
先日ISが2度目の車検を迎え、ディーラーに行ったついでに新型のISに試乗させていただきました。
旧型になってしまった自宅のISから、どれほど進化したのか気になっていました。
試乗車はホワイトパールのIS250とエクシードブルーのIS300hの2台です。
まずはエクステリアから。
エクシードブルーは良い色ですね~。
LEXUSの塗装品質はダントツです!
初代とガラリと変わったエクステリアですが、雑誌などで見るとフロントライトとLEDポジションライトの離れたデザインや、ボディーラインが煩雑な感じがしました。
しかしショールームで実車を見ると、リア周りがクドイ感はありますが、適度にまとまったデザインでした。
それにしてもF SPORTSのメッシュタイプのスピンドルグリル&専用バンパーは威圧感満点で、後ろに貼りつかれたら嫌だな~(汗)
ノーマルはF SPORTSと比較すると、大人しく高級感を漂わせる感じがします(笑)
ハイブリッド車に標準のLEDヘッドライト。
ハイブリッド以外に標準のディスチャージヘッドライト。
よく見ると複雑なデザインをしたヘッドライトで、好みが分かれそうです。
LEDヘッドライトは2眼になり、ウインカーの位置も変更されてスポーティー感も増しますね!
淡色系はヘッドライトとLEDポジションライトの隙間が目立つので、濃色系のボディーカラーのほうが目立たなくなる。
しかし、初代IS前期モデルにあったインテリジェンスAFS(可変ライト)が後期モデルで廃止になりましたが、新型でも不採用というのは安全装備の面では退化している気がします。
リアディフューザーはハイブリッドとハイブリッド以外でデザインが変わります。
ハイブリッドのリアディフューザーは空力を意識した形状。
ハイブリッド以外はF SPORTSでもシンプルな形状でした。
せっかくのF SPORTSなのに、ノーマルとデザインの差別化がされていないのは寂しいような…。
ノーマルバンパーならシンプルな形状で十分ですが、F SPORTSのアクの強いフロントデザインだったら、純正で専用リアディフューザーを装着しても良かったんじゃないでしょうか。
売れるハイブリッドだけ力を入れるのでなく、F SPORTSは細部にもっと力を入れれば欧州車と対抗できると思うのですが。
それともTRDやMODELLISTAのアフターパーツの購入を前提にしているのでしょうか。
純正以外のパーツを装着すると、認定扱いにならず下取りも下がるような…。
最近のトヨタ車に付いているフィン。
こんな小さなフィンで操縦安定性が向上するという代物らしいですね。
ここまで空力にこだわっているなら、先ほどのリアディフューザーが本当に惜しい気がします。
エクステリアは、先代のスポーティーの中に色気を感じるデザインから、新型はアクのある押し出し感満点のデザインにガラッと変わりました。
新型は好みの分かれるデザインかもしれませんね。
個人的にはサイドスカートからリアライトに続く、リアバンパーの分割ラインやヘッドライトのデザインのせいで、淡色系のボディーカラーよりも濃色系のボディーカラーの方が、目立たず引き締まって似合っていると感じました。
街中を走行中の新型を見ると、先代のように凝縮感があるデザインで、ショールームで見るよりインパクトもあり好印象でした。
次にインテリアですが、こちらもガラリと印象が変わりましたね。
赤のシートがスポーツ感と高級感を併せ持ってオシャレですね~。
ほどよい包まれ感のあるデザインで、先代ISのスポーツと高級感の狭間にあったインテリアよりも、よりスポーツ方向に振ったデザインでした。
むき出しになったドリンクホルダーは賛否が分かれていますが、私はアリだと思います。
F SPORTSのハンドルはパンチングレザーに赤ステッチ。
高級スポーツ車的な印象で、若干柔らかめな握り心地と適度な小径です。
先代ISのハンドルにあるLマークは光沢感があるエンブレムでしたが、新型はマット処理に変更されて、コストダウンした感じがします。
F SPORTSのメーターはLFA譲りのデザインでカッコいい!
エアコンの温度調整は静電式のスイッチ。
金属のスイッチ部を指先でスライドさせると温度調整ができるそうです。
先進性のあるデザインですが、微妙な調整に向くのでしょうか?
そして使い続けていると、パネルに付く指の跡が気になりそうです…。
またこのパネルの質感が低い(汗)
オプションのMark Levinsonを装着するとヘアラインのパネルに変更されて高級感が増しますね。
インテリアの感想ですが、コストダウンした所は明らかに分かります。
せっかくソフトパッドを要所要所で使用して質感を上げているのに、樹脂部品がチープすぎてコストを掛けているのか掛けていないのかチグハグな感じがします。
インテリアは常に目にする所なので、LEXUSなら細かいところまで徹底的にこだわり、質感を上げてほしかったなと思います。
逆に、新型の美点は、ホイールベースが伸びたのでしっかりと室内の広さを感じたこと。
先代の後席は窮屈で圧迫感さえ感じましたが、新型は膝前も広くなり普通に座れます(笑)
さらにトランクスルーが設定されたのは、いざという時は便利ですね!
いよいよIS300h F SPORTSの試乗です!!
新型は走行モードが切り替えられるので、ECOからSPORTモードを試してみました。
ECOモードの発進はモーターのみですが、かったるさは感じませんでした。
モーターからエンジンから切り替わる時も、いつ切り替わったか分からないくらいスムーズです!
次にSPORTモードですが、発進時からエンジンとモーターの同時始動で鋭い加速になります。
ただし車重が1,670kgもあるので、鋭いと言ってもそれなりです。
あくまでECOやNORMALよりも良いと言うことです。
ここで一つ問題が。
エンジンが始動すると4気筒のがさつな音と振動がして、げんなり。
2AR-FSEのエンジンは特徴もなく、V6のようにお世辞にもフィーリングは良いものではないので、プレミアム感は皆無です(笑)
ハンドリングですが電動パワステは軽く、接地感があまり感じず希薄なインフォメーション。
さらにF SPORTSの専用のサスペンションですが、ゴツゴツ感がすごくてダンパーが突っ張っている感じ。
硬い中にしなやかさがあればいいのですが、ただ硬いだけ。
回生ブレーキは今まで乗ったハイブリッド車の中ではナチュラルだったのは良かったです。
ハイブリッドであれば、室内に入るエンジン音の遮音性を上げたり、逆に気持ちのいいエンジン音にするなど、もっと「音」に気を使ってもらいたかったです。
さらにダンパーの質にもっとコストを掛ければ、欧州勢にも負けない上質なクルマが出来上がると思います。
良くも悪くも無味乾燥なトヨタ車であり、エクステリア程の個性は感じられませんでした。
もしかしたらIS-FのATを載せたIS350を試乗したら、印象が変わっていたかもしれませんね。
LEXUSは第一世代から第二世代に変わり、欧州車のように走る楽しさを期待しましたが、優等生だけど訴えてくるものが希薄なのは変わっていないようです。
おまけは代車のCT200h F SPORTS。
IS300h F SPORTSよりキビキビ走り、乗り心地が全然良いんですけど(笑)
西湘BPのような舗装が悪い道路でも、ダンパーがしっかり動いてくれて非常に心地いいです。
ただしっかりダメな所もあり、交差点を曲がるだけで電動パワステのフィーリングは引っ掛かって最悪だし、ものすごいフロントヘビーでハンドリングを語るほどのもではないかと(汗)
ベースは良いのにコストの関係で仕上げきらなかった感を脱却すれば、もっといいモノが出来上がると思うのですが。
LEXUSはデザインでは新たな方向性が見えてきたので、ぜひ走行性能にもっと力を入れて楽しいクルマを作ってほしいですね。