
みなさまこんばんは(^^)/
さて、今日は駐車監視ユニットを装備した時のご注意のお話です。
先日ご依頼者より、「2週間車を使用しないとエンジンがかからない」との
ご連絡を頂き点検いたしました。
2か月ほど前にカー用品店でドラレコを装着されたそうです。
その際にバッテリーも弱っていますね、との事で同時に交換されたそうです。
総額10万円オーバーのレシートを見せて頂きました。
ドラレコ4.5万円。
電源ユニット1万円。
取付2万円。
バッテリー2.5万円。。。
すご。。。。
ドラレコは国内有名メーカー製の前後2カメラタイプ。
大体この時点でエンジンがかからない原因の判断が付きますね。
まずは暗電流チェック。
800ミリアンペア。。。
この点検時は当然ですが
各ドアを閉めてドアロック施錠した上での計測です。
メーター内のイルミが消灯する前の計測でしたので少し多め。
通常の暗電流の何10倍も流れています。これではバッテリー上がりは当然です。
交換されている新品のバッテリーが空っぽになっています。
まあ、これだけ流れていればこのバッテリーサイズだと1週間でほぼかからなく
なってしまうレベル。
調べるとドラレコ本体は600mA程度(2カメラだから?けっこう流れるのね)
バックアップユニット本体の消費電力が100mA程度(そんなに食うの?)
メーター内のイルミが点灯(約150mA程度と確認済み)
バックアップユニットを取り外してメーターイルミが消灯するまで待機後に
測定すると19mA。はい、OK(。-_-。)。
ここでご依頼者様に原因の報告と修理内容のご提案です。
ざっくり簡単にご説明を。
①駐車監視ユニットを諦める(確実に直ります)
②バックアップ用バッテリーを増設して対策(追加費用がかなりかかる)
③駐車監視ユニットの設定を見直して様子を見る(また上がる可能性あり)
④購入店に相談。
等のご提案をして回答を待ちながら手直しを進めます。
真っ先に駐車監視ユニットの電源配線から点検してみます。
バックアップ電源はどこから取っているのかな?と調べると、
ストップランプスイッチからエレクトロタップ"(-""-)"。
うーん、万が一の際にしっかり働いてもらうドラレコの電源をエレクトロタップ。
電装整備をされる方はまず使わないでしょう。汎用のエレクトロタップなんて。
しかも、ストップランプスイッチから電源。。。
うーん。どうなんだろう。
最近の車両はストップランプスイッチはブレーキランプを点灯するだけのスイッチ
ではなく、ABSやアイドルストップ、HSA(坂道発進補助)オートパーキングブレーキ、停車時の停車アシスト等多岐にわたり制御に必要なスイッチになっています。
これらの機能の為にストップランプスイッチが2回路になっている車両やスイッチとは別にストロークセンサーを装着して制御、ストップランプとは別回路の車両
が多いとは思いますが、やはり精神衛生上ストップランプスイッチから電源を取る
のはあまり気持ちが良いものではありません。
LEDストップランプ採用車も増えてきましたし、何らかの不具合でストップランプが不点灯や点灯しっぱなしになってしまう可能性も出てきてしまいます。
ここでエレクトロタップを使用すると配線がどうなるのか見てみましょう。
タップを噛むことで被覆を破り、芯線に接触します。この時にサイズの合わないものを使用してしまうと写真のように芯線が一部切断されます。
逆に緩い時は接触不良を起こします。最悪の場合は発熱から発火することも想定されますので、使用する際はこれらのリスクを回避できる様にしましょう。
当然ですが、ストップランプスイッチのハーネスを修復して電源取得場所を変更します。
元通りに戻しました。あ、本題と逸れました。。。(._.)すみません。
さて。ここでご依頼元からご連絡がありました。
所有者様に確認した所、点検結果にかなりお怒りの様子だったとの事。
「店員に勧められ、お金出してつけたものが原因でバッテリー上がり?」
とかなりのご立腹。。。お話を聞けば「バッテリーも交換してから1年くらいしか
経っていないのに弱っている」、と言われたことにも不信感を持っている、との
事でした。
何となくですが、駐車監視ユニットはバッテリー負担が大きい事が承知の上で
取付を勧める。すぐにバッテリー上がりを起こさないように新品のバッテリーへの
交換をしてトラブルを回避するのでは?との推測ができます。
あくまでも推測です。はい、推測ね。
さて、ご立腹のお客様でしたが、正確な点検結果とご説明にご納得して頂けた様で
「バッテリー上がりを起こさないようにしてほしい。できるだけお金をかけないで」との事で、駐車監視ユニット取り外し、配線もご判断に任せます。
とご指示を頂きました。
合わせて、外出先などの駐車時の録画機能が働かないこともご説明しました所、
「ドライブ・レコーダー!なんだからドライブしてるときに録画するもの!」
としっかりご理解されており、事故の時などにしっかり動作すれば良いと
お考えでドラレコを付けたから。。。とお話して頂けました。
まさにその通りだと思います(#^.^#)
早速、駐車監視ユニットを取り外してみた所、完治。
社外のドアミラー自動格納ユニットも付いておりましたので、こちらの電源も
エレクトロタップでしたので、しっかりと
接続をし直してご納車となりました。
ターゲットの配線が細すぎるため、エレクトロタップの金具が芯線に接触する程度
でしっかりと噛んでいないことが分かります。
走行中の振動でも緩んできますのでやはり確実な結線をしたいところです。
スプライスを使用してしっかりと接続して完了です。
あとはしっかりとバッテリー充電をして。。。
修理完了のご報告をいたしました所、
「ドアミラーの自動格納、時々動かなかったんだよね」との事でしたので、
こちらも合わせて直ったことに喜んでいただけました。
駐車監視ユニットはバッテリー電圧を監視して動作をさせています。
設定電圧が数種類選択できるようになっておりますが、申し訳ないがこんな
設定は無意味です。毎日お車を何10キロも乗られる方でしたらバッテリー上がり
をすぐに起こしてしまう事は少ないと思いますが、バッテリー寿命を縮めることには間違いありません。
短距離のみの使用の方や月に数回しか乗らない方は間違いなく慢性的なバッテリー上がりを起こしてしまいます。
駐車監視ユニットをご使用の方は簡易的なチェックではなくしっかりしたバッテリーチェック(比重点検・CCA計測含め)を専門店に定期的に見て頂く事をお勧めいたします。
補足ですが、最近は駐車監視用のバックアップバッテリーが販売されています。
私も研究用に購入してみました。
エンジン始動時はパススルーで電源供給してドラレコとしてしっかり機能。
エンジン停止時は車両バッテリーには一切負担をかけずバックアップバッテリー
から供給すると言うものです。
何度か充放電を繰り返してドラレコの動作時間を計測したりしながらテストしましたが、2カメラタイプのドラレコの場合4時間程度の動作をするものの、充電時間が4~5時間程度かかることを考えると、なかなか実用には不向きかなという結論
になりました。
しかし、駐車監視しておきたいシチュエーションの時にスイッチONすることで有意義に使用できたり、駐車時はソーラー充電と組み合わせれば稼働時間を延長できるのでは?など遊んでおります。
駐車時の当て逃げやショッピングモール等でのカート攻撃などの対策をしておきたい気持ちは皆さまお考えのことかなと思ったりします。
バッテリー容量が大きい=稼働時間が長い
バッテリー容量が大きい=充電時間が長い
なんとも歯がゆいですね。。。
後半は本題とかなり逸れてしまいましたが、ドラレコの駐車監視はセキュリティ性を取るかバッテリー負担を取るかの天秤となります。
駐車監視ユニットはそういったマイナス面(ばかりではありませんが)もご理解を
された上でのご使用が良いですね(^^ゞ。
本日も長文ありがとうございました。