私の爺ちゃんよ～いつまでも

５月末日
爺ちゃんが亡くなりました。

昨年から癌と闘いながら、自分なりに譲歩しつつ、好きなタバコも辞め、２合徳利もストップ。

休みの日に老人ホームで弱ってゆく爺ちゃんと会うのが楽しみでした。



とっても楽天的だった爺ちゃんの人生８０有余年。
戦争を生き抜いて、普通なら涙なくしては語れない戦争の悲劇だけど、爺ちゃんから話を聞けばどんなに辛く切ない事情でも、オモシロおかしく語りついでくれた。

孫である私と弟は盆暮れ正月といつも戦争の話と花札に夢中になった。



ハーモニカに、習字の師範、将棋ではテレビを見ながら羽生名人と戦って負けたけど・・たくさんの凄い称号ばっかりの爺ちゃん。



亡くなる夜に、病院へ行った。
先に着いていた弟が語るに、朝よりも呼吸が浅い・・・
友達のように話せる弟が言う。
なんとかならないのか？

酸素のブーストを上げてMAXまで引き上げた。
だけど爺ちゃんは健常な人の半分も吸えなかった。
やっても無駄だった。

目の見えるうち
話の通じるうち
私が私だとわかるうち

消灯時刻が迫ってて９時に追い出された。
家へ帰って弟と一杯やりながら
耳に残るのはバイタル低下のアラーム

看護師さんにウルサイから消してくださいってお願いした。

家に帰っても聞こえるなんて

でも
ちょうどそのころ爺ちゃん逝ったらしい。



葬式の日取りやら、明日の実家はごった返すだろう。
翌日給油して実家へ向かった。

札幌と実家は何十年とかけて親族郎党通った道。
様々な思いが蘇る。

仕事の都合もあり仮通夜には出れる
今にして思うと、大人は薄情だ
葬式にも出ないなんて
・・・とませてた自分を振り返る

後ろ髪引かれる思いだったが残された時間を爺ちゃんの枕元で過ごす。


仮通夜だというのに、小さな片田舎で沢山の爺ちゃん婆ちゃんが弔問に来てくれる。
今ににして思う
怒らず、威張らず、揉めず、ふてくされず、泣かず、恨まず・・・
そんな爺ちゃんだから訪ねて来てくれたんだろうっておもう。


知らない婆ちゃんに、くまきちかい？（本名）って呼ばれてビックリすることも多々。
オムツまで替えてもらった婆ちゃんまで

この前生まれたと思ったっけ、こんな大っきくなって....



ただただ爺ちゃんの孫として産まれて幸せでした。
知らない爺ちゃん婆ちゃんに愛されてました。



凄いよ俺の爺ちゃん



爺ちゃんが好きだったタバコ
SHINSEIという両切のタバコ
実家へ向かう最中のタバコ屋さん回ったけどドコ探しても特別注文だった

最後の頼みで爺ちゃんちの近くの小さな商店で頼んでみた

お店のおばちゃんが言った。
「くまきちか？」
「爺ちゃん亡くなったってね」
当然面識などあってないようなもの

幼少の頃登場したおばちゃんの一人だろう
でも何もかんもわかってた

爺ちゃんはだいぶ前にタバコ飲まなくなったから棺おけに入れなくてもなんでもないよって
孫子が心配かけないように早くにやめてたんだべさって
ほれタバコ注文しないと来ないタバコだったから







ねえ爺ちゃん
今日は葬式さ
爺ちゃんの知り合いがたっくさん来るんだ

弟のメールでこれから酒盛りだって言ってたから一族郎党で嫌なこと忘れるくらい呑もうや
後は弟に託したから
マッチも入れるように伝えたから

爺ちゃん

今までありがとう
必ず恩返しするから
婆ちゃんのことは心配しないで俺たち末裔に任せといて

あとは岡田工事のおじちゃんと天国で花札やっててね



爺ちゃん
来世でまた会おうね
それまでさよなら

大好きな爺ちゃん