お盆休みなので、夏休みの自由研究をしようと思う!!
で、研究テーマは
『酸性溶剤が貝殻の石灰質に与える影響について』だ。
実験の前に学習。
①酸とは何か。(溶かす物質)
酸とは水溶液中で水素イオン放出する物質である。(塩基性(アルカリ性)とは水酸化物イオン)放出量が多ければ強酸、少なければ弱酸と言う。
②石灰質とは何か。(溶かす対象物)
石灰質の主成分は炭酸カルシウムである。炭酸カルシウムは塩基性の性質を持つ物質である。
③塩基性(アルカリ性)とは何か
化学物質が持つ性質の一つで、酸性と対になる概念である。
例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの物質がそれに当たる。
塩基性は酸と混ぜると中和反応を起こす。
例えば、疲れや飲み過ぎ、ストレス等で胃酸過多になってお腹が痛む時に、塩基性の水酸化ナトリウムを含む薬を飲むことで、胃酸を中和し、痛みを和らげるのが中和反応と言うやつだ。
④酸が石灰質を溶かす原理は何か。
酸の水溶液中に石灰質を持つサザエの貝殻を入れる事で、以下の化学的な反応が起こる。
・酸が放出する水素イオンが、塩基性の炭酸カルシウムと出会うと、中和反応が発生し、水と塩を生成する。
・石灰質はどんどん水と塩に置換されていくため、溶けているように見える。
・式

一見すると、炭酸カルシウムの酸素が酸に奪われているように見えるが、これは還元反応ではなく、水素イオンと炭酸カルシウムが反応して起こる中和反応なのだ。
この反応においては、カルシウムイオンと炭素原子の酸化数は変化しておらず電子の移動は見られない。なので酸化還元反応とは言えないのである。
予想
サザエの貝殻を、酸性の液体に漬けることで、サザエ表面の石灰質と酸が中和反応を起こし、サザエの作る真珠層が露わになる。
ピカピカのサザエをゲット出来る!!
さて、実験。
今回は塩酸を持ち合わせていないので、サンポールを代用品として使用した。

まずはバーベキューで美味しく頂いたサザエの貝殻の外側に付着している生物の殻だの何だのを、鉄のブラシで擦って落とした。

貝殻の内側から溶けて穴が開かないよう、サザエの貝殻の中にはビニールを詰め込んでおいた。
サンポールの原液を薬局で購入し、アイラップにサザエの貝殻と一緒に入れる。
即座にブクブクと反応が始まり泡が出てきた。
(ビニールでは、耐久性に問題があり、多少漏れてしまったのと、全体に酸の溶液がつかず、中和反応がまばらであったことがあり、ペットボトルでやればよかったと今更後悔している。)

5時間後。
石灰質はデロデロに柔らかくなっており、水をかけながらブラシで磨くと、スルスルとキレイに取れた。
5時間では完全には取り切れないようだったので、もう一つはもう少し漬けてみようと思う。
8時間後
突起部分も溶け始め、ツルツルの丸いサザエに近くなった。
どうやら突起部分には真珠層が形成されていないようだった。
溶かし始める前に、削っておいても良いかもしれない。
サザエのからも随分と薄くなり、真珠層もある程度溶けて居るようにも見える。
先端部分等は穴が開いてしまった。
結論
中和反応は、時間と共に進行し、しばらく放置すればサザエの真珠層も侵食し、全てを分解しきってしまうという事が分かった。
漬け込む時間を調整することで、より美しく真珠層むき出しの貝殻を獲ることが出来ると分かった。
漬け込む時間は8時間以下が良さそうだ。
また、サザエの場合、突起部分が不要であれば、削ってから漬け込んでも良いかもしれない。
中和反応が、どのような場面で発生し、応用されているのか、これからも調べてみたいと思う。
以上、酸性溶剤が石灰質に与える影響についての研究を終わる。
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2024/08/17 19:57:47