現行K13型マーチははっきり言って失敗作です。
K12型マーチはゴーン体制後の日産復活の象徴とも言えるような成功を収めたにもかかわらず、キープコンセプトでモデルチェンジしたK13型マーチはどうして失敗してしまったのでしょうか。
その理由は、考えるまでもなく、デザインが駄目だからです。現行マーチが登場した当初から、私もデザインが新興国臭いと思っていました。
しかし、どうして新興国臭いのか、という点についてはまったく考えたことがありませんでした。今回はその点について考察してみたいと思います。
K12とK13を比較してみると、違いはすぐに分かりました。
車のプロポーションだけを比較してみると、結局K13型はキープコンセプトでも何でもありませんでした。
リアウィンドウの形状を旧型に似せることで、旧型っぽい雰囲気を出そうとしているだけの話です。
ボンネットの形状もK12型と比べると随分と「雑」です。
しかし、そんな誤魔化しは意外とすぐにバレてしまうもので、現行型マーチのデザインが好きだと言う人は、旧型とは違ってほとんどいません。
試みにウィンドウラインをルーフラインに合わせた素直な形状にしてみると、死ぬほどつまらない車になりました。
K12型が情熱を注がれてデザインされたことは車を見ればすぐに分かりました。だからこそ成功を収めたのでしょう。
一方のK13型は、コストカットをして、世界中の人間に売って、利益を生み出すことしか考えられずにデザインされたことが、車を見ただけではっきりと分かります。
当然、新興国では車のデザインなんかよりもリアシートの広さや荷室の広さが重視されますから、K13型のようなハコに近い形状のほうが良かったのでしょうが、それをそのまま目の肥えた先進国の顧客に売ろうとしても、ハッタリが効くはずなどありません。
それはラティオにしても同様であり、誰にも気づかれないまま、誰にも興味を持たれないまま、いつの間にか販売終了が決まったようです。
同じように、近いうちに日本からマーチが消える日が来るのかもしれません。しかし、それはとても、とてもおかしな話です。
魅力的な車を作ることをやめて、マーケティングとグローバル戦略だけで車を売ろうとして、当然のごとくそれが失敗して、失敗したらそれですぐに諦める。
そうして国内では売る車がなくなり、頼みの綱の軽自動車が売れなくなれば、国内で売る車は本当になくなる。
日産車に魅力がないとは思いません。スカイラインやフーガにデザインで勝るセダンなどないと思っていますし、200万円台で買える車で日本で一番速いのはおそらくジュークターボでしょう。新しく出たばかりのセレナだって、トヨタやホンダの5ナンバーミニバンよりもよっぽど恰好良いと思います。
ですが、日産が日本国内で現在のような戦略を取り続けるのであれば、ひょっとしたら傘下の三菱と同じくらいに存在感のない寂しいメーカーになってしまうのではないか、と危惧しています。
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2016/07/16 21:41:13