VTR1000F カムチェーンテンショナー交換

VTRの2大ウイークポイントのカムチェーンテンショナーの交換です。

最近、ヘッドからカラカラ音が聞こえていてテンショナーが逝っているとヤバいので交換する判断をしました。
後期型なので対策品が入っているとの事ですが、中古車なので安心はできないです。対策前後を見分けるペイントも消えちゃっているので。

古いテンショナー

交換方法は松竹梅ありますが、ファイバースコープを持っているので、クランクの上死点刻印をもとにバルブが閉じている事（圧縮上死点）を確認後にテンショナーを外しました。コレをやらないとエンジンがポアします。

ヘッドカバーを外して確認も悩みましたが、フロントが大変なのと普通に走るのでコマずれはないと判断しました。ヘッドパッキンも交換が必要になるので雪だるま式にお金が掛かります。

リヤバンク
外してオイルストーンですね。
オイルが垂れますのでご注意ください。

新旧比較

リヤ側ですが、螺旋ラチェットは効いているのですが、途中で引っ掛かる位置がありました。弱いとされるスプリングは問題なし。

取り付けてストッパーピンを真っ直ぐ引き抜けばテンションが掛かって螺旋ラチェットが効きます。

引き続きフロントバンクです。

同様にフロントの圧縮上死点へ持っていき、テンショナーを外します。
内部にチェーンガイドの押す部分が見えますね。

こんな奥まったところにあります。オイルストーンでパッキンを剥がすのに骨が折れます。

取り付けて完了。

確認できた効果は下記
・中回転域のカラカラ音が無くなる
・何故かアイドル回転数が上がる
・エンジン始動性が良くなり一瞬で掛かります
・プラシーボだと思いますが極低速トルクが増えた気がします。クラッチミートが楽です
・トップエンドの回りが鋭い感じ？です。

考察
リヤバンクのテンショナーに引っ掛かりがあったことから、テンショナーが僅かに伸び足りなかったと思われます。何度か動かすと引っ掛かりが無くなった事からスラッジが詰まったのでしょうかね？

今思えばテンショナーをバラして掃除すれば再利用できたと思います。或いは先端のメクラネジを外してマイナスドライバーで伸び縮みさせてやるだけでも良かったかもです。
またテンショナーの診断方法としては、圧縮上死点でテンショナーを外してからメクラネジを外して、マイナスドライバーを突っ込んで回して伸び縮みさせた時にバネの力でスムーズに伸びればバネはOKで、更に螺旋ラチェットがしっかり効けばテンショナー自体はOKと言えそうです。

前のテンショナーはバラしてOHしてStockしておきます。もう使う事はないでしょうが。