今日は、夜長月の朔日です。
「夜長月」とは、旧暦の九月のこと。 九月の異名「長月」のもとになった言葉です。
「朔日」とは、一日のこと。 「ついたち」と読みます。「朔」は「暗月」のこと。
「ついたち」は、「月が立つ」が語源となっています。
「朔」は、まったく月が見えない「暗月」のことですが、
現代的解釈として「新月」と同意語とされています。
つまり、「朔日」は、「暗月(新月)」から月が再び現れる(月が立つ)日のことです。
今夜の20時、月は輝面比0%となり、いまこの時刻では、0.003%となっています。
まさしく新しい月が生まれようとしているわけですね。
これからの季節は、月がたいへん恋しくなる時期でもありますね。
来月の9日には、十三夜の名月「後の月」もあります。
十五夜より少し欠けた月、十三夜の月。これは日本人が昔から最も好んだ月でもあります。
古典より、見えない月に因んだ謡を三首。
人に逢はむ月のなきには思ひおきて 胸はしり火に心やけをり
~小野小町~
月が出ていなくて、恋しいあなたに逢えない夜、あなたのことを想うと、
この胸は騒ぎ、飛ぶ火の粉に私の心は燃えてしまいそうです。
空をゆく月のひかりを雲間より 見でや闇にて世ははてぬべき
~小野小町~
空を渡る月の光が雲間から洩れるのを見ることもなく、
恋しいあなたに逢えぬまま、この夜は終わってしまうのでしょうか。
来ぬ人によそへて待ちし夕べより 月てふものは恨みそめてき
~後嵯峨院~
夕方よりあなたを待ち続けていましたが、
今宵の月と同じにあなたは現れてはくれませんでした。
あの時から、月というものを恨み始めるようになってしまったのです。
秋の月って、すごく綺麗だけど、どことなく寂しいものを感じてしまいます。
それでも明日からの新しい月が待ち遠しくもあります。
Posted at 2011/09/27 21:41:43 | |
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