パワステベーンポンプのオイルシール、ベアリング交換
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
パワステベーンポンプからベアリングの音がするようなので、今回オイルシールとベアリングを交換してみました。
失敗したときに困るので、新たに中古のポンプをヤフオク(送料含め2750円)で購入し、それをリニューアルして現在のものと取り替える計画です。
手順として次のとおり行いました。
1 インパクトレンチで外装の外せるボルト、ナットをすべて外す。(といっても8個くらいしかありませんが・・。)
2 プーリー、オイルリザーバーを取り外す。
3 ハウジングを分割する。(ベーンポンププレートがばらばらにならないようハウジングの前を下にする。)
4 リア側のベーンポンプローター等を取り外す。
5 ベアリングの前のスナップリング№1を取り外す。(結構固いです。)
6 適当な当てもの(バイクのフロントフォークオイルシールインストーラーを利用)をし、ベーンポンプシャフトをリア側からハンマーでたたいてハウジングからシャフトをベアリング付きで打ち抜く。
7 ベアリングの奥にあるオイルシールをリア側からマイナスドライバーでハンマーを使い打ち抜く。(はめてあった深さ(約4ミリ)をよく確認しておくことが必要です。)
8 ベーンポンプシャフトに残ったベアリングをたがねのようなものでインナーレース部分をたたきシャフトから抜く。
9 シャフトスナップリングを外す。
10 組みつけは逆手順ですが・・・。
11 外周に合う大きさのソケットをあてがいハウジングにオイルシールを打ち込む。
12 スナップリングをシャフトに組みつける。
13 シャフトにベアリングを打ち込む時はインナーレースに合うロングソケットをあてがいハンマーでたたきスナップリングに触れる程度までとします。(ソケットの長さが短いと、プーリーを組みつけるための勘合用の溝が破損してプーリーが正規の位置まで入らなくなってしまいます。)
14 次はアウターレースに合うソケットを当ててベアリングをハウジングに打ち込みます。
15 ベーンポンプローターを組みつけるときは後からベーンポンププレートを差し入れる方が楽なように思います。(角が丸い方が円周側、側面がすれて少し色が変わっている方が右側です。)
写真は分解したポンプの部品です。上段右から順に分解しました。ベアリングの前の穴用スナップリングが欠けていますが、取り外すときに飛んでしまい行方不明になってしまいました。(保護メガネをした方がいいです。)
組み上げ後に作業忘れ等でハウジングを再び分割する必要が生じた場合は、原則ガスケットを新品にしないとオイル漏れを発生してしまいます(高い油圧がかかるため)。
作業自体は簡単なものですが、ばらした部品をパーツクリーナーで洗浄し、ケースの合わせ目を細かいサンドペーパー等で清掃し、ベーンのはねとOリング(ケース側にも)にはパワステフルードを塗りケースを合わせてからケース下の2本のボルトを締結してからリザーバーを取り付けボルト3本を締結します。
オイル漏れを起こさないよう、慎重に清掃してから一発で組み上げる慎重な作業が必要です。
また、オイルシールにシャフトを差し込むときは、先端のローターとの勘合部分のぎざぎざにテープを貼る等して養生し、オイルシールを傷つけないよう配慮が必要です。
2
使用した工具です。スナップリングプライヤーを除き、特別なものはいらないようです。本体を足で押さえてボルトを締結したので、万力も必要ありませんでした。
写真には写っていませんが、他にインパクトレンチ、オイルシール打ち込み用のソケット(24ミリ?)、ベアリングのインナーレースにかけて打ち込むためのロングソケット(14ミリ?)、アウターレースにかけて打ち込むためのソケット(30ミリ)、オイルシール取り外し用のマイナスドライバー、プーリーを固定してナットを締結するためのバイク用ユニバーサルホールダー、Oリングピックアップツールとトルクレンチを使用しました。
穴用のスナップリング取り外し用のプライヤーは先が交換できるものを使用しましたが非力で何度やってもうまくいかず(後で気づいたのですが、スナップリングの小穴の空いている部分を小さいドライバーでこじて浮かし、小穴に細い針金を結んでスナップリングを縮ませて取り外す方法もあったようです。)、スナップリングの大きさからすると専用のものを使用した方がいいようでした。
(締め付けトルク)
ハウジング締結ボルト24Nm
リザーバー締結ボルト24Nm
プレッシャーポートユニオン83Nm
ユニオンボルト49Nm
プーリー締結ナット43Nm
ポンプ締結ボルト58Nm
3
購入したベアリングとガスケットセットです。
ベアリングが1300円と高く、合計3300円程度でした。
4
外したベアリングのゴムシールを外したところです。KOYOの6203RKBD-1とありました。
新しい部品はNTNのもので記号はTMB203LSAX3でした。
ベアリング規格6203の非接触両ゴムシール型を専門店等で買えば500円位で買えるものと思います。(運賃を入れると千円程度?)
5
シャフトのスナップリングを外すのに今回ストレートで購入した軸用プライヤーです。千円しないものですが先端が滑り止め加工してあるので、あったら便利です。ただ、ほとんど使うことのないものですが・・・。
やってしまいましたが、入れるときにはあまり広げすぎるとスナップリングが変形てしまいます。(プライヤーで押さえれば元の形に戻ります。)
また、スナップリングはベアリングを打ち込む前にプーリー側から挿入しておく方が楽と思います。
6
念のため、ベーンポンププレートの縦巾を測ってみましたが、基準値が8.6~8.8ミリに対して8.76ミリありました。
一応組み上げましたが、実際に作動させておらず、まともに動くかどうか(特にオイル漏れの有無)は現在のベーンポンプと交換してから確認することになります。
(追記)
ポンプを交換して空気抜きを終えてポンプの様子を見てみると、ケースの合わせ目にうっすらとオイルが光っていましたのでよく確認したところ、ポンプの下のエアコンのコンプレッサーの上辺りにフルードが光っておりオイル漏れでした。
結局、再びポンプを外し、Oリングやガスケット、ベアリングを新品にして再び組み上げたところ、今度はオイル漏れはありませんでした。
簡単に考えていましたが、予想外の圧力がかかるところなので、慎重にも慎重な作業が必要なようです。
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