やわらかな風…
海に浮かぶ夏の入道雲も今はもう見えない…
愛車とともに行く久しぶりのわくわく探し
大好きな夏には間に合わなかったな…
本来なら秋を楽しむはずのこの時期なのに
心はもう次の夏を待っている…(笑)
行先はキリシタンの足跡を訪ねて、九州の西端 長崎県平戸市
でもそれ以外は全くのノープラン(笑)
「いいお写真撮れました?」
教会へと続く長塀の道…
長い石段の途中で一人の年老いた女性から声をかけられた…
ご近所さんなのだろうか
右肩に担いだ僕の三脚を見て笑っている…(笑)
「いや~それがなかなかそうもいかなくて… 写真はともかくキリシタンの足跡を追いかけてるんです。」
そう…ここ平戸は、天草と同じく彼方此方にキリシタン達の哀しくも美しい物語が語り継がれている街…
「夕日のお勧めの場所ってありますか?」
これも何かのご縁、早速情報収集を開始する(笑)
「そうね…ちょっと遠いけど写真なら九十九島が有名じゃないの?」
やっぱりそうか…
ここから車で優に一時間以上かかるが、ま…妥当なところか…
お礼を言って石段を登り始めると背中から呼び止める声…
「あの…このあたりだったら…、あまり有名ではないけれど、私も若い頃はよく…、それにキリシタンにも関係あるから…」
老女はそう言うと 遠くを見つめ はにかむように笑った…
ある程度の場所を聞き、再びお礼を言って教会を目指す…
定番の九十九島の夕景
展望台は多くの観光客とカメラマンでびっしり…(笑)
【続き】
翌日、どうしても気になり、老女に教えてもらった海岸に向かった…
カーブを曲がりきって見えてきた青い海に思わず車を止める…
うわ…すごい透明感…目的地にはまだたどり着いていないのに!(笑)
実は老女が教えてくれたのは、ここから車で5分くらいのところにある根獅子の浜…
この地にも悲しい話が伝わっている
禁教時代、キリシタンの夫婦と三姉妹の家族の前にひとりの若者が現れ、夫婦はその若者の働きぶりが気に入り、長女の婿として迎えることになる
やがて長女が身ごもったため、家族はもう大丈夫だろうと、男に自分達の信仰を打ち明けた
ところが、翌日若者は家から忽然といなくなり、代わりに役人が来て一家は捕らえられてしまう…
当然ながら、根獅子の里人は全員厳しい取調べを受けることに…
しかし、この一家は、キリシタンは自分達だけであり、里人は誰一人としてキリシタンではないと…
最終的になんとか一千人もの里人をかばいきったものの、その引き換えとして根獅子の浜の小岩の上で長女の身ごもった赤子ともども6人全員が処刑されたという…
(※おろくにんさま伝説)
天草の崎津・大江でも「天草崩れ」といわれる大量発覚事件はあったが…
あちらは五千人規模の発覚ではあったが、全員が生き延び、こちらは六人全員が処刑…
きっと新たな命の誕生に幸せの絶頂だったに違いないこの家族の思いを考えると胸が苦しい…
音楽切れの方はどうぞ…(笑)
以前車の中でよく聞いてた大好きな曲です…(笑)
陽も傾いた頃、根獅子の浜の近くの海岸で爽やかなイケメン彼氏とその可愛い彼女に出会う…
僕のカメラの前をチョロチョロ…明らかに意識しているよう
声をかけると開口一番すみませんときた(笑)
聞けば自分たちが撮影の邪魔していると思っていたらしい…
でも、すぐに打ち解けて、逆に撮影の許可をいただくことに(笑)
「私…待ってたのよ…ずっと…」
えっ!? 海風の中にそんな声が聞こえたような気がした…
彼女の声? いや空耳か…
なぜかふと教会の近くで出会った老女の遠い瞳を思いだす…
そういえばあの人 若い頃はよく行ってたと言ってたっけ…(笑)
きっと年老いたあの女性も愛する人と一緒にこの海を見つめていたのかもしれない…
いや そう思いたい…
今回のわくわく探しは、ようやく暦どおりに自分の時間が取れるようになった9月下旬のお話でしたが、この海岸一帯では なんと泳いでいる人がまだまだ何人もいました(笑)
たったひと月前のことですが、今はすっかり秋一色…
時の流れの速さにはビックリさせられます(笑)
そして今回の舞台となった長崎・平戸で出会った3人…
この3人との出会いによってノープランだった僕の行動が決まっていくわけですが…(笑)
帰りの車の中では、まるで最初からこの旅の行方が決まっていたかのような何か特別なものを感じていました…
特にあの年老いた女性との出会いが無ければこのブログもきっとお蔵入りしていたでしょう(笑)
そう考えると人の出会いは不思議なものだなあと感じます…
そして、言い伝えでは、千人の里人の命を守るため六人の血が流れ、海は朱に染まったといいます…
時は流れ、現代においては…
多くの家族連れや恋人達が訪れるこの海が、いつまでも幸せ色に染まっていてくれたらと…
心からそう思います…
待ってたのよ…
いつもの妄想癖なのでしょうが(笑)
それでも僕にはあの年老いた女性の言葉のように思えて仕方ありません…
その時…
その場所で…
さあ明日は何に出会えるのかな…
まだ夜明けには時間がある阿蘇の大地
霧雨の草千里を一人歩く
ふと気配を感じ立ち止まるとそいつはそこにいた
この時間帯の草千里の主…
緊張感の中、暫く見つめ合う
そいつは天に向かって一声嘶くと鮮やかに身を翻し一気に走り去る
そしてそれが合図かのようにそいつに統率された馬達がドドッと僕の前を後ろを駆け抜けていく
そのあまりの迫力に暫くその場に立ち竦む…
昼間なら近寄っても全く問題ないのだが、この時間帯は事情が違う
そいつの防空識別圏を侵犯してしまったのは明らかに僕のほうだ…
自分の軽率な行動に少し後悔に似た思いに包まれる…
霧雨の草千里
きっとお客さんは来ない…
いつもは多くの観光客を背に働いている馬達に
たまにはこんな休日があってもいい…
【おまけ】
撃沈のため、蔵出しです(笑)
こいつが草千里の主!
こいつに不用意に近寄ると威嚇される(笑)
阿蘇の夜明け…
何度見ても飽きない…
こちらの雨池は、いつも撮影している雨池とは違う場所のもので、最近はほとんど水が無い状態が続いていた…
こんなに満々と水を湛えた状態を見るのはここ最近なかったのだが、地元の方の話によると、水が無いのは地表の温度が上昇しているから…
ズバリ火山活動が活発しているからということで、爆発よりずっと前から指摘されていた
たまにはこんな草原でのんびり風を聞くのもいい…
野に咲くヒゴタイとともに…
皆さまお久しぶりです。
また、励ましのお言葉をいただいた皆さま本当にありがとうございます。
9月の終わりあたりから、ようやく仕事もひと段落ついて、暦のとおり休めるようになってきました。
気まぐれ不定期更新のブログではありますが、また、ぼちぼちとやっていきますので、お付き合いいただける気の長~い方、どうぞよろしくお願いします。
ふわふわの秋の空 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2022/11/04 17:45:27 |
|
まっ青な空に まっ白な綿雲 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2019/10/15 17:53:15 |
|
北アルプス白馬岳登山へ!! カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2019/07/16 00:16:50 |