こちらも40年来の古い友人からの依頼、怪しい4→5穴変換スペーサで、特殊なボルトが入手できないから使用できないとのことで、はるばる送ってきました。
送って来てしばらく放置してましてごめんなさい。

まったくものすごいの考える人がいるもんですね。
何だか見てるだけで足回り部品だし、危険形状極まりないんですけど... ハブリングの概念もないみたいですし、それでもって、すごく回転バランスも悪そうです。
超高速は無いかもしれませんが、恐らく数十グラム単位でダイナミックバランスは悪いと思います。
4→5穴でボルト穴が角度割り振り上隣接する位置があるんですが、結構厳しい設計になっています。 1本は4穴仕様のスタッドをロングタイプとして共締めするようですね。
さて本題は、隣接した部分に入れ込むスタッドボルトで、頭が楕円プラス、ボルト芯と偏芯している特殊なものです。
まずは、どんな形状なのかを診断するため、身体測定を実施

形状としては、φ15の円が芯を2mmずらして2個楕円となったものでした。
脳内図面では厳しいので、後の工程のことも考えて図面化
ネジピッチが1.25mmなんでN社の車両ですね。

図案化が済んだところで、過去に同様な案件で使用した残材を用いて旋盤実施。
材料は友人に死んでもらっては夢見も悪いし困るので、SNCM439Hを使用
通常一般のスタッドボルトは調べてみるとSCM435を使用しているのようなので、熱処理もあるので、今回の使用の材料では2割くらいは強度向上があるとスペック的には推定。
但し、純正スタッドははメッキしていあるので多少強度が落ちているのではと推定。(水素脆性?)

機械の暖気代わりに第一工程完了。 反対の端面を仕上げて次の工程へ...

偏芯+楕円になりました。

早速、合わせてみましょう!!

良い感じです。
今回の加工に加えて、楕円+偏芯特殊ボルトを既存4穴中の2か所と隣接する部分のみとして、残りの2か所は新たに純正のスタッドボルトを圧入するプランに変更するため。既存楕円穴の部分をφ18.4の真円座グリ穴に変更してほしいと依頼があったので、こちらも加工...

芯出しと段取りが面倒で、加工はほぼ秒殺で終わる。

これでOkかな... 圧入は友人に任せましょう。
製作したボルトはメッキではせっかくの材料パフォーマンスを生かしきれませんので、イソナイト処理でさらなる強度アップと防錆対策としましょう。
依頼通りに加工はベストを尽くしましたが、絶対に死なないでください!!
Posted at 2023/02/19 08:53:16 | |
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