
皆様こんにちは(^^)/。
さてさて、今日はいつものお客様??のお車です。
ベントレーブルックランズ。
去年末にご納車されながらもお仕事多忙の為数回しか乗る事の無かった
超々高級車・・・。
弊社でコーティングやレーダー探知機取付、車検取得などをさせて頂きました、
アノお車です。お客様曰く・・・
乗り心地、こんなに悪いもんかね??
なんか・・残念なんだけど・・・こんなもん?どう??
と何度も聞かれまして。
40年近くお付き合い(幼少のころから)の先輩でもあり、今までいくつもの
車を乗り継いできた方ですので、本当にいろいろなことをご存じです。
20インチ(タイヤ)が厳しいのか、ポテンザ(新品入れ替えしました)がそう
させているのか、それとも、こんなもんなのか・・・相当にお困りのようです。
走行距離12000㌔ほど。しかし経過年数は10年以上です。
こちらのお車、リアサスはちょっと独特な部品を使用しています。
いわゆるバネサスではなくガススプリング、アキュームレータ―式です。
シトロエンやメルセデス(w124のころ)に採用されてきた歴史ある
システムです。枯れた技術?と揶揄されることもありますが、個人的には
しっとりした作動、レベライザーと組み合わされても車高に影響される事
なくフラットな作動を約束する古きシステムながら現代でも十分に満足
できる乗り味が魅力な構成なんです。
オーナー様は、走行距離も少なく、購入したお店でも最高の乗り心地ですし
どこにも問題点はない最高のコンディション。稀有な一台です。試運転も
全く問題なく、すべてが完調で手を入れるところはない安心して乗れます、
と褒めちぎられておりましたし、過去にアルナージやターボR、コンチネンタル
GTも所有されましたので、ベントレーの血統(どこまでが?)はよくご存じ
の方であります。
やはり、アルナージと比較されているのでしょうか、どうしてもゴツゴツ感と
言うか、フラットライドな乗り味には遠いんだよ・・・とお嘆きです。
ブルックランズはクーペですのでキャラクター的にはアルナージとは対照的?
なのかな?ホイールもデカいし、足回りのセッティングも硬めなのは理解して
いる。でも、それにしても・・・どうなのよ??と・・・
私も整備のために数回、距離にして100㌔くらいは運転させて(試運転も含め)
頂いておりますが、確かに硬い・・・。これ、アキューム逝ってるっぽいなぁ・・
と感じてはいたのですが、購入したばかりのお車にこの様はお話はご法度・・。
そして、オーナー様から、
ちょっとさ、リアサス?アキューム?っていうの、どうかね??
やってみる価値はある?ホイールのインチを下げる?なんかやってみたい。
少しでも良くなるなら。それでだめならマセラティにでも。。と、もはや
心移りの気配が漂っています。
私はためらわず、アキュームやりましょう。部品もそれほど高くありませんし、
作動油(ペントシンオイル)も在庫ありますし、何より一番のキモの部分です。
とお話しました。
そして、いざ、交換です
トランクルームを分解、アキュームの取り外しです。
ああ、やっぱり。。。めっちゃフルードがキャビってます。
もうね、クリームソーダ状態。
周りに垂れることの無きようしっかり養生して、バットで廃油を受けて。
左右共交換しました。左側はそれほどキャビってる様子はありませんでした。
フルードもキッチャナイのですべて抜いて交換です。
シリンダーや配管内も極力ぬけるようにあの手この手で抜きました。
新油を注入してエア抜き作業をして。数時間待機してから油量チェック。
そしていよいよ試運転。。
いやあ、鳥肌ものです。
フラットライドとはまさにコレ、と言わんばかりの落ち着いた滑らかな動き。
マンホールや路面のギャップも、アレ?と思うほどになりました。
乗り心地悪化の原因はやはりアキュームレータ―でしたね。
1昼夜待ってからもう一度試運転。あらためてはっきりとわかる変化です。
最終の油量チェック、組み立て箇所の確認をしてご納車となりました。
ご納車後、すぐにお客様からご連絡があり。。。
2000万円価値が上がったなぁ。はっきりとわかるよ、ご苦労様でした。
商談の時のことを思うと。。。どうなのよ??なんだかなぁ。。。
ま、いっか。この仕上がりには大満足だね。
とありがたいお言葉を頂きまして完了となりました。
アキュームレータは走行距離も関係しますが、距離が伸びずとも3~4年
毎に交換することで素晴らしい乗り味がよみがえります。
改めてアキュームレータ―式のサスペンションを見直した一日でした。
近代のベントレーも、もちろん良きですが、往年の6.75㍑ツインターボエンジン
色々な面において電子制御の介入が(ほとんど)無い旧来の車ですが、
本当の車の素性が良く分かります。
重い、デカいには間違いありません。小回りなんて無縁のお車です。
しかし、パワーステアリングのフィーリング、ブレーキペダルのタッチ感等は
とてもしっくりくる感触がとても良く馴染みますね。