に
飛んでいくのでしょうね。


コスモスは、宇宙を抱く花。
その花の一つ一つが一つの宇宙としたら、野原に無数に咲き誇るコスモスはまさに無限の宇宙。











Posted at 2013/10/04 02:19:34 | コメント(3) | トラックバック(0) | 花便り | 日記
2013年06月25日 イイね!

梔子

梔子薄月夜 花くちなしの 匂いけり   
            ~正岡子規~

昨晩のスーパームーンは残念ながらこちらでは
見ることができませんでしたが
今夜は雲の間から大きな十六夜の月が。
そして紫陽花のかたまりの中に
ひっそりと梔子の花が咲いていました。

とは言うものの、梔子の花はその匂いで分かりますね。
特に雨に濡れた後は、なまめかしいほどの匂いが。
梔子の匂いが際立つと、梅雨が半分過ぎたと言われています。
昔の人は、この匂いを合図に、来る夏の準備を始めたそうです。

ところで、「梔子の色」は何色か、ご存知ですか?
はい。誰が何と言おうが、白ですよね。
では、「梔子色」は?


白、ではないんですよね。これが。
正解は、「わずかに赤みがかった鈍い黄」なんです。
これは、梔子の実からとれる染料の色です。
なので、「まあ~梔子色の綺麗なお洋服ですね~」ともし言われたら
「え?私、白い服なんて着てないじゃん。これ、黄色系じゃん。」
なんて、間違っても思わないようにね(笑)

山吹の 花色衣 ぬしやたれ 問へど答へず くちなしにして   
                              ~素性法師~



アメリカやイギリスでは、梔子の花は、男性から女性へ贈る花とされています。
ちょっと気取ったデートやダンスパーティーなどに誘うときには、
この花を胸飾りとして贈ったり。
さすがに私はそんなことは、出来ませんでしたが・・・・・(苦笑)

花言葉は、「私は幸せです」 






Posted at 2013/06/25 02:09:20 | コメント(3) | トラックバック(0) | 花便り | 日記
2013年05月11日 イイね!

ポピーもしくは雛罌粟、あるいは虞美人草

ポピーもしくは雛罌粟、あるいは虞美人草ポピー

和名・・・・雛罌粟(ひなげし)
スペイン名・・・・アマポーラ、  
フランス名・・・・コクリコ
別名・・・・麗春花(れいしゅんか)、虞美人草(ぐびじんそう)、

花言葉は
「恋の予感」「いたわり」「陽気で優しい」「思いやり」

5月の花としては、ポピーもその一つですね。
花言葉も、愛らしいものばかり。
もちろん、見た目も。野原に色とりどりのポピーが咲いてる姿は、かわいいものです。
麗春花なんて、まさに春うらら。
映画のタイトルにもなっていますね。
「 From Up On Poppy Hill 」。そう。ジブリの「コクリコ坂から」。


がっ!
このポピー、けっこう情熱的、かつ、激情的な花でもあるんです。


与謝野晶子の歌に、

ああ皐月 仏蘭西の野は火の色す 君も雛罌粟(こくりこ) われも雛罌粟 (こくりこ)

というものがあります。
これは愛する夫をフランスに尋ねたとき、野原一面に咲くポピーを見て歌った夫婦愛の歌です。
愛らしい、かわいい、というイメージよりもむしろ、燃えるような情熱を感じさせます。


さらに、別名、虞美人草の由来となった中国の「十八史略」項羽と劉邦の物語で、
項羽の美しい妻、虞、の最後、自ら喉を斯き切った時に流れた赤い血から
咲いた花がこの花、虞美人草とも言われています。


そして、極めつけが、夏目漱石の「虞美人草」。
主人公の藤尾さんが、虞美人草なのかは別として、けっこう、怖い話となっています。
以下、結末を抜粋。


「藤尾さん、これが小野さんの妻君だ」
藤尾の表情は忽然として憎悪となった。憎悪はしだいに嫉妬となった。
嫉妬の最も深く刻み込まれた時、ぴたりと化石した。
「まだ妻君じゃない。ないが早晩妻君になる人だ。五年前からの約束だそうだ」
小夜子は泣き腫らした眼を俯せたまま、細い首を下げる。藤尾は白い拳を握ったまま、動かない。

「わたしを侮辱する気ですね」
化石した表情の裏で急に血管が破裂した。紫色の血は再度の怒を満面に注ぐ。

「宗近君の云うところは一々本当です。これは私の未来の妻に違ありません。」
藤尾の表情は三たび変った。破裂した血管の血は真白に吸収されて、
侮蔑の色のみが深刻に残った。仮面の形は急に崩れる。
「ホホホホ」

歇私的里性の笑は窓外の雨を衝いて高く迸った。
同時に握る拳を厚板の奥に差し込む途端にぬらぬらと長い鎖を引き出した。
深紅の尾は怪しき光を帯びて、右へ左へ揺く。
「じゃ、これはあなたには不用なんですね。ようござんす。
――宗近さん、あなたに上げましょう。さあ」

白い手は腕をあらわに、すらりと延びた。
時計は赭黒い宗近君の掌に確と落ちた。宗近君は一歩を煖炉に近く大股に開いた。
やっと云う掛声と共に赭黒い拳が空に躍る。時計は大理石の角で砕けた。
「藤尾さん、僕は時計が欲しいために、こんな酔興な邪魔をしたんじゃない。
僕は人の思をかけた女が欲しいから、こんな悪戯をしたんじゃない。
こう壊してしまえば僕の精神は君らに分るだろう。これも第一義の活動の一部分だ。」

呆然として立った藤尾の顔は急に筋肉が働かなくなった。手が硬くなった。足が硬くなった。
中心を失った石像のように椅子を蹴返して、床の上に倒れた。


つまり、藤尾さんは、極度の嫉妬とヒステリーで、憤死したことになります。
タイトルに似合わず、なんと悲惨!


ポピー、雛罌粟、虞美人草、
一つの花なのに、呼び方によって、なんと違ったイメージを持つのでしょうか。
不思議な花です。


以下、「虞美人草」藤尾さんの死後の一節

凝る雲の底を抜いて、小一日空を傾けた雨は、大地の髄に浸み込むまで降って歇んだ。
春はここに尽きる。梅に、桜に、桃に、李に、かつ散り、かつ散って、
残る紅もまた夢のように散ってしまった。
春に誇るものはことごとく亡ぶ。我の女は虚栄の毒を仰いで斃れた。
花に相手を失った風は、いたずらに亡き人の部屋に薫り初める。





Posted at 2013/05/11 02:07:55 | コメント(3) | トラックバック(0) | 花便り | 日記

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