
今日もしつこく、ルブリカントネタです。
しかしこのネタ、掘り下げていくと・・解ってたこととは言え、深いです。(笑)
まー突き詰める根性はないのでどこかでテキトーに終わると思うんですが、それまでは自分的に暫く楽しめそうです。(^_^;)
でもって、今回は添加剤の自分的まとめをしてみたいなぁと。
添加剤と言うと↑のようなアフター品をイメージする方も多いようですが、そっちではありません。
余談ですが、これって30年以上前からありますよねぇ・・、超ロングセラー。(笑)
何が入ってるのかさっぱり判りませんが・・。(^_^;)
まーそれはさておき。エンジンオイル製品として、基油にあれこれ添加されるモノには
主に次のようなモノがあるそうな。
1. 清浄分散剤・・清浄剤は高温運転における劣化物の沈積を予防、抑制。
分散剤は比較的低温で発生するスラッジを分散させる。
2. 流動点降下剤・・基油の流動点を下げる。
3. 極圧添加剤・・極圧潤滑(接触荷重の高い摺動部の潤滑)において接触面と反応し、
摩擦・摩耗を少なくし、焼付きを防止。
4. 酸化防止剤・・潤滑油の酸化による劣化を防止。
また触媒となる金属の表面を被覆したり、不活性化する。
5. 固体潤滑剤・・摩擦・摩耗を減少させるために粉末または薄膜として使用される固体。
6. 油性向上剤・・境界摩擦を低減し、油性を向上させる。
7. 防錆剤・・金属の表面に吸着し、保護膜を形成してさびの発生を防ぐ。
8. 乳化防止剤・・水分などの混入によるエマルジョン化を防止する。
9. 消泡剤・・潤滑油の表面張力が小さくしたり泡膜を破断し、泡立ちを防止する。
10. 粘度指数向上剤・・高温化における粘度低下を防止し、温度による粘度変化を小さくする。
油溶性高分子ポリマー
そうそう、添加剤というと悪いイメージを持つ方もいらっしゃるみたいですけど、
そもそも基油だけでは通常、エンジンオイルとして使うことはできません。
なので、どの製品にも大なり小なり、全部とは限りませんが必ず添加されています。
なお、10の粘度指数向上剤だけは、他の添加剤とは区別してポリマーと呼ぶ場合もあるようです。
因みに、このポリマーなしで可能な粘度は、SAE粘度的には0W-30とか15W-50あたりの
比較的狭いレンジのモノまでで、それよりワイドレンジとなるとポリマー必須となるようです。
ただ、この高分子ポリマーは、高温、高せん断条件下でせん断されて劣化すると、
いずれは堆積物・沈殿物(スラッジ)の主な要因となります。
(もちろん、スラッジはこの他にもカーボンやブローバイ、粉じんなども含む場合が
あるようですが、話がずれるので省略。)
つまり、市販のオイルで、ノンポリマーと称しているモノはこの粘度指数向上剤は入ってない、
ということであって、それ以外の添加剤は大なり小なり入ってます。
そんな訳で、市販エンジンオイルの場合、添加剤は品質の確保や保持に必要なものですが、
当然コストも掛かりますので、添加は必要最小限に限られることになります。
もちろん、それで十分というユーザであれば特に気にすることもない訳ですが、
クルマの性能を引き出したいとか、性能劣化をできるだけ避けたい、というユーザなら
添加剤を増やしたくなるというのも人情。だからアフター品がある。
一方で、安いオイルは基油もさることながら、添加剤もコスト重視となるのでその劣化も早い。
やっぱ安いなりの訳がある、ということなんですね。
まー逆に高いから安心かというと、意外とパチもん的なものもあったりするんで始末に悪い。(笑)
素人には難しい世界です。
余談ですが、一部のAPI規格SNグレードのオイルでは、アフター品な添加剤を混ぜると、
ゲル化してしまうという話もあるそうな。
まーそこまでにはならなくても、元々のオイルに添加されているものとアフター品との間にも
相性問題はあるようです。使うなら気を付ける必要はありそうですね。
あ、そろそろ話が長くなってきたので、個人的にまとめると、
ポリマーはなるべく少なくしたいし、できればない方がやっぱ好み。
あと極圧潤滑性能が良いモノかなぁ・・。
↑は手動式のチムケンテスター。
極圧潤滑性能を評価するものですが、エンジンオイルには意味がないという意見もあれば、
その逆を言ってるとこもある。
ただ、高負荷によりそれなりに極圧となる部分もあるので、それなりには気になります。
この極圧潤滑性能を良くする手法についてもそれぞれあるようですが、摩耗する方向性で
向上させる添加剤はやはり個人的には好きになれません。
あと、個体潤滑剤もやはり劣化することでスラッジになり得るので、できれば入ってて欲しくない。
そうそう、テストつながりですが、ホットチューブテストってのがあります。
このテストはピストン周辺などやターボのオイルインレットチューブなどに堆積されるカーボンや
スラッジの発生量を判断するテストで、循環経路に堆積するスラッジの評価に適してるとか。
試験方法は、サンプルのオイルを280℃のチューブの中に16時間、少しずつ流動させ、
熱劣化によりできたガム質やスラッジの発生量を見て、高温清掃性・耐熱性を評価します。
まー、ターボだからと言っても、シリンダーやタービン周りは水冷ラインも確保されているんで、
やたら神経質になる必要はないという見解もあるようです。
ただ、一時的にかなりの高温に晒される可能性はあるんで、多少は気になるし、実際、
それなりなお値段の高級なオイルは、この辺も結果が良い。
そうそう、ホットチューブより過激なヤツですが、趣旨が同じ動画がありました。
まーこれも何か変な力学が働いてる感じはしますが・・。(笑)
ただ、キャタライザでもそれより高い温度は普通に出るし、過激すぎるという訳でもないかと。