
あと数日でもう12月ですか。
経ってしまえば1年なんてあっという間ですねぇ・・。
弄りの方もあれこれやろうと思ってたんですが、結局
大したこともできずに終わりそうな・・。(^_^;)
まー、長く乗るつもりですから、ゆっくり行きますかねー。(^^)
ま、それはさておき、今日もうだうだと長いです。(笑)
実は、先日、海外のメディアでちと気になるニュースを目にしました。
オーストラリアの記事なんですが、VWが一部の車種で主力であるDSGをやめて、
コンベンショナルなトルコンATを採用するかも、という話。
あ、ネタ元は
こちら。
記事の信頼性がどこまであるかは何とも言えませんけど、
VWのトランスミッション開発担当者にインタビューした話のようですから、
ある程度は確度があるのかなぁと。
でもって、これ読んだ時に、ある意味納得というか、そう来たか~、と。
最近の欧州のペトロールエンジンはダウンサイズ+過給という流れなのは
皆さんも良くご存じの通りかと思います。
過給にもバリエーションはあるものの、多くは低慣性な小径ターボを使うことで
デメリットであるターボラグをほぼ解消し、ドライバビリティに不満が出ないような
工夫がされています。
確かに今どきのターボなら、ターボラグは1秒あるかないかというレベル。
街乗り+α程度であればターボだなぁと意識することは殆どありません。
昔のどっかん系しか知らない人が乗ったら、その進化にきっと驚くことでしょう。
あ、極低速域から急にアクセル踏んだりした際、やや遅れてトルクが
付いてくるような感覚を受ける局面がありますが、これはむしろ電スロの
非線形制御によるところが大きい。
因みに下は自分のクルマで街乗りした時の一部分をグラフにしたもの。
赤がスロットル開度で、青はバキューム圧です。
目盛は0.5秒刻みですが、バキューム圧自体はスロットル開度に併せて
ほぼ追従しており、1秒以上の単位で遅れている部分はない。
つまり、むしろそもそものスロットル制御の方が悩ましいんですよね。
余談ついでに、コスト面の折り合いがつけばですが、ややホットなモデル向けに
可変ジオメトリーなターボにするとかして欲しいもんですねぇ・・。
そうすりゃ回しても結構面白いモノができるんじゃないかなー。(^^)
まーそれは良いとして、本題に戻すと、そうは言ってもダウンサイズ+過給にも
やはり弱点はあって、極低回転域でのトルクの細さはいかんともしがたい。
特に小排気量となればよりそれが顕著になりますね。
これはVWの1.2TSIの性能曲線。タイトル画像のヤツです。
これまた例のウソ臭~い感じのトルク曲線ですけど・・。(笑)
まーそれは良しとして、1,550rpmで最大トルクとなるものの、その下については
なんとも情けない感じ。
NAならアイドリングでも最大トルクの7割位は出ますが、おそらく半分程度かなぁ。
まー、こればっかりはいかんともしがたいところですね・・。
こういう発進時のトルクの細さは、DSGやDCTにとって最も苦手な領域ですね。
もちろん、できるだけ上手くクラッチミートを制御しようとするんですが、
それでもトルクの急激な変化を制御しきれずにどうしてもジャダーが出たり、
ギクシャクしたりします。
一方、トルコンATはステータからタービンインペラに戻る流体によって、
トルク増幅効果があるので、この辺はまさに得意分野。
回転が上がる局面においては、入力側のトルクより数%~数十%も出力側の
トルクが増えますし、その後は回転差が無くなるにつれ滑らかに収束する。
それと、クリープもDSGやDCTの場合、疑似的に制御するしかありませんが、
こちらは当然にナチュラルにそうなる。
そう考えると、特に小排気量なダウンサイズ+過給エンジンの場合には
トルコンATとの組み合わせって、実はかなり相性が良い。
一方で、トルコンATにはどうしてもスリップロスがあって、燃費という点では
DSGやDCTに比べよろしくない。
ただ、この点についても記事では「DSGとトルコンATの燃料消費率の差が、
10年前は1.5l/100kmもあったが、今では僅か0.2l/100kmまで飛躍的に
縮まった」んだそうです。
確かに、マツダのSkyactiv-Driveなどのようにほぼ全域でロックアップすりゃ、
スリップロスも大幅になくなりますし、ダイレクト感もある。
となれば、特許の塊で製造コストが掛かるDSGを選ぶべき一番の理由がなくなる。
加えて、記事によれば「USや中国など大市場の街乗りユーザは、キビキビして
しかも振動や音の少ない発進を好む傾向が強い」とのこと。
USがステップAT文化圏なのは知ってましたけど、中国もそうなのね。
となると、世界の2大市場は、MT普及率の高い欧州とはまさに真逆の市場
でもある訳ですね。
そんな訳で、VWはBセグメント以下の車はトルコンAT、という方向性だとか。
ASGを載せたUp!とか、Poloファミリーあたりがそのようになるようです。
一時はすべての車両にDSGを乗せる、というような話もあったのに、
この方向転換。アタマが柔らかいんですねぇ・・。
適切でないと判断すれば、力点を置いているはずのモノでも別の選択肢にする。
逆にコンベンショナルな技術でも決してオワコン扱いしない。
素晴らしいっすね。こういう発想が大事なんだろうなぁ・・。
一方で、DSGの方は平行して新しい開発が進んでいるようで、DSGを辞める
とか一部に誤解もあるようですが、それはないようですね。
なんでも、DQ250のトレードオフとしてDQ380というのがあるそうな。
420Nmというかなりの高トルクまで対応できるとのことなので、その後の
チューニングの幅も広がりそうですね。
そう考えると、やっぱそもそもDSGやDCTって、極低回転域からしっかり
トルクのある動力源との組み合わせが好ましいんでしょうかね。
となると、モーターとDCTを組み合わせたFIT3 HVは、MTの製造ラインを
生かしたいというお家事情もあるにせよ、なかなか良い組み合わせに
見えてきますねぇ・・。(^^)
発売間もなくコレ絡みでリコールが出て、いきなりケチはついちゃいましたけど、
日本のメーカとしてDCTに取り組んだ意義は大きいんじゃないかな。
(あ、GT-Rとかランエボは置いといて、フツーの車としてってことね。)
この先も頑張って貰いたいもんですね。
う~ん、こうなるとVOLVOも新しいDrive-Eシリーズにとって変わるなら、
高トルク対応のDCTとか、Skyaktiv-Driveのようなモノと組み合わせて欲しく
なって来ますなぁ・・。
まー実際そうなったら、それはそれでちと嫉妬することになりそうですけど。(笑)
ではまたいずれ。(^^)