
外国ではね、
おおいぬ座の「シリウス」は
「ドッグ・スター」と言って
お別れした後でも可愛がられた犬は
星となってご主人をいつまでもずっと
空から見守っているんだよ。
「ドッグ・スター」
2002年度
監督 瀬々敬久
出演 豊川悦司 井川遥 石橋凌 泉谷しげる
現在12才のシローは人間でいえばすっかり老人。
主人の元ボクサー、ゴングとは息のあった名コンビだったが、ある日、
信号無視のトラックに跳ねられ、ゴングは即死、シローだけが助かった。
やがて落ち込むシローの前にゴングの幽霊が現われ
1つだけシローの願いを叶えてくれるという。
人間になってパピーウォーカーの家族とその少女(ハルカ)に、もう一度会いたいと願うシロー。
すると数分後、シローは本当に“人”になっていた。
レビューを読むと、両極端に賛否が分かれています。
しかし、私は、この映画、100点です。すごくよかった。
ジャンルとして、この作品は、ファンタジー、純愛映画として紹介されているけれど
実はこの作品の本当のテーマである、人間(犬も)には必ずやってくる運命、死、
というものをファンタジーの形を借りながら実にシュールに描いてます。
ファンタジー映画を期待していた人は、物語が進むにつれ、一種の嫌悪感すら覚えてしまう。
それは、淡々と描かれた人間の死。
シローの飼い主の交通事故死、シローの体となる警察官の自殺、元の飼い主の少女の両親の
飛行機事故死、自閉症幼稚園児の水死、移動動物園の園長の事故死、
ハルカの彼氏の焼身自殺未遂、そして人間となったシロー自身も・・。
結局、最後まで生き抜くのは、ハルカ一人だけ。
これ以上の圧倒的な不幸は存在するのかという、悲劇とも言っていい内容です。
しかし、それが現実なのです。人間は誰しも必ず死ぬ。
その運命を、生き残る人間は、甘受しながらも生きていかなければいけない。
それが、この作品の訴えるものだったような気がします。
そんな中での、シローとハルカの純愛、別れ、そして犬に戻ったシローとの再会。
そして再び別れ・・・・。
このラストを含む後半は、涙、涙です。
ハルカがいつも幼稚園児に言っていた言葉、
「さようなら ごきげんよう 明日も元気で ごきげんよう!」
こんな子供じみた言葉に、最後は、号泣です。
人間と動物、命あるものに、その分類はないのですね。
ペットを含む動物をこよなく愛する人たちの気持ちが、少し分かったような気がします。
もうひとつ。
移動動物園の動物を見て、「かわいそうだ」と言うハルカに、シローが説明する。
「こいつらはもう、人に頼らないと生きていけないんです。」
これも、また現実。
おまけ・・・
豊川悦司の、犬の習性、鼻をクンクンさせるとことか、すごい、うまい!
彼は前世は犬だったのかも?(笑)
井川遥も、よかった。 ・・・・・・・・あ~、いろんな意味で。(汗)
Posted at 2006/09/24 18:41:43 | |
トラックバック(0) | 日記