
アメリカで販売されている、日本車メインの改造雑誌に
Import Tunerという雑誌があります。毎月1冊発売で、定期購読すると年額2000円位で取れると思います。
定期購読ページはこちらですが、日本へはここからの登録では無理ですね。Amazonなら出来ます。
表紙は毎号おねえちゃん。
この雑誌のサイトにWRX STIの記事が公開されたので紹介してみます。
英語版のオリジナル記事はこちらです。
★マークは私の加筆部分です。
★最初に
アメリカで販売されているWRX STIはエンジンがEJ257です。
カタログスペックでは
305馬力 6000rpm
トルク290lb-ft 4000 rpm (日本式に換算すると) 32.7N/mです
ターボのブーストは
14.7 psi、日本式に換算すると1.01bar

通常の記事フォーマットでは、純正状態から3段階に改造してテスト結果を載せていきますが、今回は一般的なストリートチューンはされた状態をベースとして、さらに改造していく形を取っています。
ベース状態で行われている改造は
HKSのキャタライザー、フロントパイプ
DC Sportsの3インチ(7.62cm)管の触媒以降のセンターパイプ、エギゾースト
DC Sportsのエキマニ
DC Sportsのサポートパイプ
CobbのAccessPortでECUチューン済み
これらに加え、この後の改造の基本として
DeatschWerks 1,000ccインジェクター 255 lph
DeatschWerks DW65C燃料ポンプ
この燃料ポンプは08以降のSTIにポン付け専用設計。
これを基本状態として、パワーチェック

★
このマーク以降、私が書いてる部分です。記事の内容の理解のための加筆です。
完全純正239馬力、触媒含む全排気系を抜け重視に入れ替えして、APでECU書き換えして299馬力。ブースト1.1bar位でしょうか。このシャシダイ計測の結果はEJ257のまさに実測だと思います。
GVBとGVFを乗り比べた時にGVBが速いのは、EJ207が実測300馬力出ているのに対して、GVFは純正250馬力程度だからというのが私の実感です。
上のパワーチェックの結果にあるように、EJ257を積むGVFの排気系を触ってECUでブースト1.1ほどかかると、丁度300馬力ほどになります。この位のライトチューンをするとGVBのノーマルと同等の加速になります。それでもまだ上の伸びはEJ207が上です。
EJ257でECUチューンで330馬力とかなってるのは、大体は謎の係数で1.1とか1.15倍とされています。
■第一段階の改造

AEMコールドエアインテーク
STI用の専用設計で、インレットのパイプはアルミ製。
エアフィルター周囲はヒートシールドも付属してきます。
純正ECUでもエアフロメーターが狂わないようにパイプ径が設計されています。
社外品の前置きインタークーラーと組み合わせる場合、ヒートシールドに加工が必要。
コールドエアインテークで最大パワーは17馬力向上。トルクは24lb-ft 向上(2.7N/m)。3200回転では30馬力上昇していて、トルクは49lb-ft(5.5N/m)向上。
■第二段階の改造

ATP GTX3076R Turboキットの取り付け。
Garrett製タービンを使用したこのATPのキットは、STIに使用できる
ボルトオンキットです
★タービン位置をインタークーラー位置へ移動しない、純正位置に置けるキット
ボールベアリングの最新型で、下からブーストが掛かるのが大きな特徴です。
取り付けは完全ボルトオンですが、Perrin製のインレットホースへの交換を強く推奨。エアフロー向上のためです。
★Perrinからは、通常の2.25インチ口径のインレットホースだけでは無く、こうしたビッグタービン用の3インチ口径のインレットホースも発売されています。今回は3インチを使用。(通常の太さの物より32ドル高いです)
5200回転から6500回転で、30馬力と27lb-ft(3.0N/m)のトルク向上
フルブーストのかかる回転数は純正のVF48に対して400から500回転遅れる。高回転でも設定ブーストが維持され、4800回転以降レッドまではVF48以上のブーストに到達する。GTX3076Rタービン本体は、この純正タービンがかけられないブーストをかけるポテンシャルがある。
★ピストンやコンロッドの強度の問題があるので、GTX3076Rでさらなるハイブーストは掛けられないのだと思います。
純正インタークーラーがheat soakで音を立て始めた。
このインタークーラーのサイズ、能力不足がパワーの限界値のネックになってしまっている。
★ヒートソーク、エンジンルーム内の熱でインタークーラーが熱を持ち、冷却能力が落ちる現象
■第三段階の改造
Perrinフロントマウントインタークーラー

高出力化でエンジンルーム内が熱を持つようになると、純正上置きインタークーラーはそれ本体が熱を持ち、ヒートソークが発生する。パワーのロスとデトネーション、異常燃焼の原因となる。
吸気温度が下がったので、Access Portで燃料、点火タイミングを調整し、AVCSのタイミングも調整。ブーストを20psiから21.5psiへ上昇。(1.38barから1.48barへ)
■結論
ライトチューンの299馬力から74馬力を乗せて373馬力。
トルクは347lb-ftから386lb-ftへ。
パーツ代は全てセットで4285.92ドル、34万7000円ほど。
DeatschWerks 1,000cc injectors $549.00 (4万4000円)
DeatschWerks 65C fuel pump $149.00 (1万2000円)
AEM Cold Air Intake $365.00 (2万9000円)
ATP GTX3076R Turbo $1,392.93 (11万3000円)
Optional polished compressor ($65.00) (5万円)
Perrin Performance 3-inch inlet hose $230.00 (1万8000円)
Perrin Front mount Intercooler $1,599.99 (13万円)
Total: $4285.92 (34万7000円)
★まず気になるのは、この11万3000円のGTX3076Rタービンキットだと思います。水ラインもオイルラインも付いてきて、純正位置にボルトオンで付いてこの価格です。
ATPのオフィシャルサイト
WRX STI用専用タービンキット販売ページ
以前はこのタービンを使用するキットは必ずローテートキットといって、インタークーラーを前置きし、開いたスペースにタービンを移動する物でした。

ソレノイドのすぐ横、純正よりずっと上の位置にGTX3076Rタービンが見えています。これがローテート(タービン位置変更)キット。インテークパイプも専用設計ですし、エキマニへ接続するサポートパイプも長い専用品が付属します。
上にインタークーラーがあるともちろんタービンが置けません。
ATPのこのキットは純正位置でのボルトオンなので、サポートパイプもエアインテークも純正タービン位置用が使えます。さらにインタークーラー上置きのままでも取り付けられるので

Rallysportsdirectのこの車は、TMICで最も人気のあるProcess WestのTMICとGTX3076Rタービンキットを組み合わせています。このキットはEJ257用で現在最も人気のあるキットで、取り付け事例も無数に見つけられますし、フィッティングも安心です。私が現在検討しているキットもこのGTX3076Rタービンを純正位置で取り付けるキットです。
みんトモの
ぐおさんもこのタービン取り付け作業中です。私もいつも読ませてもらっています。
このタービンは風量が稼げますが、上のグラフでも分かるようにタービン交換だけの状態では、パワーは上がっていますがトルクが落ちています。(IC交換でECU書き換え後はトルクも上昇)
このタービンとEJ257はトルク面でとても相性が良く、現在最も使われているタービンだと言えると思います。EJ207では無くEJ257を選んだ以上、このタービンを使えと言われている気がするのです(笑)
なんといってもボルトオンですし、安価ですしね。
で、なんで私がPerrinのインレットホースをここまで買わずに来たかと言うと、このビッグタービン用の3インチを買うまで待つべきだと考えていたのでした(笑)