
皆様こんにちは。
さて。ウチのセレナについて。シリーズも早いもので3回目です。
今回は、なぜディーラーは修理出来なかったのか
を検証しちゃいます。
えっと、まずは。故障診断のフローとして。
オーナー様からの問診をする。
↓
そして、故障や異常、チェックランプの点灯などが、
現在再現して いる➡リアルタイムデータ診断する。
いない➡シヨートテストで故障コードを確認
故障コードが残って いない➡再現すべく努力&問診再確認
いる➡どのユニットがどんなコードを 出しているかを調べる。
その故障コードから関連性のある部分を調べていく。
そして、その故障コードフラグが立った瞬間のパラメータが保存されているフリーズフレームデータを見る&控える。
フリーズフレームデータと基準値を比較、基準値から外れているものや理論的に合わない部分を洗い出す。
そして、それらのセンサーやアクチュエータなどを調べていく。
と、だいたいこんな感じかと思い、自分はそうしています。
ここまでで一番大切なのは…そう。オーナー様からの問診です。この問診が点検方法や再現性を高めるために一番重要と考えています。
診断テスターからの情報だけでは、ツボにハマることもしばしば。オーナー様の依頼と関係ない点検をする事にもなりかねず、結論に到達できない事さえあります。
今回、ウチのセレナは、
⚫衝突軽減システムと車線逸脱警告の警告灯が点灯する。
⚫エンジン始動直後に発生することが多いが、走行中でも点灯した。
⚫エンジン始動直後にランプが点灯しても、エンジンをかけ直すと消灯する。
⚫1度点灯するとイグニッションOFFにするまで点灯し続ける。
⚫日中、夜間は関係なさそうである。
⚫発生頻度は月に1~2回。(月に10回程度しか乗らない車)
⚫現在は警告灯は消灯している。
です。
そこで、作業担当者(1人目)の点検。
診断テスター(consult)にて故障コードを点検。
ADASユニットに「CAN通信系統異常」を確認。
整備マニュアルと日産技術相談窓口(テックライン)に相談する。
正常でもCAN通信エラーは時々でるので、別に故障ではないと思い込む(これが大間違いの元凶)。
しかし、テックラインに相談しているので、回答を待つ。
その間にこの担当者は体調を崩して休暇を取るために別の担当者に変わる。(きちんとした引き継ぎはしていない)
この担当者(以下担当者=Mとします。)もテックラインとのやり取りをする。
しかし、今現在警告灯が点灯していないと判断ができないと思い込んでいる。
この担当者(整備主任)と直接の話し合いをする。
私「故障コードを確認したか?」
M「しました」
私「どのユニットにどんなエラーが出てましたか?」
M「CAN通信系統異常のエラーがありました」
私「どのユニットにCAN通信エラーがありましたか?」
M「ADASユニットです」
私「他のユニットのエラーは確認してますよね?」
M「ADASユニットしか見ていません」
私「なんで、ADASユニット以外を見てないのですか?」
M「関係ないからです」
私「関係ない?CANの点検なのに関係ないの?」
M「関係ないです」
私「はぁ…関係ないんだ(呆れ顔)」
私が預ける前にテスターでショートテストしたときは…
こんなにたくさん出ているんですけど、見てないのなら仕方ないですね…。
私「それで、ADASにはフリーズフレームデータ(FFD)残る?」
M「わかりません」
私「分からない?FFDが残るか分からないの?」
私「FFDが見れるのか、調べてないの?」
M「ADASはFFDは残りません。(キッパリ)」
私「ADASユニットにはFFD機能が無いんだね?」
M「はい。ないです。」
私「そうなんだね。確認の為ADASのFFDに関する整備要領を見せてください。」
M「分かりました」と言い、事務室へ行く。
待つこと25分。
印刷してきた紙を見ながら工場長とヒソヒソ話しています。
私「見せてもらえますか?」
M「はい。」と紙を差し出す。

はあ…。
整備マニュアルには、しっかりとFFD機能があり、故障コード検出時に記録されるとあります。
しかも、しかもですよ?
わざとこのページしか印刷して来なかったのか分からないですが、少なくとも8項目以上あるんですよ。
そして、
私「FFD機能があるのに見てないのですか?」
M「すでに故障コードを消去していたのでわからないです」
私「えっ?診断が終わってないのに消去したの?」
私「消去する前に控えはとってあるんだろうね??」
M「いや、とってないです」
私「なんで?なんで控えを取らないの?」
M「……」
私「故障診断をする気があるのかな?」
M「……」
こんなアホなやり取りをするとは思わなかった…。
気を取り直して。
私「あのさ、警告灯が点灯するフラグを教えてよ」
M「フロントガラスが異様に汚れているとか…」
M「故障コードに残らないエラーがあるとか…」
M「カメラが壊れているとか…」
私「フロントガラスが異様に汚れている?その時は、故障コードに(CAN通信系統異常)って残るのかな?」
私「故障コードに残らないエラーがあると警告灯が点灯するんだ?」
私「カメラが壊れているときはCAN通信系統異常って出るの?」
M「でも…ガラスが汚れていると…警告灯が点灯するんです!」
私「ウチの車、そんなにガラス汚かった?汚れを落としたら改善されたの?しかも、その時は車線逸脱警告灯も同時に点灯するんだね?」
私「フロントガラスが汚れていたら警告灯が点灯するんだね。そこの整備マニュアルを見せてよ」
するとMはまた事務室へ行き、20分程で戻り…。
これ、読んでみようよ。
ここにはさ、エマージェンシーブレーキ警告灯が「点滅」ってあるんだけど。
私「君は点灯するって言ったよね?。このマニュアルには、点滅ってあるけど。それに、車線逸脱警告灯は点灯も点滅もしないみたいだけど。しかも、しかもだよ?(レーンカメラ検知機能低下)って言う項目もあるけど、これは確認したんだろうね?」
M「してません…」
私「なんで?なんで確認してないの?」
M「…………。」
私「レーンカメラとADASユニットはCAN通信しているの?それともレーンカメラはADASユニットに直接接続しているの?配線図くらいは確認したんでしょ?」
M「たぶんCANで接続されてます。配線図の確認はしてません。」
私「本当にレーンカメラはADASとCANで通信してるんだね?。この小さなカメラユニットだけど、車線検知と距離を測距したデータを処理してADASに送るのかな?、画像信号そのものをCAN信号に乗せてADASに送るのかな?別にCAN通信のプロトコルの話じゃないよ。どういったデータをレーンカメラがADASに送ってるのかな?」
M「…………。」
私「もし、レーンカメラがCANで繋がれるとしてらだよ?、診断テスターがユニットの1つとしてレーンカメラが検出されると思うんだけどさ、どうだった?。私のテスターでは、ADASの項目にあったんだけど、日産のconsultではどうなのかな?君は、何をどう見て点検、修理をしようとしていたのかな?」
と、確信をついた質問をしました。
するとMは…
「CAN通信異常だから、どこかでCANの配線が切れているかと思って、それを調べなきゃと思っていました。」
と答えました。
私「えっ?CANの配線がどこかで切れている?あっ、そうなんだ。それってADASのCAN配線?それよりさ、さっき君は配線図は見ていないって言ってたけど、配線図を見ないでCANの配線がわかるの?コネクタのピンアサインや配線色も把握してるの?」
と聞くとまた黙り混んでしまいました。
結局、帰ってくる答えはみんな嘘とデタラメ。
まあ、診断の確定ができていないのに、故障コードやFFDを保存しないで消去しちゃってるんだもん、そりゃあ点検のしようがないよなぁ…。素人だよ。
はっきり言って、こんなメカニックには診断や判断ができるわけがない。自分でできないのなら、テックラインからの指示を忠実に守ってその通りにやらなきゃ、結果が出るわけない。
おそらく、テックラインが言っている「症状が出ていないとやりようがない」というのは、FFDや故障コードを消去してしまい、分からなくなってしまったから、テックラインに「フリーズフレームデータはありません」と答えたのではないかとさえ思ってしまいます。そうなれば、「直しようがない」といったテックラインの回答も納得できます。
この辺のテックラインとのやり取りなども調べていただけるとのことですので、待ちたいと思います。
しかし…。
こんな事をしているのですから、いくら預けても直ることはないし、時間と燃料を無駄に消費するだけです。
このディーラーの主任整備士の技量、はっきり言って車好きなお兄ちゃんレベル。
ディーラーの言うことだから、大半の人は信用すると思うよ。俺も信用したいからいままで黙ってきたんだけどね、今回ばかりは車を破壊された上にこんな結果なので本当に怒ってます。
もちろん、すべてのディーラーでの話ではないと思いますし、私なんかより素晴らし怒りメカニックはたくさんいると思います。
車に興味が無い若者がやってると思えば仕方ないのかもしれません。
今思えば、ウチのノートの燃料メーター故障の時の診断も外れていましたし。
そのメカニックは腕利きなのかなんて分かりませんからね…
なんてお気楽な仕事なのかなと思います。