過ぎにしも けふ別るる 二道に
行くかた知らぬ 秋の暮かな
~源氏物語・夕顔の巻~
紅葉が見頃の今日でしたね。
香流川の散歩道沿いに車を止め、しばし紅葉狩りです。
「紅葉(もみじ)」について、うんちくを少々。(笑)
本来はとりわけ美しく色を変える楓の異名ですが、
その他の紅く染まった葉、黄色く染まった葉も、まとめて紅葉と言われます。
「黄葉」と書いて「こうよう」とも言うんですよ。
「銀杏紅葉」は、こちらの「黄葉」のほうがお似合い。
「照葉(てりは)」
紅葉した葉が、日の光でよりいっそう鮮やかに見えることです。
「花もみじ」
霜や時雨によってもたらされた水粒が、太陽の光でキラキラ輝く様を言います。
「錦繍(きんしゅう)」
金、銀、その他色鮮やかな糸で織られた絹織物のことですが、紅葉の美しさを例える
言葉として使われます。
「桜紅葉」。
清少納言が愛した紅葉です。桜はいちばん早く紅葉し、散り急ぐ。
春の花でも、秋の紅葉でも、桜の散る姿に潔さを見たんでしょうね。
「妻恋草」
紅葉(もみじ)の中、鹿の鳴く声は、万葉の世にあっては秋の情緒を感じさせるもの。
そのかん高くも哀愁を帯びた鳴き声を、人は、妻に逸れた鹿が、妻を恋しく思って
鳴いているものだととらえたようです。
故に、紅葉(もみじ)を「妻恋草」と言ったそうです。
そして鹿は「紅葉鳥(もみじどり)」と呼んだそうです。
もうわずかで12月。早いですね。そして寒い冬。
残されたわずかな秋の暮を、今日は見送りました。
Posted at 2007/11/25 22:00:35 | |
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