
タイヤ交換後の空気圧についてですが、7月2日に13インチ純正から15インチのインチトヨタiQ純正ホイールに交換し、インチアップしたのですが、あまり深く考えずにタイヤの空気圧は、エブリィ純正の「指定空気圧」である前輪:2.2kg/c㎡と後輪:2.4kg/c㎡としていましたが、本当にそれで良いのか?ちょっと調べてみました。
インチアップ前タイヤ: ヨコハマ BluEarth 155/70R13 75S
インチアップ後タイヤ: ブリジストン POTENZA RE030 165/55R15 75V
まず、クルマに最適な空気圧というのは、メーカー(エブリィの場合:スズキ)がクルマ毎に決めており、それを「指定空気圧」と呼んでおり、「指定空気圧」は運転席ドア開口部など目立つところに記載されています。
上記から「指定空気圧」は、画像の左上の「エブリィワゴンの標準タイヤサイズ、指定空気圧」の表の通りとなります。
メーカーの指定タイヤと同サイズの場合 (155/70R13 75S)
設定されているオプションサイズの場合 (165/60R14 75H)
メーカーの指定空気圧に調整(運転席ドア開口部に記載)
では、上記オプション設定サイズ以外のインチアップ等をする場合は、どうなるのか?を調べたところ、インチアップ等をする場合は、下記のことについて注意する必要があるようです。
インチアップ等でのタイヤ変更時の注意事項!
1)はみ出し禁止
車体からタイヤおよびリムがはみださないこと。
2)加重指数(LI)の確保
標準タイヤの荷重指数(ロードインデックス=LI)を下回らないこと。
元のタイヤの耐荷重性能を、タイヤサイズに示されているロードインデックスから調べる。
日本製のタイヤはJATMA規格、ヨーロッパ製のタイヤはETRTO規格の耐荷重性能表を参照する。
ただし、耐荷重性能強化タイプ(サイズ表記にXLなどの表示あり)については別規格となる。
候補のタイヤの中で、元のタイヤの耐荷重性能を満たすものを割り出す。
最終的にここで調べた空気圧が、新しいタイヤの空気圧となる。
日本製のタイヤはJATMA規格により、240kPaという空気圧が限界で、
これ以上高い空気圧にすることは、事故につながる恐れがあるので、禁止されています。
タイヤの負荷能力を下げると、タイヤへの負担が大きくなり、快適なドライブや性能が得られないばかりか、
強度不足でタイヤに損傷が発生したりすることがあります。
3)干渉禁止
走行時やハンドル操作時にフェンダーなどの車体と接触しないこと。
また、積雪地区でタイヤチェーンを使用することがあれば、タイヤハウスとの間隔も考慮する必要があります。
4)メーター誤差を起こさない
スピードメーターの誤差を起こすサイズに変更しないこと。
外径差で±2%~3%程度までは許容範囲とされているが、車検で決められているスピードメーターの
許容誤差を超えない注意が必要である。
以上のことから!空気圧については、「標準タイヤの荷重指数(ロードインデックス=LI)」で規定しており、実際には、車輌総重量での前軸荷重と後軸荷重から、安全性のマージンを加えた値として、タイヤの耐荷重性能を決めているようです。
エブリィワゴンの場合
左真ん中の表のように、車検証に「車輌重量、車輌総重量、前軸荷重、後軸荷重」の記載があります。
これを計算すると・・・・。
まずは、車輌重量と前軸荷重、後軸荷重から前後軸荷重比を算出します。
前軸荷重(500kg)、後軸荷重(460kg)を車輌重量(960kg)で割ると前後軸荷重比は、52:48になります。
次に、車輌総重量での前軸荷重と後軸荷重を算出します。
先ほど算出した前後軸荷重比に車輌総重量をかけます。
前軸荷重: 1180kg×52%=613.6kg
後軸荷重: 1180kg×48%=566.4kg
前輪・後輪共に、2本のタイヤで支える訳ですから、
タイヤ1本で支える重量は、前輪: 613.6kg÷2=306.8kg
後輪: 566.4kg÷2=283.2kg
となります。
エブリィワゴンの標準タイヤの耐荷重性能
左上の表から、155/70R13 75S及び165/60R14 75Hのどちらの場合も、荷重指数(ロードインデックス=LI)は、「75」となります。
エブリィワゴンの純正タイヤのタイヤの耐荷重性能は、右の表から前輪が370kg、後輪が378kgということになります。
以上のことから、標準タイヤの荷重指数(ロードインデックス=LI)から求めた、耐荷重性能と車輌総重量等で算出した耐荷重で計算すると、前輪が370kg÷306.8kg=1.21、後輪が378kg÷283.2kg=1.33となり、前輪のマージンが21%、後輪のマージンが33%、あるということになります。
結 論
タイヤの空気圧は、タイヤサイズに関係なく荷重指数(ロードインデックス=LI)の表によって決められている。
今回のタイヤのインチアップの場合、
インチアップ後(ブリジストン POTENZA RE030 165/55R15 75V)で、タイヤの表示から荷重指数(ロードインデックス=LI)は
純正タイヤと同じ「75」なので、タイヤの空気圧は、純正タイヤと同じ前輪:2.2kg/c㎡と後輪:2.4kg/c㎡で良いことが解りました。
タイヤをインチアップする場合は、タイヤサイズはもちろんですが、荷重指数(ロードインデックス=LI)にも注意が必要で・・・、
タイヤサイズに関係なく荷重指数(ロードインデックス=LI)を確認し、純正タイヤのタイヤの耐荷重性能を下回らない空気圧とする。
つまり!エブリィワゴンの場合、JATMA規格からタイヤの耐荷重性能が前輪:370kg、後輪:378kg以上の値となる空気圧であれば
問題は無く、簡単に言えば、荷重指数(ロードインデックス=LI)が「75」以上を選ぶということになります。
(上記は、JATMA規格のタイヤの場合で、海外規格のタイヤは、それぞれのタイヤ規格に準拠してください。)
(参考)
インチアップ後に荷重指数(ロードインデックス=LI)が小さく場合があります(75→73)
日本製のタイヤで165/50R15の場合、荷重指数(ロードインデックス=LI)が、「73」が各メーカーから販売されていますが、前輪の空気圧が220 kPaで、345kg、後輪の空気圧が240 kPaで365kgで、JATMA規格は、240kPa以上の空気圧を禁止しているので、タイヤの耐荷重性能が標準タイヤより小さくなるので、基本的には安全面から取付不可となります。
まったく同じ製品のタイヤで、同じサイズでも、荷重指数(ロードインデックス=LI)が、「73」と「75」が販売されている場合もあるので、注意が必要です。
簡単に空気圧指定の概算を求める方法
○ロードインデックスが1下がれば、空気圧を0.1kg/c㎡上げる。
○ロードインデックスが1上がれば、空気圧を0.1kg/c㎡下げる。
○耐荷重強化タイヤは空気圧を0.4kg/c㎡上げる。
タイヤへ窒素ガス充填
窒素ガスを充填すると酸素がないので、高温になっても安全
この利点から航空用のタイヤやF1のタイヤなどには窒素ガスが充填されています。
窒素ガスは空気と比較してタイヤのゴムを透過しにくいので、空気圧が低下しにくい。
空気と比較して適正空気圧の維持がしやすいことから、メンテナンスがラク。
水分を含まない不活性ガスのため、タイヤとホイールが酸化反応しにくい。