
今日は久しぶりにうだうだモードです。(笑)
仕事立て込んでるんでこんなことしてる場合じゃないんですが・・。(大汗)
ここの皆さんも既にご承知と思いますが、最近の欧州BCセグメント向けエンジンは3気筒が大流行り。
つい最近もPSAがPure Techの1.2Lを、208やらDS3やらC3に搭載した話がありましたし、
GM・OPELも発表しましたね。
3気筒と言うと、日本では軽自動車のエンジンというイメージが強い。
しかもコストや燃費が最優先という制約があり、バランサシャフト等のコストや重量増となる
パーツが取り入れられないこともあって、振動面についてもイメージはイマイチです。
その上のクラスである日産ノートが意欲的に3気筒エンジンHR12DEを搭載したりなど
してますが、評価にはバラツキがありますね。
そう考えると、あまり良くない先入観を持ってしまった日本で、どこまで通用していくのか、
ちと不安もあることころです。
ただ、1シリンダーあたり400~600ccあたりがエンジンとしては最も効率が良いというのは、
エンジンを作る人なら誰もが知る事実。
シリンダー数が減ればその分フリクションロスも減るし、シリンダ当たりのS/V比(表面積体積比)も
丁度良くなる。なので、同排気量の4気筒に比べると、3気筒は概ね数%以上良くなるとか。
そう考えると、1.2~1.8L、場合によっては2Lクラスまでの最適解は実は3気筒だったり
する訳ですね。
エンジン屋のBMWがB38、1.5Lのユニット作った際にも、1シリンダー500ccが効率面で
一番良かったからだとか。
まー↑も、PSAとのアライアンスによるところ大だそうですけどね~。
余談ですけど、そう考えると日本の軽の3気筒も、効率は若干犠牲にしているとも言えますね。
ホントは2気筒にすりゃもっと燃費とか良くなるのは判ってるけど、ターゲットユーザの
特性からそれができない。FIATのツインエアは余所が誰も真似できない。(笑)
逆に、3Lで4気筒なんてポルシェがありましたね~。
まーそれはさておき、もちろんシリンダーが少なくなるメリットは効率面だけじゃありません。
多気筒に比べて軽量化できるし、部品点数も少なくなるから信頼性も高まる。
軽量化できればクルマ自体の重量バランスも良くなるから運動性能も良くなる。
効率の向上と併せて、環境性能(燃費)も良くなります。
更にコンパクトになる分だけクラッシャブルゾーンが広く取れるので、安全面でも
良い方に作用しますね。
6気筒以上の多気筒がV型ばかりになってしまったのも、モトを質すとこのクラッシャブル
ゾーン確保の問題が一番大きい原因ですよね。
そうやって考えていくと、欧州の3気筒ブームはダウンサイズの潮流の中で必然的な
結果なんだろうと思います。
↑はB4164Tと同じシリーズであるフォードEcoboostの末弟、1Lエンジン。
2年連続でインターナショナルエンジンオブザイヤーを獲得した、大変良く出来た
ユニットです。
どっかの記事によると、あのダイムラーがこの技術に興味を示し、自前の成層燃焼技術と
EGRの技術を引き替えに技術提携したそうです。
あのダイムラーに興味を持たせるなんて、フォードもなかなか大したもんです。(笑)
一方で、冒頭にも書きましたけど、3気筒というとやっぱり振動の問題が気になる
人も多いでしょうね。
そもそもエンジンの振動にはピストンやコンロッド、クランクシャフト(カウンターウエイト)の
それぞれの運動により生じる慣性力のアンバランスで発生する「不平衡慣性力振動」と、
ピストン位置の非対称性などから生じる「不平衡偶力振動」の主に2つがあるそうな。
(それに燃焼によるトルク変動が更にあると。)
でもって、直列4気筒の場合、不平衡偶力振動はないけど不平衡慣性力振動が問題となり、
3気筒だとその逆になります。
因みに直列6気筒の場合にはそのどちらの問題も基本的にはないそうですが、
(だからストレート6は完全バランスと言われる訳ですね。)
60°のV6だと、片バンク3気筒であることから、やはり不平衡偶力振動は生じます。
あと、水平対向4気筒も不平衡偶力振動はあるようですね~。
ただ、最近は3D解析の技術が進み、昔とは比べものにならない位に多くのシミュレーションが
できるようになったそうですし、更にマウントの技術も進化しています。
しかも、今はアイドリングストップで、一番振動を感じるアイドリング時もクリアしうる
局面も出てきました。
一方、燃焼に伴うトルク変動は、これは多気筒にはかなわない。
4サイクルエンジンの場合、ピストンが2往復する間、つまりクランクシャフトが720°
回転する間に、1回だけ燃焼しますよね。
なので結局そのうちの180°、つまり上死点で着火し燃焼して下死点に向かう部分だけしか
燃焼に伴うトルクはなく、あとの540°は他のシリンダーのトルクや慣性を使って回っている
ことになります。
この540°の間を完全に他のシリンダで燃焼に伴うトルクで補えば、トルク変動の幅が
小さくなり滑らかに回転することになりますが、そのためには最低5気筒が必要です。
これ、4気筒でもよさそうですが、やはりトルクゼロの瞬間がありますので、やはり5気筒
以上と言うことになる訳ですね。
逆に言うと、4気筒以下、もっと言うなら3気筒以下にはどうしてもこのトルク変動の問題が
付いて回る訳です。
ただ、これもフライホイールなどの改良によって、着実に進化はしているそうな。
そうそう、いよいよBMWも横置きFFの登場と相成るそうですね。
クラッシャブルゾーンの確保、環境性能(と燃費)、運動性能などを総合的に勘案した
結果として、FRであることの意義は薄れてきているということなんでしょうかね?
B38も回すとV6にも通じるサウンドが出るとか出ないとか。
考えてみたら3気筒はV6の片バンクだし、不思議ではないかも。
そんな訳で、3気筒、気になる気になる。(笑)
試乗してみたいですね~。Kabuちゃんさん、試乗に行くなら今度誘って下さい。(嘘爆)
あ、肝心のVOLVOですが、今のDRIVE-eシリーズを一通り現行モデルに載せたあと、
3気筒モデルを発表するとかしないとか。
どんなエンジンになるか、今からちと楽しみです。(^^)