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大門 圭介のブログ一覧

2022年05月17日 イイね!

走行充電器とオルタネータの発電量について正しく理解してますか?VOL.2

走行充電器とオルタネータの発電量について正しく理解してますか?VOL.2さて・・・。
配線の見直しをしましょう。
はい、これ。
まあ、大体想像つきますけどね。



車両グロメットの横から通してあります。
で、車両の鉄板とケーブルが思いっきり接触してる。
しかも、こんなぶっといケーブルですわ。
怖っ。。。
そして、なんでアースケーブルがコルゲートチューブで保護されてるのに
プラス側ケーブル(しかも38sq!)が保護も何もされてないの??
そして、もう一つ



途中で延長してありましたが、カシメ不良ですっぽ抜けました。
ほんとにね、危ないですよ。
走行する車は振動や熱、風雨にさらされますのでね。
本当にこういった施工を見ると危険だなと感じます。

色々と調べたうえでこちらのメーカーの充電器に変更しました。



RENOGY(レノジー)社の走行充電器です。
RBC50という50A出力モデルです。
30Aモデルもありますが、どうも売れ筋の様で納期未定でした。
金額差も3000円ほどでしたのでこちらをチョイス。
同時にRMS-DCDC(バッテリーモニター)を装着しました。

もちろん、配線類も修正して



グロメット内にきちんと通して、この後TESAテープにて保護、必要箇所には
コルゲートチューブを使用して仕上げました。

そして、BOX内の配線もこの通りです。



とても簡素化されたように見えますが、配線の数はもとよりも増えています。

RENOGYの充電器にはメインバッテリー上がり時にサブバッテリーからメイン
バッテリーに電源供給する機能はありません。
お客様はこの機能はぜひ欲しい、という事でしたので、安全性を加えたうえで
機能を盛り込みました。
エマージェンシーの始動用と割り切り、メインバッテリーでの始動ができない時
にメーター横のサービスホールに装着したスイッチを操作することでサブバッテリーからメインバッテリーへ接続されるように改良しました。
通常時は38sqのケーブルのはリレーによりメイン・サブバッテリーともに切断
され安全を確保する事にも一役買っています。
新たにメインバッテリーから8sqでRENOGY充電器へ引き直しをしました。

そして、BOXに装着されていたシガライターソケットも調子が悪い、という事で
点検してみると。。。




こんな状態でしたので、新品に交換しました。
4つあるアクセサリーソケットのうち、2個をUSB充電器へと変更して



この様に変更しました。
今まではソケット4個合わせて20Aのガラス管ヒューズ1個での接続となって
いましたが、ソケット1個につき10Aのヒューズへと変更、USB充電器へも
10Aヒューズをそれぞれ独立しました。



ヒューズを独立させることで1か所使用不可能になっても他に影響が出ないように
改良です。

インバーター電源スイッチとUSB電源スイッチ、動作確認用LEDを暫定のパネルに
装着して(のちに作り替え予定)仕上がりとなりました。



さて、完成したシステムの動作を確認するためにチェックします。

ヘッドライトハイビーム点灯
エアコン作動・ブロアファン最大・リアデフォッガー作動




車両電装品ほぼ最大負荷時に



メインバッテリーに11Aの充電、サブバッテリーに20A以上の充電電流が供給
出来ています。
RENOGYの充電器の設定でサブバッテリーの充電電流を20Aに設定して動作確認
をしました。
後に30Aに設定しても同様にメインバッテリーへの充電を含め、アイドリング時
でも、問題なく充電できています。
もちろん、車両電装品を最大負荷時においても、です。
最大負荷を何時間も続けることはオルタネーターに負荷をかけることに
なりますが、この様な最大負荷の状態はごくまれです。

一旦、サブバッテリーを残量30%程度まで電力を使用してから、アイドリング
状態(車両電気負荷はエアコン作動・ファン最大のみ)で満充電までテスト
した結果、2時間30分ほどで89%まで充電ができました。
概ね、計算通りの充電ができているようですね。
もちろん、暗電流もチェックしましたが



車両側暗電流35mA、そのうちサブバッテリー側1mAです。

そして、禁断の・・・
メインバッテリーを寿命を迎え交換した廃棄するバッテリーに載せ替えをして
(バッテリー電圧7Vほど)エンジンが始動できない状況を作りました。
その状態でメーター横に装着したサブバッテリー接続モードにしてエンジン始動を
試みました。(サブバッテリーは50%充電程)
スイッチをONにすると大きめのリレー作動音がします。
勿論、このリレー動作の電源にも工夫がしてあります。
エンジンスタートスイッチをプッシュ!キュンキュン!!ブルン!一発始動!!。
いやあ、心強いですね・・・コレ。

(ソーラーチャージを併用すれば、もっと心強いな・・・)

という感じで、お客様の理想通りのシステムになりました。

メイン・サブのバッテリーのアイソレーションは確実にできているのか?
どのような状態の時にどのくらい発電できているのか?
メインバッテリーへの充電はしっかりできているのか?
システムを構築したときに確認って重要ですよね。。。

電力の体力測定、是非お勧めします。

その後、お客様に使用してみた状況を確認させて頂きました。

全く問題なく使用できています。
今までは、サブバッテリーが40%以上充電されているところを見たことな
かったですが、現在はほぼ満充電の状態です。
エンジンを止めてサブバッテリー使用して車中泊を楽しみ、50%以下になっても
2時間もエンジン始動すれば満充電になります。
もちろん、エンジンが始動できなくなることはありませんでした。
安心してサブバッテリーの電力を使い切ることができます。

と、いうコメントを頂きました。

メインバッテリーの状態やシステムのチェックは定期的に行う事は言うまでも
ありませんが、まずは構築したシステムが正常に動作しているのか?
をチェックし、オーナー様もしっかりと把握することが大切ですね。

今回使用しましたRENOGYの充電器・モニターですが、導入前にメーカーへ
色々な質問をしました。
待機電流や作動電流はメインバッテリーから供給なのか?サブバッテリーから
供給なのか?等の質問(メールにて質問しました)に関しても1~2日で折り返し
のメールを頂けました。
また、即答できないものに関しては実機でのテストをしたり、技術部に確認を
してから回答をして頂けたりと、とても丁寧に対応して頂けましたのは
とても嬉しい限りでした。

今回は特に大電流を扱うシステムですので、確実な配線・結線は勿論の事、
取り回し、ハーネス保護、適切なヒューズの配置などしっかりと考えて
構築する必要がありますので、皆様のご参考になれば幸いです。
そして、アイドリングストップ・充電制御・オルタの出力など全体をしっかりと
把握したうえで快適な装備を実現して楽しみたいですね!。




Posted at 2022/05/18 00:32:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | お仕事 | クルマ
2022年05月17日 イイね!

走行充電器とオルタネータの発電量について正しく理解してますか?

走行充電器とオルタネータの発電量について正しく理解してますか?皆様こんにちは。
凄ーい久しぶりの更新です(●´ω`●)

最近のキャンピングカーブームはすごいですね。
色々と工夫を凝らした仕様がたくさんありますね。
そんな中で、ご近所の方の200系ハイエースの点検依頼がありました。

①走行充電が何時間走ってもできない(20%くらいしか充電できない)
②車両バッテリーが上がってしまう(3~6か月程度)

という2点の点検から、色々なことへと発展しました。。。。

まず、基本構成の確認からです。

CTEK 走行充電器 D250
CTEK スマートパス 120
CTEK バッテリーセンス
LONG GREENPOWER CWP100-12N(1台)
1500W インバーター

メインバッテリー~300Aヒューズ~38sqケーブル~CTEK充電器~
100Aヒューズ~サブバッテリー

という組み合わせです。
オーナー様は、この仕様は施工店のおすすめで、

完全なシステムです。
メインバッテリーが上がってしまってもサブバッテリーから自動的に
電力がメインバッテリーに供給され、エンジン始動を可能にします。
スマートパスが付いていますので、サブバッテリーは急速充電されます
ので、サブバッテリーの充電は高速で行われます。
すべて自動ですので特別な操作は必要ないとても優れたシステムです
走行充電なので、アイドリングでは急速充電が行われないので、
走行している必要がある。

という説明を受けて、この仕様で依頼をして制作して頂いた、という事です。

なるほど、それでメインとサブバッテリーが38sqという極太配線で接続され
ているのか・・・。
んん・・・・このサブバッテリーの充電電流は30AMAXとなっているのに、
なんでまたこんな大電流充電可能なシステム(スマートパス)を構築?
それに・・・+側のケーブルは38sqなのにアースケーブルは14sqってどうよ?



なんて思いながら、とりあえず車両点検をしてみます。
暗電流点検からスタートです。







面白い。。。
エンジン停止中、ドアスイッチ配線を外して3分ほど経過後、暗電流の測定を
すると・・・。なんと、メインバッテリーとサブバッテリーが1秒サイクルで
お互いに充電し合っている。。。
何だこりゃ?。
そりゃあ、メインもサブも上がりますよねぇ。効率が100%であれば問題ない
ですが、そんなことはあり得ませんし。
そこで、サブバッテリーへ行くプラスケーブルを外すと、
想定内に収まりました。

そうなるとやはりCTEK充電器の動作に問題があると言う事ですので、お客様に報告を
しました。すると、

メインバッテリーとサブバッテリー共に上がってしまう度に取り付けをした
ショップにて点検してもらい、メインバッテリー交換をしていたそうです。
その時の説明は毎回、「CTEK充電器の誤動作なのでリセットをしました」
というものだったそうです。

うーん、原因追及をしないのはなぜなのかな。
そしてお客さんも「キャンピングカーはこんなもん」だと思ってたそうです。
そもそも、サブバッテリーシステムは走行用電源と切り離されていなければならないものなのに、メイン、サブのバッテリー共に上がってしまうなんて本末転倒。
そして、今どきの車両のオルタネーターは高出力化が進んでいますので20A程度の
電流をサブバッテリーに充電しても問題はまずない。
走らないと充電しない、っていうのもおかしな話。
そもそも、急速充電?っていう表現も違和感アリアリだし、充電電流30Amaxの
バッテリーに対して140A出力って、どうなんでしょうね。
もちろん、後のシステム発展でサブバッテリーを3本・4本と積む予定であれば
必要かもしれませんがそのようなことは考えていないと言う事ですし。
ここまで来るとさすがにオーナーさんががかわいそうです。

ま、何はともあれCTEK充電器とサブバッテリーのおさまるBOXを見てみました。



すご・・・。
ごちゃごちゃ。
イヤな予感が



はああああああ。
もうね。作った人でもわからくなるんじゃない?って感じ。
おまけにこの電圧計。



0.5Vほどズレちゃってますね。
お客様としては、
きちんとしたものにしてもらいたいので、お任せします。
という事ですので、
申し訳ありませんが誤動作が頻繁に起こる充電器を撤去して信頼性の高い
充電器に交換、配線の見直しを一気に行わせて頂きます。

次号へ続く・・・








Posted at 2022/05/17 22:29:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | お仕事 | 日記

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「こんなのアリ?ヤバいと思うヨ。。。 http://cvw.jp/b/1685619/48453554/
何シテル?   05/27 10:51
大門 圭介です。よろしくお願いします。 デビューしてみました。 自動車電装整備士をやってまして、いつも車に囲まれて生活しています(^^)。 車輌診断機をは...
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